デッドニング完全ガイド
ドアデッドニング施工方法③╱ブチルゴムの除去はどうやるのか?
ブチルゴムの除去方法。ここはドアデッドニング施工における、一つの山場だ。ベタベタのブチルに対して、丸腰で挑むと消耗戦になってしまう。使う道具や除去のやり方にはコツがあり、知っているかどうかで労力はかなり違う。
防水ビニールを剥がすとき「ブチルゴム離れ」を良くするコツ
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「ドアデッドニング施工方法②╱サービスホールの型取り」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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ドアの防水ビニールは、ブチルゴムを使ってドア鉄板に密着させてあります。
(↓)●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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「ビニールを剥がすだけ」なら、引っ張れば取れますが……
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どのみち鉄板側に残ったブチルゴムを除去しないといけません。
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どうやって攻めましょうか?
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ビニールを剥がす段階で、できるだけブチルが鉄板から剥がれるように、ここからブチルクリーナーを使います。
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ブチルクリーナーは液体なので、ブチルゴムに染み込ませて、浸透させます。
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浸透したかな? というタイミングで、付属のヘラを使って、ブチルゴムを切っていきます。
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お!
けっこうブチル離れがいい。 -
多少鉄板側に残るのは、あとで処理すればいいので気にせず、できるだけ防水ビニールといっしょに剥がれるように切っていきます。
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防水ビニールは、サービスホールの形にそって切りかけだったので……
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ただし、まだ防水ビニール側にブチルゴムが残っている状態です。
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ふむ。
服に付かないように注意しないと。 -
このビニールは制振シート切り出しの型紙に使いますから、これが制振シートなどにベタっとついたら大変です。
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そっか。
じゃあ、拭き取らないといけないの? -
それは手間なので、マスキングテープやセロハンテープみたいなものを、ブチルゴムの上から貼り付けて塞いでおきます。
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ブチルゴムがベタベタくっつかないように、フタをしてしまう感じ。
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防水ビニールは、制振シートの型取りが終わったあとは捨てるだけなので、ブチルゴムの除去に手間をかける必要はありません。
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そのために、できるだけ防水ビニール側に付いてくるように剥がしたんだ。かしこい〜。
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次は、鉄板側に残っているブチルゴムを除去しましょう。
ビニールの端はブチルゴムで付いている
エーモン・オーディアシリーズのブチルクリーナー(8386)。ヘラもセットだ。
ブチルゴムで接着していた部分を剥がせば、サービスホールの型が取れる
これでOK!
ドア鉄板側に残ったブチルゴムの除去方法
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ドア鉄板にネバネバと残ったブチルゴムは、どうやって除去するのでしょうか?
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ある程度、ボリューミーに残っている箇所は、ブチルクリーナーを浸透させながらヘラで除去していきます。
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でもヘラだけだと、完全にキレイには取りきれませんね?
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仕上げは、ウエスにたっぷりブチルクリーナーを染みこませておいて……
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ゴシゴシ拭き取ります。
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ブチルゴム専用クリーナーの威力が、どれほどのものかと言うと……
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すんごい威力です!
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ブチルクリーナーを使うと、やっかいなブチルもこのようにキレイに除去できます。
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苦痛だったブチルゴム除去作業が、楽しくなりますね。
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……それは何より。
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ところでこのブチルクリーナー、ジャブジャブ使ってますけど、1回のデッドニングで全部使い切るモノなんでしょうか?
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いや。そんなには使いません。多めに入っているので、ざっくりデッドニング2台分(ドア4枚)ぐらいは使えると思います(※使い方によるので目安)
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ブチルゴムがキレイに除去できることを考えたら、投資する価値はおおいにアリと言えそうです。
ブチルゴム完全消滅!
ブチルゴムが除去できたら、ドア鉄板を脱脂する
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ブチルクリーナーでキレイにブチルを除去できたら、仕上げです。
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まだ何か?
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最後に、デッドニングキットに入っているクリーンナップシートで、脱脂しておきます。
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ドア鉄板に油分や汚れが残っていると、制振シートの粘着剤がしっかり付きませんので、この作業は必須です。
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では、シートの貼り付け面を狙って脱脂する、ということだ。
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ハイ。奥の鉄板(アウターパネル)については、インパクトビーム(棒)や補強の鉄板などが付いていますが、そういった出っ張りには制振シートは貼れません。
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その間の「平面部分」に貼るので、平らな面をしっかり脱脂しておきます。
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制振シートの貼り付け場所を意識しながら、拭きましょう~。単なる掃除とは違いますよ。
パーツクリーナーとウエスで拭いてもよい。同じこと。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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