デッドニング完全ガイド
ドアデッドニング施工方法⑨╱インナーパネルの制振と補強
ドアデッドニング施工方法の仕上げは、インナーパネルの制振・および補強。ここまでのデッドニング作業で余った材料(制振材・吸音材)を、ムダなく有効活用するやり方だ。
インナーパネルで余った吸音材を、有効活用しよう
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「ドアデッドニング施工方法⑧╱ドア内張りの〈カタカタ異音〉防止策」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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いよいよ、ドアデッドニングも最終局面です。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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サービスホールも塞いだし、内張りピンの穴まで塞いだし……あとは何を?
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最初にアウターパネル(外側の鉄板)に吸音材を貼ったときに、吸音材の余りが出ましたよね?
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……ん?
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あとで使うから取っておいてね、って言いました、私。 まさか捨てたんじゃ……
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あ~、そういえば、スポンジみたいのが残ってます!
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そのうちの1個(片側ドア用)をさらに細かく切り分けまして……
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サービスホールを塞いだところの、ハーネス(配線)やワイヤーが出てくる部分に貼り付けておきます。
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サービスホールを通過している配線は無数にあるので、細かく切って分けて貼るんです。
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これはなんのための作業ですか?
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制振材を圧着させただけでは、完全に埋まらない隙間があります。そのような隙間をカバーしつつ、漏れてくる音を吸音するのが狙いです。
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ナルホド。
吸音材を残しておいたのはこのためか。
余った制振材で、インナーパネルの制振(補強)
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同様に、制振材の余りもあると思うので、有効活用しておきましょう。
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サービスホールを型取りしたあとの切れっぱしもけっこう残ってるし、今回は1枚まるまる残ってますね~。
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そういう制振材を、四角形でいいので切り出して、「インナーパネルのヤワそうなポイント」に貼って補強しておきましょう。
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ヤワそうなポイントってどこ?
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ようするに鉄板が平べったくて、ビビリそうなポイントですね。
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ふむふむ。
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インナーパネルは「サービスホール塞ぎ用」でしか制振材を貼っていないので、ビビリ対策で補強しておきます。
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ビビリ対策なら、スピーカー周辺に貼るのも良さそう。
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それはその通りなんですが、このあと「スピーカー用のデッドニングキット」も施工する予定だとしたら、そちらのキットにも制振材は入っています。
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ドア用とスピーカー用の両方のキットを併用するなら、スピーカー周囲は空けておきましょう。
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そのぶん、ここでは制振材を他の箇所に回すほうがいいんだ。
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そういうことです。
✔ エーモンのデッドニングキットは、制振材(インナーパネル用)が7枚入っている。つまり、片側ドアで3.5枚は使い切ってよい。
ピンポイントで制振!
次に登場するスピーカー用のデッドニングキット
サービスホールを塞いだ制振材の補強
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「補強」の意味では、制振材を2枚貼り合わせた部分に、アルミガラスクロステープを貼っておくとベストです。
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なにソレ?
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デッドニングキットには入っていませんが、単品でこんなアイテム(↓)があります。
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キラキラテープ。
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ガラス繊維が配合されておりまして、強度もあるし、耐熱性もあります。
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ホー。
どのように貼るのでしょう? -
今回の例だと、一番大きなサービスホールは凹ませるために切れ込みを入れたし、上下2枚の制振材を貼り合わせてもいます。それらの境界線に貼ります。
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アルミガラスクロステープで制振材のつなぎ目を補強するイメージですね。
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ただ、このアルミガラスクロステープは必須メニューというわけではないです。
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……ふむ。
予算に余裕のある人向け。 -
あるいはアルミガラスクロステープは、制振材の「のりしろ」が足りなくて、制振材が剥がれそうな部分などに使うと効果的です。
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制振材の貼り付けの補助ってわけか。
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ハイ。これで、ドアデッドニングの施工作業は終了でございます。
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スピーカー周りのデッドニングはこれからですが、このドア鉄板のデッドニングをやっただけでも、スピーカーの音ははっきり変わりますよ。
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確かに。
低音とか、しっかり鳴るようになる。 -
ドアをボックス化することの効果が、分ってもらえると思います。
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……そしてベストは、このまま「スピーカー周りのデッドニング」までやってしまうコースです。せっかくドア内張りも外したわけだしね。
エーモンのアルミガラスクロステープ(8316)
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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