LED×DIYコラム
調光器の選び方講習①╱選定時に注意するべきポイントはまず「容量」
選択肢の増えてきた調光器の選び方を、数多くのLED調光器を取り扱っているエルパラに聞く。LEDテープライトやLEDダウンライトを付けたら眩しすぎた、または状況によって好みの明るさにしたいという要望は多い。しかしどの調光器を選べばいいのかはわかりにくいので、ここで初心者向けに解説。
アウトドアや車中泊用のLEDには、調光器があったほうが便利
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今日の話題は、最近なにかと出番の増えている調光器。
●レポーター:イルミちゃん
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おさらいですが、LEDテープライトやLEDダウンライトの明るさを調節するためにあるのが調光器です。
●アドバイザー:エルパラ 平川研究員
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例えばアウトドアや車中泊向けに、LEDダウンライトなどを導入する例が増えていますが……
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いざ取り付けみたら、眩しすぎた~なんていうケースはよくあります。最近のLEDは明るいからね。
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調光器を付けておけば、好みの明るさに調整もできるし、状況によって明るさを変えられるので便利ですよ。
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だけど調光器といっても、いろいろ種類がありますよね。
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それはそうなんですよね。エルパラで扱っている調光器だけでも、20種類以上ありますね……。
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そんなにあるのかッ。
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もちろん「売れ筋」などに絞ればもっと少なくはなりますが、ニーズもいろいろですので。
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初心者の人にとっては、どれを選んでいいか分からなくなるよね。
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そうなんです。そこで、調光器の選び方をガイドしようと思います。
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そもそも何を基準に選んだらいいのかすら分からない、という人にオススメの講習です。
調光器の「容量」の選び方
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調光器を選ぶにあたって、最初にまず確認しないといけないのは、対応する電圧(入力電圧)と容量(定格電流)ですね。
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いきなり難しそうな話から入りましたが…。
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難しくはありません。例えば車(DC12V車)で使うのであれば、入力電圧はDC12Vに対応している調光器を選ぶ、というだけのことです。
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つまり、そうではないのもあるよ~ってことですね。
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といっても、調光器はDC5V~DC24Vのラインナップが多く、ほとんどのモデルはDC12Vには対応していますけどね。
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ふむ。
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しかし世の中には家庭用の、AC100Vの調光器もあります。そういうモノは12V仕様のLEDテープライトやダウンライトには使えません。
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だとすると家でLEDテープライトを使うときの調光器は、どうなるのでしょうか?
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家の電源(AC100V)では、そのままLEDテープライト(DC12V仕様が多い)を光らせることはできないので、スイッチングACアダプターや電源ユニットを用いて、DC12Vに変換します。
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つまりLEDテープライトを光らせる時点でDC12Vに変換していますから、調光器はやはりDC12Vのものを選べばいいわけです。
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そういうことか。
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それから定格電流についてですが、これは言い換えると「容量」みたいなものです。
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電流だから単位はアンペアで示されますね。
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制御したいLEDテープライトやLEDダウンライトの合計が、何アンペア程度消費するのかを考えて、余裕を持って容量が足りる調光器を選びましょう。
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……ひとくちにLEDテープライトといっても、消費電流はいろいろだしなぁ。
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3チップで明るい5050テープLEDとシングルチップの3258テープLEDでは、消費電流も差があります。
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明るいほうが、電気も使うのは当然ですね。
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長さによっても消費電流は変わります。例えば5メートルのLEDテープライトをそのままの長さで使うとすれば……それに対応する調光器の種類も限られてきます。
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では、調光したいLEDテープライトやLEDダウンライトの合計消費電流が分かっていないと、調光器の容量は選べませんね。
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そうですね。LEDテープライトの消費電流を把握しておく必要がありますが……このときにLEDの方は「消費電力」で示してあるかもしれません。
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あー。LEDテープライトは消費電流(アンペア)ではなくて、消費電力(ワット)で表記してある例も多い。
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例えば「定格電力72W」と書かれたLEDテープライトだとしたら、以下の計算式でざっくり消費電流(アンペア)が分かります。
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仮に72W=6アンペアものLEDテープライトをそのままの長さで使うとしたら、6アンペア以上の容量が必要になりますね。
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マージンも考えないといけません。調光器の容量から見て、最大でも8割程度にはおさまるように選びます。
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リアルに6アンペア必要なら、8アンペア位の容量の調光器が必要になる。
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そういう話です。ただ上の例は消費電流が大きめの例で、一般的にはそこまでの容量が必要になるケースは少ないでしょうが。
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アウトドアや車中泊で人気のLEDダウンライトだと、目安としてはどの位の容量が必要なんでしょう?
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エルパラで一番人気の定番モデルを例にすると、LEDダウンライト1個あたりが3ワットです。
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3ワットだと、3W÷12V=0.25Aだから……1個あたりは0.25アンペアか。長いLEDテープライトに比べたら少ないのね。
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天井に6個のLEDダウンライトを付けたとして、1.5アンペア位となります。
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容量2アンペアの調光器を使っていれば、なんとかギリギリいけるかな、くらいのイメージですね。
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調光器の容量の選び方は、なんとなく掴めた気がしてきました。
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ここまでの話は必須条件。ここから先は、使い勝手や好みの問題で「どの調光器がいいのか」が分かれてきます。
LEDテープライトは5メーターで売られているモノが多い。カットして使うなら、それに応じて消費電流も下がる。
アンペア数の計算方法
電力÷電圧=電流(アンペア)
つまり72Wが定格電力のテープLEDは……
72W÷12V=6A
※実際には計算通りではなくマージンを取っておくことが大切。
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