ウインカーLED化講習
リアウインカーまでLED化するときの、ハイフラ防止抵抗の付け方は?
リアウインカーもLEDにしたい場合、ハイフラを防止する抵抗はどう付けるのか。ウインカーLED化講習では、これまでにフロントウインカーをLED化したときの、ハイフラ防止抵抗の取り付けと配線を学んだが、前後ともLEDウインカーにするときの対策は?
リアウインカーも含めてLED化する場合のハイフラ対策
-
リアウインカーをLED化するときの疑問点について、IPFに聞きます。
●レポーター:イルミちゃん
-
リアウインカーも、同じLEDウインカーバルブでLED化ができますね。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
-
しかし、ここで気になるのがハイフラ防止抵抗の付け方。基本的なことはすでに勉強しましたが……
-
フロントウインカーをLED化した時点で、すでにハイフラ防止抵抗は付けてありますが、リアウインカーまでLED化したら、どうなるの?
-
その場合は、ハイフラ防止抵抗(ハイフラキャンセラー)がさらに1セット(2個)必要になりますね。
-
IPFのハイフラ防止抵抗は、1セットで2個入りですが、もしも前後のウインカーをLED化するなら、4個の抵抗が必要ということです。
-
やっぱりそういうことなんだ。
-
通常だと、フロント左右……つまり2箇所の白熱球をLED化したことによる消費電力の減少分を、2個のハイフラ防止抵抗で消費させてつじつま合わせをしているのです。
-
ですから、リアウインカーまで含めて、合計4箇所のウインカーをLED化する場合、ハイフラ防止抵抗が2個のままでは、全体の消費電力は追いつきません。
-
そっか。
トータルの消費電力は下がってしまう。 -
そうすると、けっきょくハイフラが起こってしまいます。
-
そういうことね。でも、2セット用意すれば、リアウインカーもLED化できるってことね。
-
ハイ。ただし、リアウインカー用にハイフラ防止抵抗を取り付ける場合は、フロントとはべつに注意点もあります。
-
……と言うと?
Amazonでも販売されているIPF ハイフラッシャー防止キャンセラー抵抗 WA-19(2個入)
✔ 純正の電球ウインカーは21Wの白熱球。それに対して、IPFのLEDウインカーバルブは6.5W。
リアウインカーをLED化した場合の、ハイフラ防止抵抗の付け方
-
ハイフラ防止抵抗は発熱するから、取り付け場所には注意が必要という話はしましたよね。
-
しかし、リアウインカー配線の周囲というのは、なかなかハイフラ防止抵抗を付けるのに都合のいい鉄板がなかったりするのです。
-
テールランプ裏とか、スペースなさそうだし?
-
ヘンな場所に取り付けて、テールランプに接触していたりすると、樹脂のテールランプは溶けたり燃えたりする可能性があるため、非常に危険です。
-
あわわ。言われてみれば、リアウインカー付近に取り付けたら、樹脂テールが危うい感じ。
-
フロントウインカーの場合は、エンジンルーム内の鉄板に貼り付け固定ができますが……リアウインカーは、この面でけっこう悩ましいのです。
-
では、どうしろと?
-
可能なら、ハイフラ防止抵抗は、あくまでもフロント側に取り付けることをオススメします。
-
あん?
リアウインカーLED化の話でしょ? -
ですから、リアウインカーをLED化したぶんのハイフラ防止抵抗も、フロントウインカーの配線に付ける、という意味ですよ。
-
なにソレ!
そんな付け方でいいの??? -
そこは車種によって事情が変わるのですが……最近の車を例にすると、その付け方で、リアもハイフラ対策できてしまう車が多いです。
-
どういうことなんでしょう?
-
最近はコストダウンの関係もあって、フロントからリアまで、1本の配線でウインカーがつながる構造のものが多いんですよ。もちろん全車種とは言えませんが。
-
ホホウ。
リアウインカーまで、配線が一体化している。 -
その場合は、ウインカー配線上のどこにハイフラ防止抵抗が付いていてもよいことになります。つまり、フロントウインカー配線にハイフラ防止抵抗を2個付けても、ハイフラを防止できるのです。
-
そういうことか~!
-
ようするに、フロントとリアのトータルの消費電力の問題で、ハイフラが起こるわけですから……
-
合計4つのハイフラ防止抵抗がどこに付いていても、トータル消費電力でつじつまが合えばいい。
-
ただし! さきほども言ったように、全ての車種では通用しない配線方法です。
-
ふむ。
この配線方法ではダメなパターンって、どういう車? -
車種によっては、リアのウインカー(テールランプ)のそばに、電流を監視する小さいユニットが付いている場合もありますので。
-
……ムムム。それのせいで、リアウインカーの消費電力が下がったことを独立検知されてしまう!
-
そういうことです。こういう構造の場合は「リアウインカー配線に直接、ハイフラ防止抵抗を付けないとハイフラは防げない」のです。
-
しかし、車両配線図など持っていないユーザーには、どちらのパターンなのか判断が付かないのでは?
-
その点については、いい調べ方があります。
まずは1セットで前後・片側のウインカーをLED化して、ハイフラを確認する方法
-
フロントウインカー用に購入したLEDウインカーバルブと、ハイフラ防止抵抗で、実験してみるんです。
-
どんな実験?
-
2つのLEDウインカーバルブを片側……例えば右フロントウインカーと、右リアウインカーに付けてみるのです。
-
右ウインカーだけ、前後ともLED化。ヘンな状態ですが……。
-
そして、ハイフラ防止抵抗は、2つとも、右フロントウインカーの配線に付けてみます。
-
フムフム。さっき教わった付け方ですね。
-
その状態で、右ウインカーを点灯させてみましょう。
-
これで、なにが分かるの?
-
ハイフラが起こらないなら、その車のフロントウインカーとリアウインカーは1本線でつながっている、ということになります。
-
おお、なるほど!!
-
ここでは前後2灯をLED化しましたが、トータルの消費電力では、フロント左右をLED化したときと同じなので、1セットで実験できるわけです。
-
てことは、もしもそれでハイフラが起こるようなら……
-
その車のフロントウインカーとリアウインカー配線は、一体ではない。つまり、リアウインカー配線に、直接ハイフラ防止抵抗を付ける必要があります。
-
なるほどねェ。
そういう調べ方があるのか。 -
この実験でハイフラが起こったら、2セット目を買う前に、リアウインカー線に、ハイフラ防止抵抗を付ける場所があるのかどうかを調べましょう。
-
…そっか。その時点はまだ1セットしか買ってないから、リア分も買う前に下調べをすればいいんだ。
-
この手順を踏めば、前後のウインカー分のセットを買ってしまってから、付けられない、という事態が起こるのを避けられますよ。
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
関連記事
- LEDウインカーバルブの本命となるか!? ついにIPFが投入
- LEDウインカーバルブをIPFが今まで出さなかった理由が興味深い
- 安易なウインカーのLED化に潜むリスクを再確認しておこう
- おすすめできる「LEDウインカー」の条件
- ハイフラ防止抵抗内蔵LEDウインカーバルブの問題点
- ハイフラ防止に使うメタルクラッド抵抗とは? セメント抵抗との違い
- ハイフラ防止抵抗の温度は、何度くらいまで上がる? 熱対策の知識
- ハイフラ防止抵抗の正しい取り付け方法╱両面テープは避けたい
- ウインカーバルブの交換方法╱外し方と、取り付け時の注意点
- ハイフラ防止抵抗の配線方法╱並列につなぐってどういうこと?
- ウインカーポジションキットとLEDウインカーを併用するリスク
- ウインカーポジションは車検に通る? 保安基準を分かりやすく解説
- ウインカーポジションキットの「車検対応」と「非対応」の違いは?
- リアウインカーポジションは車検に通る? 通らない?
- ドアミラーウインカーポジションは車検に通る?
- ウインカーポジションキットはすぐ壊れる、というのは本当か!?
- ウインカーポジションの意味と効果。似合う車って、どんな車?
- ウインカーに使われるバルブの種類。T20とS25の違い
- T20 LEDバックランプバルブのウインカー流用はアリか、ナシか!?
- LEDバックランプの選び方。ルーメンはアテにならない!?
- LEDバックランプのおすすめは「体感的に明るいもの」
- シーケンシャルウインカー自作教室(第1回)
ウインカーLED化講習
ウインカーポジション講習
その他