フロアデッドニング完全ガイド
フロアデッドニングのDIY施工方法╱制振材の貼り方
フロアデッドニング施工のハイライト・制振材の貼り方。どこにどう貼ると効果的なのか、補強するべき場所を理解してから貼り始める。制振材の圧着方法も、今いちど確認。フロア鉄板にしっかり圧着させないと、これまでの苦労が水の泡だ。
フロアデッドニングのやり方
-
「フロアデッドニングのDIY施工方法╱材料の仕込み」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
-
それではフロアの鉄板に、制振材を貼りましょう。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
-
……といっても、どこにどう貼ったらいいのか。
-
車のフロアの鉄板は、真っ平らではなく凹凸がありますよね。
-
柱みたいのが通っていますね。
-
そういう柱のところはもともと固くて強度があるので、わざわざ制振材を貼らなくていいです。
-
ふむ。
-
それよりは、平べったい面のところを補強したい。
-
運転席足元とか、助手席足元とか、フラットな面がありますね。
-
ではまず、運転席足元のフロアをデッドニングしてみましょう。
-
一枚目の制振材を貼ります!
-
ちょっと待った。
-
な、なんですか?
-
こういう作業をするときは、いきなり貼らないほうがいいですよ?
-
脱脂だったらしましたけど?
-
その話ではなくて、まずはリケイ紙を剥がさずに、制振材を仮置きして、配置を考えましょう。
-
そういうことか。
-
位置がある程度決まってから、裏面のリケイ紙を剥がして、貼り付けます。
-
先に配置を考えてあれば、貼る時は迷わず貼っていけますので。
-
え~っと、制振材は縦に貼るほうがいいのでしょうか?
-
そういうことではありません。向きはどっちでもいいです。臨機応変に貼ります。
-
臨機応変とはいっても、縦に貼ったり、横に貼ったり、中塚研究員テキトウにやりすぎでは?
-
……違います。今はなぜこう貼ったかというと、ここにリブ(※補強のための凹凸)があったからですよ。
-
リブは鉄板に強度を出すためのもの。そういう場所は、制振材を貼らなくても強度があるのです。
-
それでリブをかわしたのか。
-
そういうことです。ただ、細かい凹凸まではさすがにあまり気にしなくていいです。
-
凹凸にかぶせて制振材を貼るのは、OKなんですね。
-
ハイ。鉄板に多少の凹凸があっても、フロア用の制振材は追従して貼れるので。
-
よし、運転席足元はこんなものかなー。けっこうカンタン。
-
いや。運転席と助手席のフロアに関しては、前方側の鉄板にも制振材を貼っておきましょう。
-
そんな奥まで貼るんだ。
-
というのも、ココはフロントのタイヤハウスですからね。ロードノイズがもろに鉄板に伝わってくる場所です。
-
なるほど。
-
だからフロアデッドニングするときは、タイヤハウスの膨らみのところは、優先的に制振材を貼ります。
-
助手席側も事情は同じですね。
鋭利な状態のカドもあるので、ケガをしないように注意!
仮置きで配置を考える
✔ 脱脂しないで貼ると剥がれの原因になる。パーツクリーナーで事前に鉄板を拭いておく。
どうせフロアデッドニングするならラゲッジルームまで
-
狭いスペースに制振材を貼るときは、切り分けて貼りましょう。
-
それから、今回のスペーシアだと左右を分けるように中央付近の鉄板が盛り上がっていますが、こういった曲面でも制振材は貼れます。
-
鉄板のカタチに合わせて、こんなふうに貼ることもできました(↓)
-
ひとまず、後席足元のフロアあたりまで、制振材を貼ったところです。
-
そのまま勢いでラゲッジルームまで行きます。
-
終わったー。
けっこうカンタンでしたね。 -
……はい?
大変なのはここからなんですけど? -
大変ってなにが?
-
まだ、制振材をペタペタ貼っただけで「圧着」してませんよね。
-
……ウッ。
力仕事が残っていた。
リアシート下あたり
ラゲッジルーム
フロアに貼った制振材の圧着方法
-
制振材の貼り付けでいちばん重要なのは、フロア鉄板にしっかりと圧着させることです。
-
ブチルが制振材の横からハミ出るぐらい、強く押しつけてください。
-
そんなに押すのか…。
腕が痛くなりそう。 -
ラクにやるコツとしましては……
-
お?
-
人出を増やす。
-
もうちょっと現実的なアドバイスをお願いします。
-
う~ん、右手と左手をまめに交代しながら作業するといいです。片方の腕だけでグリグリやっていると、すぐに疲れます。
-
……まあ、圧着具合を少し妥協すればだいぶラクにはなりますが……
-
疲れるからといって、軽く貼って終わりにする、というのが一番ダメなパターンと言えます。
-
ひー。
-
でも、フロアデッドニングは、ルーフデッドニングよりはまだマシですよ?
-
それはなぜ?
-
ルーフデッドニングは上を向いて圧着作業するので、首まで痛くなりますから。
-
その話、先にしないほうが良かったのでは? エーモン的に。
-
ハッ……。
✔ ここではエーモンの制振シート圧着ツールを使用。
✔ 下の鉄板の形状が、浮き彫りになるぐらい密着させる。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
関連記事
- エーモン(オーディア)の新型デッドニングキットを徹底解説
- デッドニングとは? その目的を初心者向きに解説すると…
- デッドニングとは?(後編) スピーカー周りをデッドニングする目的
- デッドニングに必要なもの(道具・工具)は?
- ドアデッドニング施工方法①╱ドア内張りの外し方
- ドアデッドニング施工方法②╱サービスホールの型取り
- ドアデッドニング施工方法③╱ブチルゴムの除去はどうやるのか?
- ドアデッドニング施工方法④╱アウターパネルへの制振材の貼り方
- ドアデッドニング施工方法⑤╱アウターパネルへの吸音材の貼り方
- ドアデッドニング施工方法⑥╱サービスホールの塞ぎ方
- ドアデッドニング施工方法⑦╱大きなサービスホールを塞ぐには?
- ドアデッドニング施工方法⑧╱ドア内張りの「カタカタ異音」防止策
- ドアデッドニング施工方法⑨╱インナーパネルの制振と補強
- スピーカー周りのデッドニング方法①╱スピーカー背面の吸音と制振
- スピーカー周りのデッドニング方法②╱スピーカーの防音
- プラスチック専用の制振材や吸音材。デッドニングは鉄板だけじゃない
- ドア内張りパネルのデッドニング方法
- ドア内張り(プラスチックパネル)の制振方法
- ドア内張り(プラスチックパネル)への吸音材の貼り方
- ピラーデッドニングとは何か? その効果は?
- ピラーデッドニングのやり方(施工方法)
- フロア(床)デッドニングの効果。ロードノイズ対策になる技
- 車のシート(イス)の外し方。まずは前席の取り外し
- リアシートの外し方。後席のボルトはどこにある?
- 車のフロアカーペットの外し方①╱フロア内張りを外す
- 車のフロアカーペットの外し方②╱フロアを固定するクリップを外す
- フロアデッドニングのDIY施工方法╱材料の仕込み
- フロアデッドニングのDIY施工方法╱吸音材の貼り方
- エーモンがカーオーディオブランド・Aodea(オーディア)を再始動!
- 車の「スピーカー交換」入門
- バッフルボード(インナーバッフル)とは?
- 車のスピーカー交換方法╱純正スピーカー(リベット)の外し方
デッドニング完全ガイド〈ドアデッドニング編〉
デッドニング完全ガイド〈スピーカー周り編〉
デッドニング完全ガイド〈ドア内張り編〉
デッドニング完全ガイド〈ピラー編〉
デッドニング完全ガイド〈フロア編〉
その他