ヘッドライト裏からイルミ電源(スモール連動)が取れなくなる日
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その日が来ても、対応策がある!
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今後の新型車はヘッドライト裏からイルミ電源(スモール電源)がカンタンに取れなくなるかも、というお話です。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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そんなバカな!
ヘッドライト裏からスモール電源が取れなくなる?●レポーター:イルミちゃん
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そうです。
30アルファードからそういう作りです。 -
何なんですか、その悪いニュース。どういうこと?
今回はいつも以上に重たい話になりそうです! -
新型車はヘッドライト裏にコンピューターがあって、そのコンピューターを介してスモール電源を出しています。だからコンピューターに入る前の配線には「12Vのスモール電源」というのが通っていない。
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ムムム……では、コンピューターを経由したあとスモールに向かう線から取ればいいのでは? スモール点灯がなくなったわけじゃないんだから。
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その方法もやれなくはないけれど、強引でリスキー過ぎ。最悪、制御コンピューターを壊したらシャレにならないので推奨できません。「取れない」と考えてもらったほうがよいです。
コンピューター後のスモール線から取り出したイルミ電源を単なる「信号線(トリガー)」として使い、電源自体はリレーでバッテリーなどから取る方法(いわゆるバッ直)も考えられたが、ハイブリッド車はそもそもフロントにバッテリーを積んでいない。バッ直のためにわざわざリアから電源を取り回すのは、手間を考えると現実的ではない。
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そうは言っても外装にLEDを付けたら、スモールランプの線から電源を取るのは定番ですよね?
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ハイ。
そうなんですよね。 -
これって要するに、グリルイルミおよびアンダーLED禁止令が発令されたようなもの?
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それだけではありません。たとえばウチでヘッドライト加工をしたお客さんが、イルミ連動でイカリングやアクリルを光らせたりする場合は、スモールランプのプラス線から電源を取るのが定石でしたので……
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ヘッドライト加工屋にとっても逆風なんだ!
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そうなんです。しかも今後はこういう作りの車が増えそうだなと思って……
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超・重たい話ですね。
いくらドMの森田研究員でも、この展開は痛そうです。 -
そこで!
対応策を見つけました♬ -
え!!
もう対応策あるんですか? -
あったんですよ。なのでDIYラボで公開したら、皆さんの参考になるかなと。
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それは素晴らしいニュースですね!
30アルファードには幽霊配線が存在する…
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今回の題材は30アルファードですが、ハリアーでも同じ技が使えることは確認済みです。
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フムフム。ハリアーあたりからの流れなんですね。
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段階を追って説明すると、場合によってはディーラーなどで使われることを想定したかのような「カラッポの配線」が車内からエンジンルーム側に渡っているのです。まずコレを発見しました。
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カラッポの線……ですか?
なんだソレ? -
現時点ではなんの電装品にもつながっていない、つまり電気の流れていない線。これが車内からエンジンルーム側へ4本通っているのです。
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コレが幽霊配線。
一体誰がなんの目的で? -
装備品によっては使われる想定なんでしょうね。ディーラーオプションとか。
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そういうことか。でも森田研究員、今必要なのはイルミ電源であってカラッポの線ではありませんよ?
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そうですね。
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あ、分かった。室内側のイルミ電源を、このカラッポ線に流そうってこと?
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いや、ちょっと違うんです。この室内側のカプラーには「すでにイルミ電源が来ている」ことが分かりました。
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はい?
さっきカラッポって言ったじゃん。 -
「室内側の根元まではイルミ電源が来ている」けれど、「それをエンジンルーム側には送っていない」状態なんですね。
出口(エンジンルーム側)
助手席側ヘッドライト裏付近。キャップかぶったカプラーみたいのがいる。
入り口(室内側)
室内側にもカプラーが。こっちはピン数が多い。
【30アルファードの場合】は、イルミ電源・常時電源・イグニッション電源・アース線が室内側カプラーには来ていた。これとは別に4本のカラッポ線もある。だから室内側カプラーは合計8ピンになっている。
10ピンカプラーのうち2本は未使用なので事実上の8ピンカプラー。4本が電源線、4本がカラッポ線(エンジンルームへつながる)。
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おぉ。
こんなカプラーがあるとは。 -
実はこういうカプラーは以前の車種からありましたが、これまで(※ハリアーなど)はヘッドライト裏からイルミ電源が取れていたので、特に使わなかったんですよ。
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で、ここからどうやって電源を取るんですか? 電源側のピンとカラッポ線のピンをつなぐ必要がありますよね?
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ハンダでつなぐ等は大変そうなので、組み合わせる対(つい)のカプラーを球屋で用意しました。
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ホホウ。
それは便利そう。 -
これをカポっとはめれば、電源ピンとカラッポピンが接続されて、「各種電源がエンジンルーム側へ行きます」
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では、実際にピンとピンをつなぐような面倒な作業はいらないんだ。
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ハイ。
カポっとつなぐだけです。
>>>使用アイテム
30アルファード/ヴェルファイア
エンジンルーム内
ワンタッチ電源取り出しカプラー
配線パターン(ピンの並び方)は車種によって異なるので、製品はあくまでも車種別専用設計。写真は30アルファード用。球屋の通販ショップで購入できる。
イルミ電源は配線から取り出すのが定番だが、中にはヒューズから取り出せる車もある。そのあたりの事情はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているので、ぜひ見てね。