車中泊シリーズ
シエンタでの車中泊に便利な、ハーフフラットキットを製作
NCP81G・NCP85Gシエンタで、フラットキット(ベッドキット)を組んだ例。車中泊にも使うが普段の使い勝手も重視して「荷台部分だけ」のハーフで作りつつ、フルフラットに寄せることに成功した、かなり効率のよいレイアウトだ。
初期型シエンタ(7人乗り)の車中泊向けフラットキットを実現するには?
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車中泊に便利なフラットキット(ベッドキット)を開発している〈イルミスタ〉からのレポート。
●レポーター:イルミちゃん
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今回は初期型のNCP81Gシエンタのオーナーさんの希望で、フラットキットを製作しました。
●イルミスタ・アウトドア:長さん
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シエンタで車中泊を楽しんでいる方もいますよね~。
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でも、今回のシエンタ用のフラットキットは、これまでのパターンとはちょっと違うんですよ。
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何がどう違うのでしょうか?
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そもそもまず、ベースとなっている車は初期型シエンタの7人乗です。
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フムフム。
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で、2列目シートの下に3列目シートが収まるような特殊な構造になっているんですよ。
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へー。ちょっと特殊なシートレイアウトなんですね。
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今回のモデル車は、オーナーさんの都合で、3列目シートは取り外してある状態です。
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この状況からフラットキット(ベッドキット)をどう作るのか、という話ですね。
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形状のリクエストは「後ろの荷台部分にだけフレーム枠を組んでフラットにしたい」ということでした。
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後ろだけでいいの?
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ようは2列目シートの背もたれを倒した状態から、それと同じ高さで荷台をフラット化してつなげ、「フルフラット」にする作戦です。
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あー、なるほどね。ハーフで作ってフルフラットに出来るんだ。
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ただ、このシエンタでフラットキットを作ろうとすると、一般的には問題が起こります。
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と言うと?
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3列目シートが2列目シート下に収まる構造上、後ろの荷台にフラットキットのようなものを設置しようとしたときに、足の落とし場所が難しい。
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ふむ。
どう難しいの? -
2列目シートすぐ後ろに、足を落とせる平らな場所がないのです。
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そういうことか……。2列目シートの後ろは、大きな段差になっているから。
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荷台の後ろのほうは平らですが、そこに足を落とせる範囲で作るとなると、今度は大きな四角を作れません。
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それだと、リアシート背もたれとつながりませんねぇ。
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だから一般的にはフラット化が難しいのですが、イルミスタのアルミフレームを使ったフラットキットなら対応できます。
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ほう…?
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結論から言うと、前側の足はこのように斜面に落としています。
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可動式のフットアジャスターを使っていてクネクネ動くので、斜面にも追従するように落とせます。
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しかし、そのまま前にずり落ちたりしないのかな?
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アルミフレームの前端がフラットにしたリアシートの面と当たることで、倒れないように組んでいきます。
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あ、そういうことか。これなら足の位置は動きませんね。
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足が落とせたので、荷台の部分にこのような四角いフレームを組みました。
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天板を設置した状態で、リアシートの背もたれとフラットになるよう、高さを揃えているのがポイント。
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ツラにすることでフラット面積が拡大しました。もくろみ通りです。
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最後にパンチカーペットを巻いて、完成した状態のフラットキットがこちら。
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2分割になっているのはオーナーさんの希望です。分割にするメリットは、片側に人が乗っていたとしても、片側を開けて下側の空間にアクセスできるという点です。
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ハーフフラットキットで、フルフラットが作れてしまいました。
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初期型シエンタのような車だと、こういう作り方もアリですね。
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なるほど、なるほど。
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それからシートの上にフレームを組むパターンと違って、居住空間も確保しやすいですよね。
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確かに。純正状態から減ってないもんね。
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天井までの高さは、実測で81センチでした。これは測るポイントにもよりますが。
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フラットキットの下の空間にも荷物を置けますね。
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下の空間は、高さが約24センチあります。
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車中泊時などは、すべての車内空間を無駄なく使えそうな仕様ですね。
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リアシートを起こした状態でも、荷台フラットとして使えるように製作していますよ。
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車中泊以外のときは、荷台フラットのままでも使ってもいいのか。
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それから今回のフラットキットはハーフで軽量なので、そのままの形で載せ降ろしが可能なのもメリットです。
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あ~、そのままガボっと降ろせるんだ。
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そこは軽量なアルミフレームを使っているフラットキットのメリットでもあります。
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なるほどねぇ。
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ということで今回は「荷台だけのフラットキットを作るという手もありますよ」の提案ですね。
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今までに紹介したフルフラットやソロフラットと、またちょっと違ったバージョンだ。
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なお、今回のNCP81Gシエンタ用のフラットキットは、キットとしても販売開始しています。
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四角い枠は出来上がった状態で梱包するので、足と補強のコネクターだけ取り付けるだけでセットできます。
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今回のパターンは特に、DIYでもカンタンに搭載できそうです。
フラットキット製作前の状況。
※天板は製作途中のもの。
倒したリアシート背もたれとの隙間もほぼ無し。
※イルミスタ公式サイトのシエンタ NCP81G / NCP85G用「TNキット」参照。
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