東京オートサロン2019ルポ
2019年のドライブレコーダーは、従来モデルと何が違うのか?
東京オートサロン2019年・セルスターブースからは、最新鋭のドライブレコーダーの話題。ドライブレコーダーに絶対欲しい前後録画機能や、取り付け利便性の向上など、多角的に進化を続けるドライブレコーダーがここにある。
東京オートサロン2019ルポ・今日はセルスターブースから、ドライブレコーダーの最新事情です
DIYラボ レポーター:イルミちゃん
新型ドライブレコーダーがいろいろ並んでいるみたいよ~
DIYラボ別館:ユキマちゃん
セルスターブースで見えた、近未来のドライブレコーダー
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ちなみに今回出展の2019年モデルのドライブレコーダーは、現時点ではまだ開発中。参考出品なのですが……
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フムフム。
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しかし、これらの中身を知ると、これから登場する近未来のドライブレコーダー像が見えてきます。
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ナルホド。
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セルスターの注目モデルは、大きくわけると3つあるので、順番に見ていきましょう。
リアカメラの配線が不要になる前後録画のドライブレコーダー「CS-71FW」
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まず、2018年までの流れ。やはり、前後にカメラを搭載して、後方も録画できるモデルが人気だったもよう。
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あおり運転対策ね……。
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そう。セルスターでいうと、現行機種の「CSD-790FHG」が前後録画モデルであり、売れ筋でもある。
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ふむふむ。
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ちょうど1年前の東京オートサロン2018で発表されたもので、DIYラボでも記事にしました。
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そして、CSD-790FHGの進化版と言えるのが、今回出展されていた2019年モデル「CS-71FW」なのです。
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つまり、これは前後2カメラのドライブレコーダーなのね。
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そうそう。そういう意味でも、注目の2019年モデルと言えそうですが……
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今年はなにが進化したのかな?
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従来の前後録画モデルは、あくまでも前後が有線でつながっているものでした。
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有線?
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わかりやすく言うと、配線コードでフロントとリアがつながっている、という意味ね。
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……リアにカメラを付けるんだから、そんなの当たり前じゃないのよ。
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しかし、新型では両者をつなぐ配線が必要なくなります。通信によってリアカメラの映像を送るのです。
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……ほほう。
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あれ!?
ここ、もっと驚くところなんだけど? -
……しかし、それによって何のメリットがあるのかな、と思ってね。有線でも無線でも、録画できるならいっしょでは?
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なにボケてるのよ。フロントからリアまで、配線を引き回す必要がなくなるのよ。
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あ!
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取り付けが劇的にラクになる、という話ですから!……自分で取り付ける気が、全くなかった反応ね。
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そのメリットはすごい!!
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そう。ドライブレコーダー市場において前後録画モデルは人気だけど、リアカメラの取り付け自体が、けっこう手間のかかる作業なので……。
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DIYで付ける人には、イチオシの前後録画ドライブレコーダーになるかも~。
※デザインは開発中のため、変わる可能性があります……というか、その可能性が高いそうです。
RCA入力を備えたドライブレコーダーが登場すると、何が変わるのか?
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続いては「CS31F」という2019年モデル。これがまた斬新で……
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RCA入力でカメラをつなげて録画できる、ドライブレコーダーです。
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……?
RCAってなんだっけ? -
RCAケーブルとは、オーディオなどでは定番の赤・白・黄色ケーブルのことですが、黄色い映像信号ケーブルは、バックカメラの線としても使われています。
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それがなんだっていうの?
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バックカメラの映像を、ドライブレコーダーに入力できるってことよ。
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え~っと、つまり……バックするときにぶつけるシーンを録画する気? すいません、私がぶつけました的な映像???
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……ぜんぜん違います。
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じゃあ、なんでバックカメラをつなげるのよ?
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バックカメラがドライブレコーダーのリアカメラ代わりになる、っていう話じゃないの。まだボケてるの?
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な、なにィ。
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つまりこれも、前後録画ドライブレコーダーであり、新発想とも言える2カメラ方式なのです。
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それなら、バックカメラが付いている車は、リアに何も付けなくていいって話か~。
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そういうこと。
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では、これも取り付けがラク?
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う~ん、それはどうかなぁ。取り付けに関しては課題もあるので、そのあたりがまだ開発中の段階のようです。
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課題って?
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もともと付いているバックカメラを生かすためには、その配線はやり直さないといけないでしょう。
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バックカメラはナビにつながっているから、割り込む必要がありそう。
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その問題もある。それにバックカメラは、バックのときだけしか電源が入らないように配線されているのが普通だしね。
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あ〜。
そのままだと、常時録画はできない。 -
それを走行中、常時録画状態に切り替えるためには、ACC電源(あるいはIG電源など)を取る必要も出てくるだろうし。
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……配線作業は、けっこう複雑になるのかな?
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セルスター広報によれば、そのあたりを作業しやすくするために専用ケーブルなどを開発しているもよう。
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ちょっとマニアックだけど、出たら面白いドライブレコーダー。
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それにRCA入力に対応するってことは、必ずしもバックカメラではなくてもよくなるしね。
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どういう意味?
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RCAでつながるカメラなら何でもいいわけだから、サイドカメラを付けている人とかはその映像を録画することも可能になる、と思われます。
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前後録画から、全方位録画の時代に近づいているんだ。
開発中のCS31F
市販バックカメラの映像信号は、黄色いRCAケーブルを使っているのが普通。
✔ 市販バックカメラの電源は、リバースに連動させる目的でバックランプ等から取ることが多い。※「バックカメラ取り付け方法╱配線の引き込みと、電源取り出し」参照。
✔ 純正カメラも社外カメラも千差万別なので、「いかにうまく割り込むか」という点で、いろいろ検討・開発中のモデル。
キャパシター搭載のドライブレコーダーのメリットとは?
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最後はスーパーキャパシタ搭載の「CS-21FH」「CS-11FH」です。
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キャパシター搭載ってなんのこと?
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いわゆる、蓄電池のようなものを積んでいます。
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そのメリットは何かというと……
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ドライブレコーダーを含む電装品の電源は、バッテリーから取っています。
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シガーソケット経由でね。
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しかし、事故が起きた瞬間に、運悪く断線する可能性もある。
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あー。
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ドライブレコーダーも、電源が切れてしまえば録画はできなくなってしまう。
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そりゃそうだ。
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で、たとえ事故で断線したときでも、完全に電源が落ちるまでの間に1秒ぐらいのタイムラグを設けるための部品が、キャパシターなのです。
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1秒ぐらい……ってそんだけで何が変わるのよ?
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ようするに、最後の最後の1ファイルを残す、という点が重要なのよ。映像が尻切れトンボにならないようにするために……ね。
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そういうことか~。
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ドライブレコーダーが録画を続けられなくなるような、大事故用の機能、と言えます。
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いろいろ考えられてるなァ。
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ドライブレコーダーの進化は、いろいろな意味でまだまだ続いているのです。
✔ CS-21FH、およびCS-11FHは兄弟機。形はほぼ同じで、GPSを内蔵しているかしていないかの違い。
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