スマホの音楽を車で楽しむ(第8回)
車載ポータブルアンプまたはUSB DACを選ぶときの注意点
ポータブルアンプ(あるいはUSB DAC)を、車載用として使うときの選び方。ポタアンは、基本的にはスマホといっしょに持ち歩く前提の製品が多いが、車で使うことを考えると、満たしたい条件および注意点がある。
車載しないほうがいいポータブルアンプもある…
-
●レポーター:イルミちゃん
-
車載する目的でのポータブルアンプ・USB DACの選び方を、具体的に考えてみます。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
-
ポタアン(ポータブルアンプ)って、本来は車載用ではないですよねぇ。
-
そうですね。基本的には、ポータブルヘッドホンアンプですので、スマホといっしょに持ち歩く前提の製品が多い。
-
例えば通勤電車で、いい音で聴きたい人が使うアイテム。
-
だから、最近はリチウムイオンバッテリーを内蔵しているタイプも多いのですが……
-
フムフム。
-
車載して使うなら、リチウムイオンバッテリーを搭載したポータブルアンプは避けたほうがいいですね。
-
それはなぜ?
-
夏場の車内は、ものすごく温度が上がります。その環境の中で、リチウムイオンバッテリーを置いたままにするのは危険です。
-
あ〜、それは心配!
それこそ発火しかねない……。 -
その危険はあります。車から降りるときには必ずポータブルアンプを外して、車内に放置はしないというなら別ですけどね。
-
しかし、毎回、ポータブルアンプを車内に持ち込んでつなぐとか、面倒過ぎて現実的ではない気がする……。
-
けっきょく、車載用途で使うポータブルアンプは、車内に置きっぱなしになりそう。
-
というわけで、リチウムバッテリーは非搭載で、外部電源を取る(電源ケーブルをつなぐ)タイプを選びましょう。あるいはUSB経由でスマホから電源を供給できる、USBバスパワータイプでもOKです。
-
了解です。製品を選ぶ上で、ここは重要なポイントと言えましょう。
毎回、この接続をやるのは面倒…!?
車載パワーアンプ・ポータブルアンプ・スマホの接続状態。
入出力端子が背面側に集中しているほうが車載向き?
-
ポータブルアンプやUSB DACは「完全に持ち歩きを想定した製品」もあれば、「家庭用でも使える想定の製品」もあります。
-
フムフム。
-
携帯性を重視したポータブルアンプは、スマホからの接続は背面で、ヘッドホンをつなぐ端子は前面といった作りのものが多いです。
-
スマホとイヤホン(ヘッドホン)の間にかませるモノですからね。
-
しかし、そういうタイプだと車載するときには、ちょっと見た目の問題も出てくるかと。
-
……そういえば、配線を隠しようがないか。
-
いっぽう家庭用としても使える想定の製品は、入出力端子が背面側に集中しているものが多い。
-
そんな違いもあるんだ。
これは、選ぶときの考え方としては…… -
好みもありますが、車載用途で使うのであれば、入出力端子が背面に揃っているほうが見栄えは良いと思います。
-
なるほど。
-
ただし、このあたりは、車内でどう設置するかによっても変わる話ですけどね。
-
グローブボックスに放り込んでおくから、どうでもいいや。
-
……という人は、べつに気にしなくてもいい問題ですね。ただし!
-
む?
-
車内で使うのですから「ボリューム調整がやりやすい」点は、重要になります。
-
ボリューム調整がやりにくいポータブルアンプ(あるいはUSB DAC)もあるってこと?
-
携帯性を重視したポータブルアンプだと「イヤホンにつながる線の途中でボリューム操作する」タイプもあります。ああいうのは、車載用では使いにくい。
-
普通に、本体にボリュームが付いているほうがよさそうですね。
-
こういった点を考えていくと、家庭用のヘッドホンアンプやDACのほうがいいのかな、という感じがしてくるわけです。
-
……しかし、ますます選ぶのが面倒くさくなってきた気が。
-
……。
-
だいたい、前回からワタナベ研究員が並べ立てている条件を、全部満たせるポータブルアンプ・USB DACなんてあるの?
-
あ! あと、できればBluetoothを搭載していてほしいとか、ハイレゾ対応がいいとかもありますね。もちろん、見た目もカッコいいのがいいですね!
-
そんなに、何でもかんでも揃っている製品がどこにあるのよ!
-
……見つけちゃったんですよ、それが。
-
トッピング? ……これがビートソニックオススメの、ポータブルアンプなのか!
-
ちなみにこれはポータブルアンプでは無くて、USB DACです。
-
USB DACなのに、ボリュームも付いている?
-
ハイ。つまりPA2のような、車載用のパワーアンプと組み合わせて使うのには最高です。非常によく出来ている。
-
ビートソニックの技術者が、他社製品を褒めまくるとは……。
-
なにしろ、我がビートソニック社でPA2の開発を担当している者まで、絶賛していましたからね。
-
へぇ~! 何がどうスゴイのか、次回詳しくレポートします。
条 件
✔ DAC内蔵型のポータブルアンプ・またはUSB DAC
✔ ボリュームが付いている(USB DACでは珍しい)
✔ リチウムイオンバッテリーは避ける
✔ できれば背面に入出力端子が集中している
✔ ボリュームが操作しやすい
車載にオススメ
TOPPING D50s USB DAC
TOPPING(トッピング)は中国の音響機器メーカー。ネットで少々調べると、その音質やコスパの高さで大絶賛されているのが分かる。詳細はAmazonのTOPPING D50s USB DAC参照。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000
関連記事
- 1. スマホの音楽を車のスピーカーで(イイ音で)聴く方法
- 2. スマホと車載スピーカーを、最短ルート(音質重視)でつなぐ方法
- 3. 純正ナビに、配線加工なしで外部アンプを取り付けする方法
- 4. 車でスマホの音楽を聴く、ベストな再生環境
- 5. スマホの音楽をイイ音で聴くために、外部アンプを割り込ませる
- 6. iPhone・Androidスマホの音楽を、車内で再生する方法 2.0
- 7. ポータブルアンプとUSB DACの違い
- 9. 車用(車載)として使うのにオススメのUSB DAC
- カーナビアプリ(スマホ)の音声案内を、車のスピーカーから出す方法
- 車の「スピーカー交換」入門
- iPhone・スマホの画面を車のナビに映す無線ミラーリング方法
- iPhoneの画面を車のナビに映す有線ミラーリング方法
- Androidスマホの画面を車のナビに映すミラーリング方法
- スマホのミラーリングは有線と無線どっちがいいのか?
- カーナビの外部入力とは? 映像入力アダプターの正しい選び方
- カーナビの外部入力(AUX)端子の場所が分からない! そんな時は…
- AmazonプライムビデオやHuluを「車」で見る方法
- iPhone・スマホの画面を「無線」でテレビに映す方法
スマホの音楽を車で楽しむ
その他