塗装の悩みをプロに聞く

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クリア塗装しても艶が出ない。艶引けしてしまう。……原因は？

クリア塗装で艶が出ない、それはDIY塗装の定番の悩み。今回から始まった「塗装の悩みをプロに聞く」シリーズ第1回目は、この塗装の「艶引け」問題を取り上げる。なぜクリアの艶引けがおこるのか？ 原因を理解した上で、クリアの艶の出し方を学ぶ。

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  クリア塗装しても、艶が出ない。それはなぜなのか。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  もしくは、塗った直後は艶が出ていたのに、艶引けしてしまった、とかね。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  艶引けって？

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  シンナーが抜ける（蒸発する）と、艶引けがおこります。

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  フムフム。

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  クリア塗装の直後は艶々でキレイなんですけど、シンナーは時間とともに蒸発するので、あとから見ると「アレ？ 艶が出てない」ってなる。

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  最初から艶が出ないんじゃなくて、艶がどこかにいってしまった？

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  缶スプレーのクリア塗装だとありがちな話だと思います。

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  缶スプレーとスプレーガンだと、事情が違うんだ。

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  例えば僕ら板金屋がスプレーガンで塗っているクリアは、シンナーによる希釈が20％程度なんですね。シンナーは、ちょっとしか入れない。



クリア塗料をシンナーで希釈。

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  フムフム。

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  大部分は、クリア（透明）の塗料を吹き付けていますし、実際、粘度も「ねとー」っとしていて（↓）……


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  あとからシンナーが蒸発して抜ける分が少ない。だから、クリアの艶がキレイなまま残ります。

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  いっぽう缶スプレーの場合は……

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  比較すると缶スプレーは、シンナーの量が多くて塗料は薄め。塗った直後は艶が出ているように見えても、シンナーが蒸発してしまえば艶引けするわけです。

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  ようするに、シンナーで濡れているときの艶でした、みたいな感じか。

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  そうですね。
  水面が鏡面に見えるような効果です。

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  じゃあ、缶スプレーのクリアで艶を出すにはどうすればいいの？

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  これは、前に実践して見せたように、少しずつ重ね塗りするしかありません。



✔ 実践的なことは、「缶スプレー塗装でキレイに重ね塗りするコツ」から読むのがオススメ。インターバルの加減も分かる。

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  1回の塗装だとシンナーが飛んで艶引けしますが、インターバルをおきながら、垂れないように重ね塗りを繰り返せば、缶スプレーでもクリア層は厚くできますよ。



缶スプレークリアの重ね塗りで、艶を出せた実例。

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  根気よくやれば、缶スプレーのDIYクリア塗装でも艶出しはできる！

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  ただ、缶スプレーはシンナーの量が多いから、1回で厚塗りしようとすれば非常に垂れやすい。

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  垂れたら、なんにもならない。

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  ムキになって艶を出そうとクリアを厚塗りしているうちに、鏡面っぽい艶が出てきたら……それはもう「垂れる寸前」と言えます。

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  ひー。
  鏡面に注意。

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  …特に傾斜がある部分や断面みたいな箇所は、重力で塗料が下がってきて……垂れる。


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  缶スプレーで一気に艶出しにいこうとするのはリスキーってことですね。

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  缶スプレーで、垂れることなく艶を出すためには、地道に重ね塗りを繰り返すのがコツ。


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  インターバルでシンナーを飛ばしながら、クリアを厚くしていきましょう。

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  しっかり艶を出そうと思ったら、何回くらいの重ね塗りが必要なんでしょう？

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  スプレーガンなら、3回もクリアを吹けばキレイな艶が出ますが……それはシンナーの量が少なくて、1回あたりが厚く塗れるから。


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  缶スプレーだと1回あたりではもっと薄く塗る必要があるので、3回で同じ艶を出すのは難しいかと。

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  4回、5回……っていう重ね塗りもありうるってことね。

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  ですね。缶スプレーは乾くと艶がなくなりやすい。だから、重ね塗りの回数を多めにしておくのです。