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クリア剥がれをDIYで補修するなら知っておきたい注意点

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車のクリア剥がれ補修の注意点。DIYで補修を考えている人は、やる前に読んでおこう。また板金屋に頼んで直す人も、「クリアを吹くだけで元に戻るのか？」の診断方法は参考になる。

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  「クリア剥がれを放置すると、クリア補修だけでは済まなくなる」の続きです。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今回は、補修するにあたっての注意点を解説しておきましょう。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  DIYで補修する強者もいるかも知れませんので。

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  まずは「クリアだけを吹けば解決なのかどうか」を判断します。

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  と言うと？

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  もしかすると、浸食されているのはクリア層だけではなく、その下の塗装面にまで及んでいるかも知れません。

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  そうなるともう、クリア剥がれの補修では済まなくなる、というのが前回の話でしたね。

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  そうなんです。
  でもパッと見には判別できません。


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  そこで、事前に判断する方法。

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  どうやるの？

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  水をかけてみる。
  洗車のときなど、都合がよいですね。

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  水をかけて何が分かるの？

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  水はクリアと同じです。だから、水をかけて塗れた状態で、塗装面の見え方をチェックします。

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  …ほう。

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  クリアが剥がれていても、水をかければキレイに見えるとすれば……クリア塗装だけで元に戻るってことです。

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  へー。
  それで判断できるんだ。

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  クリアが完全に剥がれて下地が出ている状況だとすると、メタリックやパールの層なども浸食し始めているから、水をかけてもモワーンとムラみたいに見えたりします。

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  なるほどォ。
  それならカンタンに調べられる。

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  DIYで補修するつもりがない人でも、被害がまだクリアだけで済んでいるかどうかの判断基準になります。

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  ところで、クリア剥がれの補修って、純正クリアの上からクリアを吹くことになりますよね？

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  下地にまで影響が出ていない段階なら、そうなりますね。

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  色を塗装した直後にクリアを吹く場合は、完全に乾く前に重ね塗りするから密着すると教わりましたが……

✔「クリア塗装の重ね塗りで、艶を出すコツ」参照。

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  純正クリアの上からクリアを重ねる場合って、密着しないのでは？

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  そうですね。乾いているクリアの上に、そのままクリアを吹いても密着しませんね。

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  それこそ、またクリアがパリパリ剥がれてきそうな……。

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  だからこの場面では、足付け（※）が必要になります。



※ 足付けとは、塗装の食いつきをよくするために、表面に傷を付ける作業。

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  通常のクリア塗装とは事情が違いますね。

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  ようは、色を塗る前の段階と同じなんですが、クリアの場合は、ヤスリの番手を上げたほうがいいですね。

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  何番くらいのペーパーを使うのでしょうか？

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  クリア用の足付けとしては1500番以上が妥当かと思います。1000番でもいけるかもしれないけど。

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  普通に色を吹く前より、細かい番手で磨くんだ。

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  そうですね。色を塗る前の足付けなら、800番以上が妥当で、600番だとギリギリです。色にもよりますけど。

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  クリアのほうが目を細かくする理由としては……

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  クリアの場合は、足付けの目が粗いとキズ目が出やすいからですね。

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  なるほど。DIYでクリア剥がれを補修しようという人は、足付けの番手には注意しましょう

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  もうひとつ注意点があります。

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  クリアは基本的にボカすのが難しい、ということは知っておきましょう。

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  え？ そうなの？ 透明だからボカしやすそうな気もするけど？

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  いやいや、そうではないんですね。クリアのほうがうまく馴染んでいかずに、線が出やすい。塗装後に磨いた段階で線が出てきますよ。

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  では、クリア剥がれがちょっとの範囲だとしても……

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  部分塗装でボカすことはできないと思ったほうがいいです。特にボディカラーが黒系の色だったらボカせない。

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  下の色も関係あるんですね。

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  同じ黒でも、パールやメタリックが強い黒なら、まだクリアのボカシ目が出づらいとは言えますが、ソリッドの黒だとはっきりボカシ目の線が出てしまいます。

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  ……ということは、クリア剥がれが部分的なものだったとしても、クリアは全体にかけるってことか。

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  それがいいですね。ボディカラーがパールやシルバーなら、クリアの部分塗装でもいいかも知れませんが。

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  なるほど。

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  もしボカシで対応する場合は、できるだけ目立たない部分でボカすようにしましょう。

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  目立たない場所って？

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  例えば下の車の例でいうと、クリアが剥がれ（一歩手前）は上部だけでしたが……


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  クリアについてはこの範囲を全部塗り直しています。



✔ このような広範囲のマスキングについて勉強したい人は、「車のボディ全体をマスキングする方法」参照。

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  ボカシ無しってことね。

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  もしボカすとしたら、ウィンドウ下の細い部分でボカすしかない。でもこの車の場合、そこまで塗るなら全部塗ったほうがいいだろ、っていう形状ですよね。

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  なるほど。

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  その代わり、クリアは色を塗るときと違って、隣接するパーツとの色合わせは気にしなくていい。

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  透明だからね。

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  そういう意味でも、クリアは基本的にパーツ全体にかけ直すほうが無難です。ボンネットならボンネット一枚塗る、ルーフならルーフ一枚塗る、という具合です。

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  クリア剥がれが部分的なものでも、クリア補修は全体に。DIYでやる人はこれもポイントですね。