車中泊に便利なDIY
ジムニーのような軽自動車での車中泊に、うってつけの電装DIYカスタム

最近はキャンピングカーや大きい車に限らず、コンパクトカーやジムニーのような軽自動車でも、車中泊する人が増えている。小さい車でもシートをフラット化してマットをひけば寝ることはできるが、そこには問題点も…。
ジムニーのような軽自動車での車中泊には弱点がある…!?
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今年話題の車といえばジムニーですが……
●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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ジムニーの話題で、なぜ電装担当の岡本研究員が出てくるの?
●レポーター:イルミちゃん
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ジムニーに、電装DIYは関係ないと思ってますね?
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まあ、あんまり電装系をいじる車ではないような……?
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……と思うかもしれませんが、うってつけの技があるんですよ。
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なにか開発したのでしょうか?
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ジムニー用のイージースタートキットを開発したのです。
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あ~、スタートボタンを押すだけでエンジン始動できるようになるやつ。
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ジムニーのような軽自動車にこそ、この電装カスタムが便利なんですよ。
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それはなぜ?
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だってアウトドアにも向いている車だし、車中泊する人も多いと思うんですよ。
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そういえば軽自動車での車中泊も、意外と人気のようですね。車種を選べば可能だし。
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しかし、ジムニーのようなコンパクトな車で車中泊をしようとすると問題が起こります。
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ほう。
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まず、当然ですが、シートを全部倒しますよね。
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フルフラット状態にしないと。
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シートを倒しただけだと凹凸なんで、その上に車中泊用の車種別専用マットなどを設置する人が多い思いますが……
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ジムニー用はマットもたくさんありそう。
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しかし、その状況にしてしまうと、「ちょっとエンジンかけてエアコン付けたいな」なんていう時に大変なことが起こります。
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どうなるの?
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ブレーキペダルなんて埋まっていて、足が入りません。
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あり。
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上の状況ではマットを敷いているわけでもないのに、足が入りませんからね。
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まあ、小さな軽自動車だから仕方ないよね。
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でも、寝苦しくて目が覚めたときに、ちょっとエンジンかけたい場面では困ります。
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手でブレーキパネルを押すとか?
ちょっと汚いけど。 -
いやいや、手だけでやろうとすればこんなカンジ。……無理あります。
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ヨガ?
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マット無しでもペダルに触れるのが精一杯。マットを敷いていたら、もっと隙間ないですからね。
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どうやっても、ブレーキペダルを押せないんだ。
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だから、ちょっといったんマットをどけて、シート下げて……
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そこまでするならもう、起きれば?

デンクルのイージースタートキット
✔ イージースタートキットの便利さは、前記事で説明済み。「ブレーキを踏まないでエンジン始動できたら、車中泊にも便利」参照。


イージースタートキット取り付け方法
(ジムニー編)

早い人なら5分でできる電装カスタマイズ
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というわけで、ジムニーのような小さな車でフルフラット化して車中泊すると、意外と手軽にはエンジン始動できません。
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なるほど。
それでイージースタートの出番なんだ。 -
もうひとつメリットとして、ジムニーの場合は取り付けもカンタンなんですよ。
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ほう。
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完全にカプラーオンでできます。エレクトロタップはもちろん、ヒューズ電源すら出てこない。
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へぇー。アルファードやハイエースの電装DIYに比べるとかなりラクそうな♪
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そうなんですよ。2か所のカプラーに対して、割り込むだけで完了します。
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そのカプラーはどこにあるんでしょうか?
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1つはスタートスイッチ裏のカプラー、もう1つはブレーキペダルの上あたりにあるブレーキ線のカプラーです。
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実際にやってみましょう♪
スタートスイッチのパネルを外す
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まずはプッシュスタートスイッチが付いているパネルを外します。
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ジムニーの場合は、左側に手をかけるポイントがあるので、そこに手をかけて引っ張ります。
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左側はすぐ浮きました。
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この時点でパネル上側に隙間ができているので、上から手を入れて、右側のツメも外せます。
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ツメ固定だけなので、引っ張り方が分かっていればすぐ外せますよ。



スタートスイッチ裏のカプラーに割り込む
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パネルが外れたら、スタートスイッチ裏のカプラーと、ミラースイッチ用のカプラーがありますので、両方とも抜きます。
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カプラーを抜くときは、ツメを押しながら引きます。
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ただ引っ張るだけでは抜けません。
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パネルを外すために2本ともカプラーを抜きましたが、イージースタートのカプラーを割りませるのは、スタートスイッチ裏のカプラーです。
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カプラーはオスメスで分かれているし、場所ごとに形状も違うので、差し込み間違いは起こりません。
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スマートに割り込んだあとは……
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製品の反対側のカプラーを、元の純正スイッチ裏につなぎ直せばOKですね~。
スタートスイッチ裏

ミラースイッチ裏

製品のカプラーをつなぎ直して間に割り込む

ブレーキ線のカプラーにも割り込ませて取り付け完了
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もうひとつ割り込ませるカプラーが、ブレーキペダル上空にあるブレーキ線のカプラーです。
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運転席足元から、上方向を覗き込むように見ると見つかります。
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これも、いったん純正カプラーを抜いて、オスメスに分かれた製品のカプラーを割り込ませるだけです。
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これで終わりってこと?
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そうなんですよ。「5分でできる」っていうのは、大げさな表現ではありません。
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スズキの軽自動車らしい、素晴らしいいじりやすさ。DIY向きです。
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ジムニーを車中泊やアウトドアで使う人は、やらない手はない電装DIYカスタムと言えそうです。

コレ!

これでブレーキペダルを踏まずに、ポチっとエンジンをかけられます( ̄∇ ̄+)


DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) https://denkul.jp/
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