ポータブル電源の疑問
電装品の電源をスイッチでポータブル電源に切り替えるには?
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ポータブル電源と車の電源を切り替えて、電装品を使いたい。具体的にはダウンライトをドア連動で取り付けて、車中泊のときだけポータブル電源に切り替えたい…という読者からの質問。必要アイテムと回路について、わかりやすく解説する。
LEDダウンライトの電源を、車中泊のときだけポータブル電源に切り替えたい
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読者の方から頂いた、ポータブル電源への切り替え回路についての質問です。
●レポーター:イルミちゃん
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普段は車から電源を取ってドア連動で光らせているLEDダウンライトを、車中泊のときだけポータブル電源に切り替えたい、ということですね。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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こういう光らせ方、今どきは特に需要がありそうですが、どう配線したらできるんだろう?
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2つの回路が必要です。まず「普段は車の電源で、ドア連動で光らせる」回路を考えてみましょう。
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ドア連動LEDの方法なら、DIYラボでは過去に何度も紹介しています。
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全ドア連動でLEDダウンライトを光らせるために、ここではルームランプの電源と、マイナスコントロール線(ドア連動線)を取るとします。
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ルームランプのマイナスコントロール線の取り方は、下記記事を参考にしてください。
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LEDダウンライトの電源も、ルームランプにつながる電源線(プラス線)から取っておくといいでしょう。
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ドア連動のマイナス線だけでなく、プラス線までルームランプから取るってことですね
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その理由は、例えばドアを開けっぱなしにしていても、ルームランプに自動消灯する制御が入っていれば、連動してLEDダウンライトも消えるといった制御が働くので。
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そっか。せっかくだから単なるドア連動だけではなく、完全なルームランプ連動にしておきたい。
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そのためには、ルームランプ線の中からプラス線とマイナスコントロール線をみつけて、両方ともLEDダウンライトまで引っ張ってきます。
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なるほど。……まあ、ここまでの話はいわゆる普通のルームランプ連動ですが。
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そして、それとは別にもうひとつ、ポータブル電源でLEDダウンライトを光らせる回路を作ればいいわけですよ。
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ふむ。つまりLEDダウンライトをポータブル電源につなぐってことですね。
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ポータブル電源につなぐにあたり、ポータブル電源のDC12V出力がシガーソケット形状だけで、LEDダウンライトの配線(プラス線とマイナス線)を直結できないとしたら、配線をシガープラグ形状に変換するものが必要ですね。
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エーモンの電源プラグみたいな製品の出番か。
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ポータブル電源のDC12V出力がシガーソケット形状だけだとしたら、こういうものを使って配線をつなぎます。
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ポータブル電源でLEDダウンライトを光らせるだけなら、難しくはない。
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そうですね。
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問題は、それを「ルームランプ連動」とどうやってミックスさせるのか?
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2つの接点を切り替えるスイッチを使えば、わりとカンタンに実現できてしまいます。
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ホー。
これが答えなのか。 -
左側の回路は、ごく普通のルームランプ連動LEDの回路です。
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そして右側の方が、ポータブル電源で光らせる回路。
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どっちの回路を使うのかを選択しているのが、切り替えスイッチです。
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スイッチを倒すと、2つの回路のどちらかが選べる仕組みなんだ。
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そうです。注意点として、この場合は普通のオンオフスイッチではなく、接点を切り替えるタイプのスイッチが必要になります。
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2つの電装品を切り替える目的で使われるスイッチですね。
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切り替えスイッチが、2つの接点切り替えではなく、中立も含めた3つの接点を切り替えるスイッチだとすれば、中立にすることでどちらの回路オフ、にもできますね。
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なるほど。
そっちのほうがいいのかな…? -
とはいえ、このLEDダウンライトはそもそもドア連動なので、ドアを閉めてルームランプが消灯している状態であれば、スイッチを車の回路側に倒した時点でオフになるので、中立はなくてもいいかな、という気はします。
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確かにそうだ。
■ 質問
エンジン停止中にポータブル電源を使ってダウンライトなどの電装品を駆動させるときの、リレーなどを使った回路・使用部品・注意点などを教えていただけませんか?
ダウンライトを普段はドア連動で使いたく、車中泊のときにはポータブル電源に切り替え、スイッチを使ってオンオフさせたいと思っています。
質問者╱マチャさん
✔ ルームランプにつながる配線の中から、常時電源とマイナスコントロール線(ドア連動線)を見つける方法は、「マイナスコントロール線の探し方」参照。
✔ ひとくちメモ
最近の車は「ルームランプをタイマーで電源オフにする制御」が入っていたりするが、マイナスコントロール線だけを取る「ドア連動」だと、そこまでは連動しないことになる。
✔ 種類があるので、詳しくは「車用の電源プラグ(シガープラグ)の選び方」参照。
ポータブル電源への切り替えに、リレーを使うこともある!?
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ちょっと意外だったのは、今回の話はリレーも使わずにできてしまうんですね?
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そうですね。例えばエンジンを切ったときは自動的にポータブル電源に切り替わるようにしたいとか、そういう回路であればリレーが必要になりますが…
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手動切り替えではなくて、自動切替みたいなケースか。
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しかし、今回は「手動スイッチでオンオフする」前提なので、それならばスイッチだけでできます。
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思ったよりシンプルな回路でいいのが良い。
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ただ、切り替えスイッチというのは、スイッチの中ではやや特殊です。
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普通のオンオフスイッチではダメよ~ってことですね。
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それから、リレーを使わずに済む半面、スイッチに流せる電流の容量には注意が必要になります。
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ムムム…?
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切り替えスイッチにどのくらいの電流が流れるかは、制御する電装品によって変わりますが……
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LEDダウンライトだったら、スイッチのキャパを超えることは無さそうだけど。
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確かにLEDダウンライトぐらいであればたいした電流は流れないので、切り替えスイッチの容量も超えないと思いますが……
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ふむ。
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しかし、1個や2個でなく、パワーのあるものを大量に付けるとなれば、もしかすると切り替えスイッチの容量を超えてしまうケースもあるかもしれません。
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だとしたら、どうしましょう?
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そうなったらリレーの出番です。
スイッチを選ぶときは「容量」にも注意しないと壊れるリスクがある、という話はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL
079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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