スマホの音楽を車で楽しむ(第10回)
ハイレゾ音源がBluetoothで飛ばせる時代。これを車でも活用するには…
ハイレゾ音源をBluetoothで飛ばせる……つまり「ワイヤレスは音質が良くない」「音質重視なら有線」という認識は、着実に過去のものになりつつある。車でもハイレゾBluetooth環境を活用する方法があるので、やり方を解説していく。
ハイレゾ相当の音声を、Bluetoothで飛ばせる「aptX HD」「LDAC」
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「車用(車載)として使うのにオススメのUSB DAC」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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車載用のパワーアンプであるPA2と組み合わせて使う、USB DACのイチオシは前回紹介しましたが……
(↓)●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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この機種を推す、もうひとつの理由がBluetooth5への対応です。
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Bluetooth(ブルートゥース)って……今、「5」になっているんだ。
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しかし「Bluetoothって、音声がそれなりに劣化しそうなイメージ」がありますよね。
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確かに、ワイヤレスは音質が良くないイメージです。音質重視なら有線でしょう?
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ところがBluetooth5の世代になって、転送速度が大幅に向上しました。高音質データをBluetooth通信できる規格も、登場してきています。
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ホホウ。
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それがaptX HD(アプトエックス エイチディー)とか、LDAC(エルディーエーシー)といった規格なんです。
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規格名称だけだと記号っぽくて内容がよく分かりませんが、どういうものなんでしょう?
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ようするに、ハイレゾ相当の音源をBluetoothで飛ばせる規格、ということです。
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Bluetoothなのに、ハイレゾだと……?
車載にオススメ
TOPPING D50s USB DAC
TOPPING(トッピング)は中国の音響機器メーカー。ネットで少々調べると、その音質やコスパの高さで大絶賛されているのが分かる。詳細はAmazonのTOPPING D50s USB DAC参照。
Xperiaをはじめ、Androidスマホの「aptX HD」「LDAC」対応は進んでいる
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「aptX HD」や「LDAC」については、Androidスマホの対応はどんどん進んでいます。
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ほう。では例えば、ソニーのXperia(エクスペリア)を使っているとしたら?
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「LDAC」はソニーの規格です。だからXperiaには、数年前モデルから搭載されていますよ(※)
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そうだったんだ~。けっこう前からある動きなんですね。
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ただ、実際に高音質な音楽データをBluetoothで飛ばそうと思ったら、ポータブルアンプやUSB DAC側も、それに対応していないといけない。
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送信側と受信側の両方が対応していないと、意味がない。当然そういう話だ。
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……で、前回から推している例の「TOPPING D50s USB DAC」ですが、これは「aptX HD」にも「LDAC」にも対応しています。
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へえぇ~!
いろいろな意味で完璧だなぁ。 -
……ということは、例えば手持ちのスマホが、比較的最近のAndroidスマホで、「aptX HD」や「LDAC」などに対応していれば……
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最新の、ハイレゾBluetooth環境にできてしまう!
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そういうことです。DIYラボのテーマは、「スマホの音楽を車の中でイイ音で再生する」主旨なので、以前は私も有線でつなぐ提案をしてきましたが……
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……時代はどんどん進んでいる。
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実際に「Xperia」→「TOPPING D50s USB DAC」→「PA2(車載用パワーアンプ)」の組み合わせでテストしてみたら、音質はとても良かったんですよ。
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通常のBluetoothと比較したら、ハッキリ差が分かるほど違います。
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ほー。
では「ハイレゾ相当」って、ウソではないんだ。 -
ちなみに我がビートソニック社のアンプ設計者も「これならいいね!」と太鼓判を押しましたので、私としても、DIYラボ上で推奨しているわけであります。
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それなら、使わない手はないか。スマホ側が対応していれば。
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ただし、最初だけスマホ側の設定を少しいじる必要があります。
※ ソニーが LDACを発表したのは2015年。
✔ 両者の接続方法、車への取り付けなどは、この連載で解説していく予定。
ハイレゾ音源をBluetooth出力するためのスマホ設定
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ここでは、あえて少し前世代のスマホ……Xperia XZ1(2017年モデル)を例に、設定方法を解説しておきます。
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デフォルトでは、「LDAC」がオンになっていないんだ。
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はい。それは、開発者向けオプションの中に隠されているんですよ。
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……なにそれ?
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通常は表示されていないメニューでして……「設定」→「システム」→「端末情報」→「ビルド番号」を7回タップすると、開発者向けオプションがオンになります。
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7回タップ!
そんな隠しコマンドがあるのか。 -
そしてこの開発者向けオプションの中に、「Bluetoothオーディオコーデック」の項目があります。
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「Bluetoothオーディオコーデック」の中に入ると「クアルコムaptX HDオーディオ」や「LDAC」といったオーディオコーデック(※)に変更できます。
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Xperiaの場合は、「LDAC」だけでなく「aptX HD」にも対応しているんですね~。
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なお、この設定は最初に1回だけやっておけば、以降は何もしなくても、オーディオコーデックが変更された状態になります。
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これでスマホ側は、ハイレゾ音源(相当)で出力する準備が整った。
※ 設定方法は、機種・世代によって異なる。
※ コーデックとは
音声データや動画データを圧縮する方式みたいなもの。例をあげると、音声の「MP3」や、動画の「MPEG-4」などが有名。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000
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