缶スプレー塗装を学ぶ①

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缶スプレー塗装に必要なもの。プロと同じ作業を身近なアイテムで

缶スプレーで、キレイに塗るのは難しい。しかしDIYでの自家塗装といえば、缶スプレー。それでやるしかないなら、缶スプレーなりのベストを尽くすべく、敢えてプロの板金塗装屋に教わるシリーズ。まずは缶スプレー塗装に必要なものを揃えるところから。

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  この連載では、缶スプレーを使った塗装（自家塗装）方法を、あえてプロの板金屋に教わろうと思います。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  缶スプレーか～。
  缶スプレーでキレイに塗るのは、難しいんですよね。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  プロの板金屋は、缶スプレーでは塗装しない。それは分かっていますが……

プロはガンで吹く


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  そうは言っても、こんな設備（↑）ないし。

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  まあね。

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  DIYでの塗装（自家塗装）は、やはり缶スプレー。それなら缶スプレーで塗装方法を教わらないと、リアリティないでしょう？

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  ……なるほど。では、缶スプレーでできるだけキレイに仕上がるようにコツを紹介していきましょう。

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  素晴らしい。

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  そういうことなら、塗料以外のものも全て、普段僕らが仕事で使っているものは使わないほうがいいですね。

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  ……まあ、そうなるか。

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  じゃあ、ちょっと買い物に行ってきます。

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  ……どこへ？

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  近所にカー用品店があるので、材料一式、そこで全部揃えてきます。

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  嫌がっていたわりには、ノリノリじゃない!?

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  買ってきましたよ～。



① サンドペーパー

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② パテ

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③ あて板

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④ サフェーサー（下塗り塗料）

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⑤ 缶スプレー塗料

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⑥ クリア（上塗り塗料）

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  え……？
  本多研究員、こんなにいろいろ買ってきたんですか？

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  今回は、車の外装パーツ（FRP製）を塗装する想定で、缶スプレー塗装に必要なものを揃えてみました。

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  FRP製のパーツというと、エアロパーツとか。

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  大きいエアロパーツの缶スプレー塗装はオススメしませんが……ドアミラーカバー・シャークアンテナ・小振りなスポイラー等なら、缶スプレーでもそこそこキレイに塗れるかと。

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  ふむふむ。

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  でも、そういったFRP製のパーツは、いきなり塗装できるわけではないんですよ。

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  と言うと？

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  下地処理をしっかりやらないといけません。まず、表面に傷を付ける「足付け」が必要なので、サンドペーパーを用意します。


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  ここでは水研ぎ用の耐水ペーパーを用意しました。

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  耐水のほうがいいのですか？

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  う～ん、まあ、水研ぎするメリットは、ペーパーが目詰まりしにくいことです。そのかわり、表面に傷が付いているのかどうか分かりにくいのがデメリット。

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  一長一短なんだ。

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  そうですね。僕が普段、仕事でエアロパーツ塗装前の足付けをするときは、水研ぎはしません。

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  じゃあ、なぜ耐水ペーパーを買ったの？

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  近所のカー用品店には、それしか売ってなかったから。

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  ホントにリアルだな。

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  それから、パテも必要になります。


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  ちょ……ちょっと待って。

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  何か？

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  今回は、FPRパーツの加工ではないのに……どうしてパテが必要なの？

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  FRP製品にはバリがあるので、バリを取らないといけないんですね。

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  あー。
  FRPのバリ取りか。

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  バリを取ると、巣穴が出てくるのです。ようは削ることで、内部の気泡が見えてしまうようなイメージ。

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  その巣穴を埋めるために、パテがいるんだ。

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  で、こういう補修用のパテの色にも、白や黒などがあって色が選べますが……

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  パテの色？
  そんなの選ぶ意味あるの？

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  例えば塗ろうとしている製品が黒ゲルコート仕上げだったら、白いパテを使うほうが、作業時に見やすいです。

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  ほー。
  逆に、白ゲルなら、黒パテを使うとヨイ。

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  決まりではありませんが、そのほうが「埋まっているのかどうか」がわかりやすいですよ。

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  パテの色ってそういう視点で選んでいたのか。

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  それからパテを削ってフラットにならす作業には、あて板が必要です。


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  これは、サンドペーパーとセットで使うんですね。

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  カタチが出来たら、サフェーサーを吹きます。



✔ サフェーサーについての基礎知識は、「サフェーサーとは？ 塗装前にサフェーサーを吹く意味はなに？」参照。

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  これも、白・黒・グレーなどの色がありますが、今回は黒ゲルコート仕上げのFRPパーツに塗るので、変化が見やすい白いサフェーサーを使います。

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  なるほど、なるほど。

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  そして、本番の塗装のための缶スプレーですね。


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  今回はトヨタ純正の209ブラックで塗ります。

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  ここは人それぞれ。
  塗りたいカラーを用意しましょう。

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  最後にクリア塗装で仕上げておしまい。


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  この先の磨き作業など、そういう話はおいといて、ひとまず、塗るまでに必要なものはこのくらいですね。

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  今回登場したアイテムは、プロでなくても揃えられるものばかりですね。

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  それでは、実際にFRPパーツを塗装する前のバリ取りや、足付け作業から解説していきましょう。