板金塗装をもっと身近に
ブレーキキャリパー塗装は、足付けをしっかりやらないと剥がれる
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ブレーキキャリパー塗装を例に、塗装が剥がれる原因について解説。重要なのは塗装する工程よりも、塗装前の下準備にある。ブレーキキャリパーに限らないが、やっておくべき下準備なしでそのまま塗装すれば、剥がれて当然なのである。
ブレーキキャリパーをそのまま塗装すれば、剥がれるのは必定
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「塗装の色合わせ(調色)方法。プロのコツ╱後編」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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色合わせができたので、実際にブレーキキャリパー塗装の作業工程を紹介していきます。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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まずは何から…?
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重要なのは、塗装の工程より、塗装する前の下準備にあります。
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と言いますと?
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まず、ブレーキキャリパーって、汚れているのが当たり前の部品です。サビもある。
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そりゃそうだ。
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これはネットオークションなどで、中古品のブレーキキャリパーを入手した場合も同じです。
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まずは、汚れやサビをキレイに落とさないといけません。サビの上から塗料を塗ってしまったら剥がれます。
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それも、塗装剥がれの原因のひとつ……か。
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さらに、重要なのが丁寧に足付けを行っておくこと。
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アシツケ……と言われても、分からない人も多いと思いますが。
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足付けは、カンタンに言えば、表面に傷を付けておくことを意味します。
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フムフム。
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表面に細かい傷が付いているからこそ、塗料が密着するのです。
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……では、足付けをサボると?
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塗装が剥がれます。実際のところ、ブレーキキャリパー塗装の剥がれの原因は、ホイールをコツンと当てるか、細部まできっちり足付けできていなかったケースが多いと思われます。
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……つまり意外と、作業の序盤でクオリティが決まるっていう話か。
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そうですね。全体で見ると、足付け作業にかける時間が長く、それに比べたら塗るのは一瞬、というイメージです。
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塗り急がないように注意しましょう。
どこまで塗るか?(塗らないか?)で見た目クオリティに差が出る
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ここでは、コダワリ屋の板金屋であるほんだ塗装が、どのように足付けするのか見ていきます。
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まずは、マスキング作業です。
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……まだ塗る段階ではないのに、もうマスキング?
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なぜなら足付けしたいのは、塗りたい部分だけです。関係ないところまで傷を付けることはないので、この段階からマスキングが必要です。
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そういうことね。
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さて、ここでポイントになるのが、ブレーキキャリパーをどこまで塗装するのか、という問題。それによってマスキングの範囲が違いますから。
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……なんのこと?
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まず、オイルが入っているところには塗料が入ったらマズイですよね。これは当然です。
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だからマスキングでカバーしておくんでしょ。
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それは当然の注意点としても……それ以外は、純正で塗料が付いていない部分まで塗ってしまうことを気にしない人もいますが……
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フムフム。
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これは機能面の話ではなくて、そのほうが純正っぽいクオリティに仕上がるから、ですね。
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あー。
そういうことか。 -
最初に塗っていなかった部分まで塗りつぶすと、いかにも「後から塗りました」感になるので、できるだけ純正と同じ配分で塗るのが望ましい。
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……なるほどね。
クオリティに差がつくポイントになりそう。 -
しかしブレーキキャリパーは、取り付けた状態だと、見える部分は限られます。
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確かに。
そういう面もある。 -
だから、今、僕が言った点にこだわり過ぎても、車に付けてしまったらあまり意味はない、とも言える。
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……それでも、こだわるんでしょ。
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もうね、こういうのは、気持ちの問題ではありますね。見えない場所でもキッチリやっておかないと気が済まない性格かどうか、という話かと。
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まあ、プロに頼む場合は、きっちりやってくれそうな板金屋に頼みたいところではありますが。
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このあたりのスタンスは、板金屋によって違う面はあるでしょうね。料金の差もあるわけだし。
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では、これらの点を踏まえて、こだわり職人の実際の作業方法を見てみましょう。
ただ、僕としては別体になっている部品には、色を塗りたくない、というコダワリがあります
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