リアウイング取り付け・塗装講習（第7回）

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リアウイング（エアロ）塗装前に、巣穴ゼロに近づける方法

FRPのリアウイングやエアロパーツの塗装は、巣穴との闘い。実際にやるとわかるが、埋めても何度でも出てくるように思われる。その手ごわさを知り尽くした板金塗装のプロは、どうやって巣穴と対峙しているのか。

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  「リアウイング塗装の前にサフェーサーを吹く意味・目的」 の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  サフェーサーを吹いたら磨きますが、その前に巣穴を埋めます。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  ぱっと見には、巣穴なんてなさそうですけどね（↓）


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  ほんだ塗装での作業の流れだと、FRP製のリアウイングやエアロの場合は、サフェーサーを吹く前に1回ポリパテを付けて、7割方の巣穴は埋めています。

✔「リアウイング塗装の完成度を上げる下地処理。巣穴の埋め方」参照。

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  そのあとでサフェーサーを厚めに吹いているので、現状ではほとんど巣穴はない状況ではありますが、そこまでやってもこの時点で巣穴がゼロになっているわけではない……はず。

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  ふむ。

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  特に、サフェーサーで埋まったかに見える巣穴。サフェーサーが乾いてシンナーが飛べば、最終的にはヘコんだ状態の巣穴が残っていたりします。

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  モロに巣穴ではなくても、ペコっとなってしまう？

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  もともとの巣穴が深かった場合は、そういう残り方をしますね。ホラ、このように！


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  巣穴の痕、みたいなカンジか。本多研究員ってウルサイ・シュウトメのようだ。

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  このような凹みも、妥協しないでキレイに埋めたいところです。

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  本多研究員の場合は……そうでしょうね。

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  リアウイング（エアロ）にサフェーサーを吹いた後の巣穴埋めには、スポットパテを使います。

スポットパテ


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  サフェーサー前の巣穴埋めで使ったのは、ポリパテでしたが……

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  スポットパテは、ポリパテなどとと違って、上から塗装できます。それでサフェーサーを吹いたあとの仕上げには、コレを使うんですよ。

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  それなら、リアウイングやエアロのサフェーサーを塗り直す必要はないんですね。

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  そうですね。ただ、そのぶん、スポットパテには使用上の注意点があります。

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  それはどのような？

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  スポットパテは硬化剤がなくて、引けやすい性質がある。だから大きい穴にたくさん入れるような使い方をすると、引けてしまいます。

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  「引ける」とは、具体的に言うと……

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  塗装直後はキレイに仕上がっていても、後日、下のパテが引けていって「巣穴があったんだよねココ」みたいな凹みになりがち。

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  うーん。
  では、どうしたらいい？

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  リアウイングやエアロの深い巣穴を埋めるのには、スポットパテは向いていないってことです。

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  ……では、この時点で深い巣穴が見つかってしまったときは？

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  スポットパテではなく、ポリパテなどを使って埋めます。その後、再び2回目のサフェーサーを入れるほうがいいでしょう。

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  手前に工程に戻されるってことか。

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  それを防ぐために、ほんだ塗装では「サフェーサーを吹く前に、先にポリパテを盛ってあらかた埋める」方法を取っているのです。

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  なるほどね。だからこの段階では「スポットパテで埋められる程度の浅い巣穴しか残ってない」という前提なんだ。

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  そういうことですね。

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  というわけで、ここではスポットパテを薄付けする程度で済みます。


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  この小さなクボミのところにだけ、付ければいいんですよね？

いや。そういう目線でよーく見ていくと、ホラ、ココとかココにも……


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  え？
  そんなにあちこちにパテを付けるの？

うん。いちおうね。あ、こっちにも付けておこう


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  せっかくサフェーサーを吹いたのに、またパテまみれになってきたんですけど？

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  後悔はしたくないからね。

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  ……こんなミリ単位のヘコミなんて、誰も気づかないような気がするんですけどぉ。

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  いーや。このまま塗装したら、この穴は絶対このまま残ります。だから気づく。

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  リアウイング裏面でも？

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  ……人が気づかなくても、自分が気づきます。覚えているから。

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  ……あ、そ。

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  そして後悔する。「あぁ〜、なんでココにもパテを付けなかったんだろう」って。

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  FRP製のリアウイングやエアロの塗装は、こういう性格の人に向いていると言えます。