板金塗装をもっと身近に

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車のボディ全体をマスキングする方法

車のボディ全体をマスキングする施行例を、板金塗装職人に取材。部分的に塗装をする場合、ボディをどこまでマスキングするかは人それぞれではあるが、広範囲にマスキングするほどリスクが低減するのは間違いない。

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  「広範囲をマスキング（養生）するときにプロはどうやっているのか？」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  部分的に塗装したい場合に、「塗らない部分」をどこまでマスキングすればいいのか？ という話ですが……

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  ちなみに今回の状況で言うと、塗装するのは「ブレーキキャリパーだけ」です。



✔ 今回は事情により、ブレーキ周りを分解しないで塗装する。

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※「ブレーキキャリパー塗装の費用を、もっと安くする方法はないの？」参照。

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  前回登場したアイテム「HIマスカー」のおかげで、効率良くタイヤハウス周辺のマスキングができています。

ここまでは前回マスキング済み


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  塗るのがブレーキキャリパーだとすると、おそらくこの位の範囲で塗装してしまう人も、半分くらいいると思いますが……

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  …ふむ。
  まあ、十分塗れそうです。

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  ただ、塗装のミストは少なからずボディの露出している部分にも飛びます。…飛ぶかもしれない。

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  ……それはイヤだ。

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  見た目には分からなくても、手で触ったときにガサガサしたりとか、洗車したときにスポンジが引っかかるみたいなことになったりする。

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  もっと広範囲にマスキングしておいたほうが無難、なんですよね。

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  そうなります。

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  では、どのへんまでマスキングすればいいのか？

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  僕は部分的に塗装する場合は、車体を完全にすべてマスキングします。

これぞラッピング（!?）


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  確かにここまでマスキングすれば、ミストが飛ぶリスクはゼロになりますが……。

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  そういうことです。

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  しかし、ちょっと疑問もあるのですが。

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  なにか？

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  ほんだ塗装の場合は、立派な塗装ブースを完備しているわけですよ。


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  塗装中は、床にどんどん空気が吸い込まれていきますよね。

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  そうですね。ウチのブースは、床が空気を吸い込む「下引き」方式なので、ミストが飛ぶリスクも低いです。

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  下引き以外の塗装ブースもあるんだ？

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  「横引き」もありますよ。横引きの場合、塗装中にミストが横方向に流れますから、なおさら完全なマスキングが求められます。その代わり、設備投資はもっと安く済む。

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  ましてや、塗装ブースなどない状況のDIY塗装だとしたら……

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  車体すべてをマスキングで覆うべきですよね、本当は。

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  でも、それなら、下引きのブースでキャリパーを塗るにあたって、屋根までマスキングする必要がありますかね？

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  確かにこの状況で、ブレーキキャリパーの塗装中に屋根にミストが飛ぶ可能性は低いです。

実際の塗装シーン


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  塗料は吹いたそばから、下に吸い込まれていく。

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  ただね、僕はどっちかというと、念には念を入れるタイプなんですよ。

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  どっちかっていうと……ではなくて、明らかにそっち系ですよね。

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  預かっている他の車の管理も含めて、とにかく「ミストが飛ぶリスク」はゼロにしています。

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  車を預けるオーナーからしたら、ほんだ塗装みたいな完璧主義のほうが安心できるのは間違いない。

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  というわけで、車のボディ全体をマスキングします。

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  ボディ全体をマスキングするときに便利なのが、養生ビニールです。


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  2メーターの幅で、屋根をそのままマスキング。


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  ただしコレは、前回使ったHIマスカーとは違って、単なる大きいビニール。マスキングテープは付いていません。

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  自分でマスキングテープでペタペタ貼ってつなぐタイプですね。


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  車の腹下にも、養生ビニールを巻き込むようにして貼り付けていきます。



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  底までマスキングするんだ。

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  だって、ミストが下に入り込むことだって、あるかもしれないし。

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  まあ、そうですけど。どの板金屋もここまでやってくれると思わないようにしてね、皆さん。

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  これでフロント、屋根、リアまで一気にマスキングできます。

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  あとは、前回施工したタイヤハウス以外の車体側面が残っています。

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  車のボディ側面をマスキングするときは、固定がラクなHIマスカーのほうがラクできますね。




バッサー

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  いろいろな道具があると、意外と短時間でどんどんボディがマスキングできていくなァー。

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  隙間を塞ぐには、養生ビニールでもいいけれど、マスキングペーパーのほうがやりやすいので、僕はペーパーも使っています。


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  ……凄まじい量のマスキング具材を使いますね。

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  そうですね。マスキングテープや養生ビニール、ペーパーなど、材料費はばかにならないですね。

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  そもそも「ブレーキキャリパーをできるだけ安く塗ってほしい」というリクエストに応えるために、この方法でやっているのですが……そのへんは大丈夫なの？

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  う～ん、まあ、板金屋の仕事は、究極的に言ってしまえば、お客さんのためになることをすればするほど、店は儲からないっていう面はあります。

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  マスキングひとつとっても、板金屋によって、どこまでやるかの対応に差があるのは、当然と言えるでしょうね。