フロアデッドニング完全ガイド
フロアデッドニングのDIY施工方法╱材料の仕込み
フロアデッドニング施工方法の大半は、フロアカーペットの取っ払い。ここまで地道にあれこれ取り外してきたが、今回やっと、待望のフロア鉄板が露出。デッドニングの下準備が整ったので、材料(制振材)の仕込みに入る。
フロア下の発砲スチロールや吸音材を取り外す
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●レポーター:イルミちゃん
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前回までの流れで、ようやくフロアカーペットが外せましたので……
(↓)●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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とうとう、車のフロア鉄板がムキ出しの状態になりました…!
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……と思ったけど、まだフロアの鉄板が見えませんね?
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床下に発砲スチロールなどが収まっている場合は、それらを取り外します。
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白いのは、発砲スチロールなんだ。
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なお、こういった発砲スチロールも、ピンで留まっていたりするので、その場合はピンを先に外しましょう。
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あとは持ち上げるだけで、カンタンに取れました。
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おや?
発泡スチロールの下にも何か置いてありますよ? -
このマットみたいのはなんだろう?
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これが純正の吸音材ですね。
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あー。
純正でもいちおう付いているのか。 -
純正の静音環境は、車種によっていろいろです。中には、塗布型の制振材が貼ってある車種もありますし。
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今回のスペーシアの例ですと、吸音材を取れば、その下はキレイな鉄板のみ。
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ところで、その純正の吸音材は捨てないでくださいね。
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え?
純正は、取っ払っていいんじゃないの? -
それは状況によりますね。今回のケースでいうと、純正を残しつつ、重ねたとしても厚み的に問題なさそうです。
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そういう場合は純正も残して、重ねておけばいいのか。
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それがベストなやり方ではあります。
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なるほど。
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ただ、順番的には一番下の鉄板に制振材を貼り、その上に吸音材を貼り、最後に入れば純正を入れるという流れですので、いったんは純正吸音材を外しておきます。
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床下の発砲スチロールや吸音材を取り除くと……いよいよフロア鉄板が姿を見せました。
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車の床下って、こんなカンジになってるのかー。
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いよいよ、DIYフロアデッドニングの開始です。
車の床下
フロアデッドニングの材料(制振材)の準備
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まずは車のフロア鉄板に、制振材を貼ります。
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ここで使う材料が、例のフロア専用の制振材ですね。
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このフロア用の制振材は、一枚のシート状になっているので、切り出して使います。
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どう切ればいいの?
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決まりはありませんが、通常はだいたい6枚ぐらいに切り分けるといいと思います。
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あとは、車種ごとのフロアの鉄板の状況に応じて、必要ならもっと小さく切ります。
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しかし、フロアの鉄板は広いから、これだけでは全然足りませんね?
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そうですね。配分の目安としては、制振シート1枚ぶんで、運転席のフロアデッドニングをする……というカンジです。
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……ということは、運転席・助手席・後席の左右で、4シートはいるってことか。
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さらにラゲッジルームの鉄板まで貼る場合は、5~6シートが目安になると思います。
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ラゲッジまで貼ったほうがいいんだ?
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フロアデッドニングをする場合は、いっしょにラゲッジまで貼ってしまうほうがいいでしょうね。
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ここまで来たら手間は変わらないですもんね。鉄板はつながっているし。
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はい。そしてラゲッジルーム付近にはリアのタイヤハウスがあるので、ロードノイズを抑えるという意味では貼りたいところです。
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なるほど。では、ラゲッジルームまで貼れる量を用意しておきましょう。
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36枚の細長い制振材が準備できました。
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ただ、車種によっては、純正の状態で制振材が貼られている場合もある、と言いましたよね。
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ふむ。
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その場合は、そこは貼る必要がないので、付け足す制振材の量をもっと減らせます。
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つまり、何シートぶんの制振材を使うかは、車種によりけりなんだ。
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そうですね。今回のスペーシアだと、フロアまで貼るとして、6シート分が適正……ということです。
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切り出せたら、いよいよ制振材の貼り付け開始。
裏面に6等分の線を書いて…
ハサミで切り分ける
✔ エーモンのデッドニングハサミ(8388)など、フッ素コートされたハサミで切る。 普通のハサミだと、粘着剤が付着して切りにくい。
6枚切りした制振材
今回は6枚切り×6セットの制振材を用意
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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