タイヤ交換の知識
タイヤ交換の工具①╱ジャッキや輪止め(タイヤ止め)の知識
- 1
- 2
タイヤ交換に必要な工具を、使う順番におさらい。まずジャッキとなるが、ジャッキと同時に使うべき輪留め(タイヤ止め)を忘れがちなので注意。
※タイヤ交換の方法・手順は、別記事の「タイヤ交換の安全なやり方」で解説。
タイヤ交換でジャッキアップする前に忘れがちなのが「輪止め」
-
タイヤ交換をDIYでやるにあたって、必要な工具のおさらいをしておきます。
●レポーター:イルミちゃん
-
使う順番からいくと……
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
-
ジャッキですね。
-
そんなふうに忘れがちなのが、輪止め(タイヤ止め)ですね。
-
タイヤが転がらないようにするやつ。
-
そうです。
-
タイヤ交換のときに、それ……いる?
-
ジャッキアップする以上は、いりますよォ。地味だからって忘れないでください。
-
1輪ずつジャッキアップしてタイヤ交換する場合も、輪止めって必要なの? 使ってない人が多いような……
-
あったほうがいいですね。1輪持ち上げる場合は、対角線上のタイヤに輪止めをかけておくんです。
-
なるほど。対角置きか。じゃあ、1個でいいんですね。
-
1個でいいですよ。ちなみにセダン系だと、車載工具に輪止めが含まれているケースも多いですね。
-
なんでセダンは付いているんだ? ズルくない?
-
セダンの場合、後輪駆動のFR車が多いじゃないですか。
-
……ふむ。
-
ということは後輪をジャッキアップしたときには、前輪はフリーの状態だから、動いてしまいます。
-
FF車はなにが違うの?
-
FFなら、ギアが入っている状態ならば前輪は動きませんから(※多少は動いたりますが)
-
しかし、その場合は前輪を持ち上げたときに、後輪が動くのでは?
-
後輪はサイドブレーキがかかっていれば動きませんよね(※ほとんどの車の場合)
-
サイドブレーキは後輪を止めているのか。
-
そうです。だから後輪を持ち上げるときは、サイドブレーキでは止まらないってことです。
-
そのときに前輪が転がってしまうFR車は、輪止め必須ってことか~。
-
とはいえFF車もあったほうが安全ですよ。
-
……今教わった理屈なら、FF車に輪止めはいらないのでは?
-
でも、FF車でも後輪を持ち上げたときに少し前輪が動いたりはしますから、危ないことは危ないです。
-
フムフム。
-
ジャッキアップは、平らな場所で行うのが前提ではありますが、そうはいっても完全に真っ平らでなかったりもするし。
-
確かに。ショップのピットのように、平らな環境はあまりない。
-
ジャッキアップする以上は、反対側のタイヤの動きを止める輪止めは必須アイテムと考えておきましょう。
輪止め(タイヤ止め)
✔ サイドブレーキを引いた状態で、前輪をジャッキアップする。
1輪ずつジャッキで持ち上げてタイヤ交換するとき
-
そしてジャッキですね。
-
ジャッキなら、車載工具に含まれていますよね。
-
ここでひとつ注意なのが、車載のパンタグラフジャッキではなく、小さめのフロアジャッキを使って1輪ずつ持ち上げる場合。
-
フロアジャッキだけど、小型のタイプで一輪ずつ、というパターンですね。
-
その場合は、サイドのジャッキポイントに当てる用のアダプターを付けないとジャッキポイントをつぶす可能性があります。
-
基本的には、サイドのジャッキポイントは、真ん中にミゾのあるパンタグラフジャッキ用の形状だという点に注意しましょう。
-
この問題、詳しくは「ジャッキポイントが曲がった!潰れた! 曲がりの原因と対処法」で触れています。
車載のパンタグラフジャッキ
✔ 使い方は「タイヤ交換の安全なやり方。車載ジャッキは使い方を間違うと倒れる」参照。
小型のフロアジャッキ
理想はガレージジャッキとウマを用意すること
-
タイヤ交換は車載ジャッキでもできることはできますが、1輪ずつ持ち上げてのタイヤ交換は効率が悪いし、不安定だし、厳密には車体の歪みの原因にもなる。本当はあまりオススメしません。
-
あくまでも応急のタイヤ交換向け?
-
ですね。例えばスタッドレスタイヤと夏タイヤの交換作業の場合は、1輪ずつ交換作業していくのでまだいいですけど、ローテーションはできないし。
-
では、定期的に自分でタイヤ&ホイール交換しているようなユーザーの場合は……
-
2輪同時に持ち上げられるフロアジャッキ(ガレージジャッキ)と、ウマを持っておくのがベストです。
-
フロアジャッキを使って四輪をウマに載せれば、ローテーションも可能になるし、車体にも負担が少ないです。
フロアジャッキ
✔ 選び方の基礎知識は「フロアジャッキ(ガレージジャッキ)入門。DIYでの必要性は? 選び方は?」参照。
ウマ(リジットラック)
✔ ウマにも三つ足、四つ足の違いなどがある。詳しくは「ウマ(リジットラック)の使い方入門。足の向き注意!」参照。
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
関連記事
- タイヤ交換の工具②╱ホイールナットのサイズは…?
- タイヤ交換の安全なやり方。車載ジャッキは使い方を間違うと倒れる
- 社外ホイール交換方法╱傷をつけない外し方
- ホイールの締め付けトルク(規定トルク)は何キロが正解?
- ホイールナット取り付け時は「座面」に注意!!
- ホイールナットが外れない! そんなときの対処法
- ハブボルトをなめる(ネジ山がつぶれる)原因と、その対処法
- タイヤ交換後のナット増し締めの必要性とは? やり方は?
- タイヤローテーションをDIYで(自分で)やるときの注意点
- スタッドレスタイヤの保管方法。「空気圧」と「置き方」に注意!
- アライメント調整するべき場面とは? タイヤ交換時の必要性は?
- タイヤ交換は1本だけ、または2本ずつ(フロントのみ)やってもいい?
- タイヤ交換時期は、どこで判断するべきか?(判断材料を整理)
- タイヤ持ち込み交換を、店に頼む前に知っておくべきこと
- 車検に通るタイヤ&ホイールの条件
- ホイールスペーサーの正しい使い方