スマホの音楽を車で楽しむ(第2回)
スマホと車載スピーカーを、最短ルート(音質重視)でつなぐ方法
スマホと車載スピーカーをつなぐ方法。スマホの音(音楽やナビアプリの音声案内など)を、車でできるだけいい音で再生するには、間に余計な回路を挟まないのがベスト。ナビを通さずに車載スピーカーへとつなぐ、最短ルートを解説する。
マイクロパワーアンプPA2があれば、スマホ音源を直接車載スピーカーで鳴らせる
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「スマホの音楽を車のスピーカーで(イイ音で)聴く方法」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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スマホの音声を、車載スピーカーからできるだけイイ音で再生するには、間に余計な回路を挟まないルートがベストです。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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つまり、ナビを経由しない(ナビの外部入力にはつながない)ほうがいい、ということでしたね。
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そうです。
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ナビを経由しないで、どうやってスマホの音声を車載スピーカーから出すのでしょうか?
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それを可能にするのが、PA2(ピーエーツー)です。
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なんですか、PA2って?
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カンタンに言うと、車用のマイクロパワーアンプ(超小型アンプ)です。
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アンプ?
コレ、アンプなんだ?? -
通常、パワーアンプと言えば、本格的なオーディオシステムで登場するイメージがありますよね。
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そうですね。社外ヘッドユニットに交換して、パワーアンプを付けて、社外スピーカーを鳴らす……みたいな。
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しかしPA2は特殊で、「純正ナビ&純正スピーカーのままで音質を向上させる」用途で作られたアンプなんです。
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へー!
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あるいは純正ナビ&純正スピーカーはそのままで、スピーカーの数を増やすといった用途もあります。ようは、純正システムベースのグレードアップ用なんです。
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純正システム前提でアンプを追加するとは、変わった発想ですね。
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そうなんですが、純正ナビ(純正デッキ)では、スピーカーに対しての駆動力が十分ではないケースが多い。だから外部アンプを追加するだけでも音質は上がります。
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なるほど、なるほど。
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前置きが長くなりましたが、そういう用途を想定しているので、PA2は、純正ナビと純正スピーカーの間に割り込ませることが可能です。
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通常のRCA接続ではなくて、(ナビやデッキ側で増幅済みの)スピーカー用の信号を受け取ることを、「ハイレベルインプット」と言いますが、PA2はそれに対応しているアンプなんです。
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だから純正ナビと純正スピーカーの間に入れるのか。
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そしてこのPA2は、通常の外部アンプと同じように、RCA(赤・白ケーブル)でも音声信号を受け取れます。
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しかし、入力が2種類あっても、使うのはひとつですよね?
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なにか忘れてませんか?
そもそも今回の主役は…… -
……あ!
ココにスマホをつなげようという作戦かッ! -
ハイ。ナビを経由するのではなく、純正ナビと純正スピーカーの間にスマホが割り込んでいく、というつなぎ方が、PA2で可能になります。
Amazonでも販売されているビートソニック マイクロパワーアンプ PA2。小型サイズ(96×40×113mm)で、グローブボックス内部に入れておくこともできる。
✔ 純正ナビから純正スピーカーへと向かうスピーカー線を、直接PA2が受け取る(入力する)ことが可能。
✔ 純正でRCA出力、というパターンはほとんど無いので、純正ナビと純正スピーカーの間に割り込むには、ハイレベルインプット入力が必須。
✔ ひとくちメモ
●PA2は、RCA入力回路についての音質にもとことんこだわった設計になっている。
●オーディオの世界で音質にこだわる人は、(ハイレベルインプットではなく)RCAで入力していくのが普通だからだ。
PA2が間に入ることで、ナビを経由しないスマホ用の音声信号ルートが敷かれる
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前回、スマホのデジタル信号を、市販のポータブルアンプでアナログ信号に変換する技を紹介しましたよね。
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スマホでアナログ変換するよりも、いい音で聴けるんですよね。
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そうですね。そしてポータブルアンプでアナログ信号に変換したあとは、RCA(赤・白ケーブル)で出力して……
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そのまま、PA2に入力ができる、ということです。
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スマホ→ポタアン→PA2とつながる。
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PA2は超小型ではありますが、車用のパワーアンプですから、ここから先は車載スピーカーを直結できます。
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整理すると、スマホ(音源)→ポタアン(変換)→PA2(増幅)→車載スピーカーというルートだ。
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そのルートなら、アンプに入るギリギリまでデジタル伝送できるので、音質の劣化を極力抑えられます。
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な〜るほど!
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ちなみに最近は、ハイレゾ対応のスマホやウォークマンも登場。ハイレゾを伝送できるポータブルアンプを使えば、車の音楽環境をカンタンにハイレゾ化できることにもなります。
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なんと、上手くすると話題のハイレゾまで手に入る!!
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そうなんですよ。iPhoneも最新モデルはハイレゾ対応ですし、AndroidでもSONYのXperiaなどは、早くから(Z3世代から)ハイレゾに対応しています。
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なるほど、なるほど。
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この方法を使うならば、せっかくですからハイレゾ対応のポータブルアンプがオススメです。
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ポタアンの性能は、音に影響するってことですね。
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ハイ。デジタルからアナログに変換する精度は大切です。PA2を使っても、信号以上の音は出せないので。
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なるほど。それを踏まえて、いくら位のポタアンを買えばいいのか、迷うトコロだなぁ。
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まあ、ハイレゾ対応であれば、1万円位のポータブルアンプでも十分だとは思いますよ。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000
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