スマホの音楽を車で楽しむ(第14回)
USB DACのつなぎ方(車載する場合)
USB DACを車載する場合のつなぎ方を実践解説。スマホの音楽を、車でいい音で聴くことが可能になる方法だ。iPhoneとAndroidでは、必要になるケーブルが一本だけ違うが、接続方法はほぼ同じ。リアル配線図を見れば、初心者でもできる。
iPhone(Androidスマホ)とUSB DACのつなぎ方
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「シガーソケットからオーディオ&映像機器の電源を取るとノイズがのりやすい」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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この連載では、USB DACやポータブルアンプを車載するにあたっての注意点をいろいろ解説してきましたが……
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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いよいよ実践編です。
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実際に、USB DACを車載するときのつなぎ方(配線方法)を解説しましょう。
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なお、本来は家庭用のUSB DAC。これを、どうやって車で使えるようにするのか?
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おさらいですが、USB DACを使う目的は、スマホの中の音楽データを、できるだけ良い音質で、車のスピーカーで再生することにあります。
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そのために、こんなルート(↓)を作ろうしています。
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つまり、USB DACから見ると、つながる相手はスマホとアンプ、ということになります。
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スマホからの信号を入力して、アンプに出力するんですね。
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まずは、スマホとUSB DACのつなぎ方。iPhoneの場合は、カメラアダプターというのが純正部品でも用意されています。
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これを使うことで、USB DACと有線接続できます。
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Androidスマホの場合は?
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Androidには、OTGケーブルというのがあります。
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USB DAC側には、当然ながらUSBのインプットが用意されているから……
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あとは間にUSBケーブルを中継すればつなげます。
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スマホとUSB DACの接続はいたってカンタン。
スマホ→USB DAC→車載アンプ(PA2)→車載スピーカー
※純正ナビの音声は、これまで通り問題なく再生できる。
OTGケーブル
✔ 今回使っているトッピングのUSB DAC〈D50s〉については、「車用(車載)として使うのにオススメのUSB DAC」参照。
USB DACとアンプのつなぎ方
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次は、USB DACとアンプのつなぎ方です。
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USB DACは、後ろにアンプをつなぐのが前提のアイテムですから、ライン出力(RCA)のポートを備えています。
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ここに赤・白のRCAケーブルをつないで、アンプとつなぎます。
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今回の連載で使っているアンプは、ビートソニックのPA2です。
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PA2側には、フロント用とリア用の入力端子があるので、二股に分岐するRCAケーブルを使って、両方に音声信号を入れます。
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なお、USB DAC側も、PA2側も、RCAケーブルのオスを差すので、両端がオス・オスのRCAケーブルを使います。
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普通のRCA延長ケーブルではダメなの?
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延長ケーブル……というのは、オスとメスの組み合わせのものを指します。つまり、普通の延長ケーブルではだめですね。
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両端がオス・オスで、なおかつ、片方が二股に分かれるRCAケーブルがいるってことか。
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あるいは、オス・メスの変換コネクターなどを組み合わせる手もあります。
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RCAケーブルやコネクタは種類が豊富にあるから、なんとでもなるんですね。
USB DACを車載するときのリアル配線図
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あとはUSB DAC用の電源の取り方ですね。
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このUSB DACは、DC5V(USB電源)で動作するので、車のDC12V電源を変換する、電源ユニットが必要です。
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オーディオ機器の場合、その電源ユニットの選定がけっこう重要ですよ~、というのは前回の話の通り。
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USB電源ユニットに対しては、ACC電源が必要です。容量が大きめのヒューズ等から取るのがいいでしょう。アース線はボディアースします。
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ACC電源の取り方は、別記事で詳しく解説しています。
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あとは、USB DAC付属の電源ケーブルで、電源ユニットとつなぎます。
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これで、一通りの配線はつなぐことができました。
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ほとんど違いはありませんが、Androidスマホだったら、こう(↓)
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USB DACのつなぎ方は、以上ですね。
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そして今回の話と、以前に解説した、「純正アンプに社外アンプを割り込ませる方法」を組み合わせると……全ての配線ができることになります。
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注意点として、今回の組み合わせの場合、ボリューム調整はUSB DAC(D50s)のリモコンでしますが……
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本体をグローブボックスなどにしまいこんでしまうと、リモコンが効かなくなります。
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……なるほど。
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本体はどこかしら、リモコンを向けやすい位置に固定しましょう。
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今回使ったトッピングのUSB DACはデザインもキレイだし、DACの表示パネルも見えたほうがいいので、上のように見える場所に貼り付けるのがよいかと。
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そこは、DIYの創意工夫でなんとかしましょう。
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いっぽうアンプ(PA2)は、取り付け時にゲイン調整するぐらいで、あとは触れる必要がないので、グローブボックス内などにしまうのがよいと思います。
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見えない場所でいいんですね。
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ハイ。ナビ裏にスペースがあるならナビ裏に隠してもいいですが、なかなか場所が足りないことが多いですね。
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なるほど。
そのあたりも、臨機応変に。 -
配線作業は以上です。これで、純正ナビや純正スピーカーを生かしたまま、USB DACとアンプを割り込ませて、スマホ内の音楽を高音質で再生できるようになります。
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スマホがヘッドユニットになるオーディオシステム。
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そういうことです。なお、純正ナビの音声は今まで通り再生されるし、音声案内も聞こえます。
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普段は電車通勤で、iPhoneやAndroidスマホがメインオーディオデバイスになっている人には、かなりオススメの手法です。
アンプと純正ナビのつなぎ方
✔ 詳細は、「純正ナビに外部アンプを取り付け(接続)する方法」参照。
✔ トヨタ・ダイハツ系のディーラーオプションナビ(10ピン&6ピン仕様)車ならば、PA2ではなく、ビートソニックのPA2T1を用意したほうが話が早い。この場合のやり方は、「パワーアンプの取り付け方╱車の純正配線を切らない接続方法」参照。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL
0561-73-9000
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