リアウイング取り付け・塗装講習(第2回)
リアウイング取り付け方法をプロに教わる
リアウイングやルースポイラーの取り付け方法は、ネジ留めタイプもあれば両面テープ固定もあるが、ここではより敷居が高いネジ留めタイプをモデルに解説。プロの厳密な位置決めなども、参考になる。
リアウイング取り付け方法。ネジ留めするタイプの場合
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「リアウイング塗装前の仮付け(仮の取り付け)は必要なのか?」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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今日は、仮付けしながら、リアウイングの取り付け方法を確認していきましょう。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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でもリアウイングの取り付け方法は、リアウイングによりけりですよね?
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そうですね。屋根に両面テープでペタっと貼り付けるルーフスポイラーみたいなタイプもあれば、ネジ留めするタイプもあります。
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なお今回は、カローラスポーツにクスコのリアウイングを取り付ける例です。
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取り付け方法は、純正ルーフスポイラー(リアゲートウイング)に穴開けしてボルト留めするタイプですね。
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しかし、リアウイングの固定位置に合わせて穴開けするのって難しくないですかね?
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だから、このクスコのリアウイングには、穴位置を決めるための型紙が付属しているんですよ。
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ホー。これを車の天井にのせれば、穴位置を決められる。
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ただし、型紙を貼るときにセンターはしっかり合わせないとダメ。型紙の位置がズレていたら意味がない。
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それはそうですね。
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まあ、普通に考えて屋根の上にあるアンテナはセンターにあると信じてそれに合わせる、でもいいんだけど……
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アンテナに合わせて型紙を貼ればいいんだ。
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しかし、このアンテナは本当にセンターなのだろうか? と、疑い出すと心配になってきます。お客さんの車を触る場合は、純正品かどうかも分からない状況だったりもするから。
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なるほど。
疑いだすとキリがなさそうな気もするけど。 -
そこで、ほんだ塗装では、レーザーを使った計測器を使ってセンター出しをしています。建築屋さんが使うような機械です。
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これを使って、例えば純正のリアエンブレムなど、絶対的に真ん中に付いていると思われるものを基準にして、レーザーを照射します。
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純正エンブレムの中心なら、センターと信じてもいいよね。
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そうすると「リアウイング取り付け位置付近の、センターライン」が分かる。
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レーザーの位置が、延長線上で、屋根のアンテナの真ん中にも当たっているのが分かります。
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このレーザーは、バックドアに付いている純正エンブレムの中心に揃えて照射していますので……
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アンテナの中心とエンブレムの中心は、キッチリ揃っていますね。さすが純正と言うべきか。
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そう。
間違いなく、ここがセンターラインですね。 -
この2点を基準にリアウイングを取り付ければ完璧!
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そこで、純正ルーフスポイラーの手前と奥の両方にマスキングテープを貼って、センター位置をマーキングしておきます。
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それからその両方のガイドを基準に、リアウイングに付属していた型紙を貼ります。
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ふーふー。
型紙を貼るだけで、神経が疲れました。 -
この型紙を使用して、リアウイング固定用の穴を4か所に開けていきます。
ココに穴を開ける
純正エンブレムの中心を通過するように、レーザーを当てている。
リアウイング取り付け用の穴開け
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ボルト留めするリアウイングは、穴開けの前に穴のサイズをしっかり確認しましょう。
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今回のクスコのリアウイングの説明書には、「6.5mm~7mm」の穴を開けてくださいと書いてあります。
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実際にドリルで穴開けするときのポイントとしては、いきなり本番用の穴を開けるのではなく、まず小さい穴を開けること。
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最初からデッカイ穴を開けて、もし位置がズレていたら……終了だ。
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そこでまず小さい穴を開け、位置を確認をした上で、本番の大きい穴を開けるという手順を踏みます。
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フムフム。
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仮に小さい穴がズレていて、ミリ単位でズラして穴を開け直しても、本番の大きい穴を開けるときには失敗穴も消えますからね。
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では、最初に開ける小さい穴は、何Φくらいがいいの?
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決まりはありませんが、今回は3ミリぐらいのドリルで、ネジ位置に細い穴を開けます。
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この段階でネジ位置が問題ないかを確認します。
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下穴の位置に問題がないと確認できたら、型紙は外してしまいます。
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次は本番の穴開けですね。
※付属のボルトがM6(ネジ部の直径が6ミリ)なので、それより少し大きい6.5~7Φでの穴開けが指定されている。
リアウイング取り付け用の穴を開けるときのコツ
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本番の穴を開けるときは、周囲は完全に養生しましょう。ドリルの刃がビュンって動いて、車の屋根に傷を付けたりしたら大変。
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フムフム。
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リアウイングの足で埋まるところは別ですが、それ以外のエリアは養生してしまいます。
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ここでは紙のマスキングテープを貼った上から、布製のガムテープを貼っています。ガムテープをベタベタ貼ると粘着が残るので。
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あるいは養生テープでもよいですね。
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車体に傷を付けるのを避けるために、ここは面倒でもきっちり広範囲を保護しておきましょう。
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それから、本番の穴開け。
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今回は説明書の指定が6.5~7mmの穴なので、7mmのドリルの刃を使って穴を開けます。
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ボルトは6mmですから、少し大きめの穴が指定されています。
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そこがポイント。今回のリアウイングは説明書もしっかりしているから説明書通りでいいんですけど……
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フムフム。
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いろいろなリアウイングを取り付けしてきた経験から言うと、説明書の指定よりは少し大きめの穴を開けたほうがいいケースも多いです。
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それだと、ネジがゆるくならない?
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ボルトを固定するのはナットなので、穴が少し広めでも、締め込んだら留まります。
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でも、なぜわざわざ、大きめの穴を開けるの? ボルトが通りさえすればいいのでは?
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その理由は「大きい穴のほうが融通が利く」メリットがあるからですよ。
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融通が利くって……なんのために?
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例えば、リアウイングを載せてみて、あと1ミリだけ右に動かしたい、という微調整に対応できる。
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ほほう。……でも、取り付け位置のセンター出しはきっちりやりましたよ?
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それでも、実際にリアウイングを車の屋根に載せたときに「ちょっとの違和感」を感じることはあるんですね。車も個体差があるから。
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そうなんだ……。
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それに、最初に細い穴を開けて、それを基準に本番の穴を開けていても、少しはズレるかもしれない。そういう原因で、数ミリの誤差は生じる可能性はあります。
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なるほどぉ。
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だから最終的にはリアウイングを屋根に載せて、目で見て違和感がないかどうかを確かめます。
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ここで、ちょっとの違和感を感じたときに、1ミリ程度でもいいから多少動かすことはできる。これが、少しだけ大きな穴を開けるメリットです。
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ボルトが入るギリギリの穴しか開いてなかったら、その先の微調整はできない。
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そうですね。だからいつもメーカーさんの言っている通りの穴サイズでいくとは限りません。
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説明書の指定がギリギリだったら、本多研究員は従わないこともあると。
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そのパターンのほうが多いくらいですね。
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なるほど。
そこは、エアロ取り付け専門家の経験的な知見ですね。 -
本番の穴を開けたら、リアウイングを載せて、リアゲート内側からボルト留めします。
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これで、塗装前のリアウイングの仮付け(仮の取り付け)は完了しました。
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今回のリアウイングは、仮付けといっても実質的には位置を決めて取り付けてみただけですが。
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エアロのように修正の作業をするための仮付けではない、ということですね。
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そうですね。問題なく取り付けできると確認できたので、塗装の下準備に入ります。
※リアゲート内側のカバーは取り外す必要あり。リアウイングを支えている人間も必要。
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DIY
Laboアドバイザー:本多 順
ワンオフ加工と塗装のスペシャリスト。エアロパーツ取り付けも仕上がりにとことんこだわるタイプ。超がつくキレイ好きでもあり、安心して車を預けられる。●ほんだ塗装 TEL:0564-58-5808 住所:愛知県岡崎市坂左右町堤上101-3 営業時間10:00~21:00 水曜定休 メールはこちら
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