車とアウトドア
車中泊に不利なシエンタ(7人乗り)でのソロフラットキット製作に挑戦
シエンタの(5人乗りではなく)7人乗りでのソロフラットキットを製作した〈イルミスタ〉。7人乗りシエンタでの車中泊には特有の問題があったが、オーナーの要望を形にするセミオーダー方式で見事解決。イレギュラーな点もあるが、この組み方が参考になる車種は他にもありそうだ。
キレイなフラット状態にはならない7人乗りシエンタの車中泊環境
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車中泊向けのフラットキット(ベッドキット)を展開する〈イルミスタ・アウトドア〉が、新しいキットを作ったようなのでレポートします。
●レポーター:イルミちゃん
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今回はお客さんの要望で、NHP170シエンタ(7人乗り)用のソロフラットキットを製作しました。
●イルミスタ・アウトドア:長さん
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ひとつ前の型のシエンタですね。
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シエンタで車中泊を楽しんでいる人も多いもんね。
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そうなんですが、7人乗りシエンタの車中泊ではけっこう苦労話を聞くんですよ。5人乗りとは違って。
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というと?
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シートを倒してフラットにしても、デコボコしていて穴ボコも多く、寝にくかったりするようで…。
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あー、フラット化できても、凹凸が激しいとツライ。
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しかも荷室部分の床が、リアに向かって傾斜しているんですよ。
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マットなどを敷いて完全なフラット環境を作ろうとするのは、大変だろうな……と思います。
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確かに。
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ですのでアウトドアや車中泊に使う前提でシエンタを購入する場合は、5人乗りのほうを買っているケースも多いと思いますが……
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……だけど車を買うときには、車中泊するつもりではなかった人もいるよね。7人乗りが必要だから買っているわけで…。
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そうなんですよ。「7人乗りシエンタで車中泊を楽しみたい」要望だって当然ありますよね。
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そういう意味では、7人乗りでも5人乗りでも車の状況に合わせてオーダーで作れる、イルミスタ製フラットキットの出番ではないか。
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ハイ。そうなんです。当然〈イルミスタ〉では、7人乗りシエンタ車中泊も応援します。
NHP170シエンタ(7人乗り)でのソロフラット化方法
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……とは言ったもののシエンタの場合は、フラットキットを組むとなると別の問題もあって手強いです。
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別の問題?
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以前にも初期型シエンタのフラットキット(※)を作ったときに苦戦した「足の置き場」問題。
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あ~、床に傾斜があったりするという……。
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そうなんです。今回もフラットキットの足の落とし場所には、〈魔の傾斜〉が存在しています。
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ひええ。こんなところに足を落としてもズレるだけ…
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…ですが、イルミスタのフラットキットには「可動式フットアジャスター」があります。
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お。
クネクネ動く足ですね。 -
これがあれば、「傾斜落とし!」も可能になります。
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見た目とは裏腹にけっこう安定します。
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足さえ落とせれば、フレームは組めますね。
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はい。後ろ側に設置するフレーム形状が決定しました。
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後ろ側の骨組みができた。
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次に前側のフレームは、2列目シートを倒した上空に組みますが、その関係で後ろ足が取り付けできません。
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前側フレームの下は畳んだシートがあるから、足を伸ばせないんだ。
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こういう状況のときは、前側フレームと後ろ側フレームを連結コネクターで接続して、フレーム同士の高さを合わせるという手があります。
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あ、これなら前側フレームの足は前だけでよくなるね。
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イレギュラーな組み方ですが、これでも補強を入れればしっかりした強度は出せますので。
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なるほど、なるほど。
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前側フレームの一番前の足は、いつも通り2列目シートの足元に落とします。
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難関の多いNHP170シエンタ(7人乗り)でもフラット化できましたね~。
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ちなみに前後2つのフレーム枠のうち、フロント側の部分だけを外すことで、2列目シートを普通に使えるようにもできます。
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リアだけハーフフラットにもなるんだ。ていうかクォーターフラット?
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5名乗車ができる状態になります。そのために天板は2分割になっています。
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なるほど。
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つまり車中泊に行くとき以外も、そんなに影響なく使えるのかなと。
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日常使いでのストレスの無さは重要ですね。
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今回のNHP170シエンタ(7人乗り)用のソロフラットキットはオーダー製作だったんですが、キット化することも決定しました。
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ということは〈イルミスタ〉に直接行けない人も、ネットで買って自分で組めばいいですね。
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なお今回のソロフラットキットはオーナーさんの要望もあって全長170センチで組んでいますが、キット版では180センチの「ロング」も選べます。
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170センチと180センチの両方を出すってこと?
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そうです。選べるということです。
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たった10センチの差で2種類作る意味は…? いっこでよくない?
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天板の長さによって一長一短ありますから、ここの選択は重要なんですよ。だからあえて2種類用意したのです。
※詳細はイルミスタのシエンタ 170G系 7人乗り専用【TNキット】参照。
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