バックカメラ後付け入門ガイド(第4回)
バックカメラ取り付け方法╱配線の引き込みと、電源取り出し
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バックカメラの取り付けで、最も難所となるのは「配線の引き込み」だ。難しいと言うより手間がかかるのだが、ここで実際の作業工程を見るとコツがつかめるはず。バックカメラの電源取り出しについても、わかりやすく解説。
バックカメラの取り付けは、配線引き込みが難所
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今日は、バックカメラの配線引き込み方法について解説します。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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配線を、車内に入れる作業ですね。
●レポーター:イルミちゃん
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今回のモデル車(30プリウス)は、ナンバープレートがリアハッチです。この場合、バックカメラを付けた時点で配線はハッチ裏まで来ていますが……
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このあと、配線をリアハッチ側から車内側(天井側)に通す引き込みに手間がかかる。
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どこから室内側へ通すんでしょう?
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プリウスのようなハッチ型の車の場合は、ハッチのヒンジの近くにゴムブッシュのようなものがあります。
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ここの内部を通すと、外から配線が見えずに、キレイな取り回しが可能です。
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それは好都合。
配線隠したい派です♪ -
ただし、このやり方のデメリットは手間がかかること。
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ムム。
それは明確にデメリットだ。 -
もしもどうしても通せなかったら、配線がヒンジにかからず、ドアの開け閉めにも引っかからないように注意しつつ、プランと空中配線で渡している例も多いです。
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雨がかかりませんか?
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ある程度の防水機能は持っているので、少し位は水がかかるのは大丈夫です。
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なるほど。
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しかし、どっちにしても、配線の大半は見えないように隠したいので、まずはリアハッチの内張りを外します。
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そして内張り内部に配線を隠しながら、室内に純正配線が渡っているブッシュ付近まで、バックカメラの線を取り回します。
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室内に配線を入れるときには、このゴムブッシュを通過させるのが理想です。
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まずゴムブッシュを引っ張って抜いて、ハッチ側の穴に配線を通します。
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次は、ゴムブッシュの室内側(↓)。ここもめくって浮かせます。
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そしてゴムブッシュ内にバックカメラ配線を通過させるのですが……純正配線も通っているので、狭くて通すのは大変です。
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天井を少しだけめくって(下げて)、スキマから手を入れて配線を迎えに行きます。
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ゴムブッシュを通過して、室内側にバックカメラの配線が出てきました〜。
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これでバックカメラの配線が室内側へと渡ったことになります。
リアハッチ裏に出た、バックカメラの配線。
純正配線の通り道になっているブッシュ。
30プリウスの場合は、まずハッチ上部の細長いパネルを外す。
横の柱状の内張りも外す。
内張り内部に配線を通して……
側面のパネル内を通しながら、リアハッチ上部まで配線が来たところ。
ココを通す
ココまではカンタンに通る
ウェザーストリッパー(防水ゴムモール)を引っ張って浮かせ…
天井内張りの後部のピンを外しておいて…
バックカメラの電源取り出し方法。どこから取るのか?
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バックカメラから伸びる配線を室内側へ引き込めたら、とりあえずその線はおいておき、電源ケーブルの作業に移ります。
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バックカメラの配線と電源ケーブルの接続は、後回しでいいんですね。
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先に電源ケーブルで、バックカメラ用の電源を取り出し、それを取り回してきて、どこか途中でバックカメラの線と接続するほうが効率的です。
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そういえばバックカメラの電源って、どこから取るんでしょう?
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シフトをリバースに入れたときに、12Vの電気が流れる線(リバース線)から電源を取ります。
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シフトをリバースに入れたら12V? どこの線ですか、ソレ?
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方法はひとつではないんですが、基本的にはバックランプの電源線から取るのが一番スムーズですね。
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あ〜、そういうことね。
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バックランプ線から電源を取れば、カメラの電源が入るタイミングも後退時だけになるので、カメラ自体の経年劣化も最小限になります。
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そっか。
バックカメラに常時電源を流しておく必要はない。 -
そういうことです。
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しかし……だとすると、バックカメラは瞬時に起動してくれないと困ることになりますが?……大丈夫なの?
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起動は早いです。ナビの画面の切り替わりのほうが遅い位なので、カメラ待ち、という現象はほとんど起こらないのです。
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なるほど! それでは、バックランプのバルブ裏の配線にアクセスします。
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先に電源ケーブルを通します。ラゲッジの床下を通して隠すのがいいでしょう。
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電源ケーブルから出ている赤(プラス線)と黒(マイナス線)を、それぞれバックランプのプラス線、マイナス線に合流させます。
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ここはエレクトロタップを使うのが定番。やり方は「エレクトロタップの正しい使い方」等を参考にしてください。
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そして電源ケーブルと、バックカメラ本体の配線を接続します。
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今回は天井裏あたりで接続していますが、このあたりは「配線をどこでまとめるか」によっても変わります。
✔ ひとくちメモ
バックカメラの線と、電源線は2ピースに分かれていて、室内側に引き込むのはバックカメラ線だけでいいように作られている。テールランプ裏付近の内張りにあるフタを開ける。
プラス線、マイナス線の判別には検電テスターを使う。「検電テスターの正しい使い方」参照。
バックカメラ配線の取り回し
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電源ケーブルから伸びているRCAケーブル(黄色の映像信号線)の1本だけが、フロント方向へ向かいます。
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前まで取り回しするのは、この1本だけでいいのか。
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そうなんです。
ここからはシンプルです。 -
どこをどう通していくんでしょう?
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難易度が低いのは、上を通す方法。天井の内張りのスキマにバックカメラ配線を押し込んで隠しながら、前に進むやり方です。
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ただし今回の30プリウスのように、ピラーにエアバッグが仕込まれていると、ピラーを外せません。
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エアバッグ作動に、問題が出たら困りますしね。
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ピラーにエアバッグが入っている車の場合、一回外したら付けられない構造になっていたりもするので、触らない方がよいです。
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上側を通せないのなら……
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下側を通していくしかありませんね。
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足元のステップパネルを外して、その中にRCAケーブルを通していきます。
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Bピラーの根元付近も、バラすことになる車が多いと思います。
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そしてフロントへ。
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あとはダッシュボード裏を通して、ナビ裏まで運びます。
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その前に、ナビの取り外しですね〜。
ナビの取り外し方法は、下記記事の前半部分を参照
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今回はカロッツェリアのナビに接続するため、バックカメラアダプターを先にナビ裏のバックカメラ入力端子につないでおきます。
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そしてバックカメラアダプターに対して、バックカメラのRCAケーブルをつなぎます。
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これでバックカメラ取り付けが完了しました〜!
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ただ、今回は(天井を通せなかったので)やむなくステップ裏を通しましたが……そこには注意点もあります。
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ステップ裏を通した問題点?
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ステップ裏は、もともと純正配線が通っています。そこに這わせると、ノイズがのる原因にもなりかねない。電源線も通っていますからね〜。
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ノイズ!!
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なるべく純正配線が通っていないところを通すのが、本来は望ましい取り回しである、ということは覚えておきましょう。
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そうなんですね。「純正配線に沿わせるとキレイ」みたいな、イメージがありますけど、違うのか。
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というのもRCAケーブルって、そもそもノイズの影響を受けやすいんです。
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そういうことか〜。
モニター取り付け等と同じことが言えるんだ。 -
バックカメラの配線は、作業性だけではなくて、ノイズの影響を受けない取り回しを考える、という視点も大切なんですよー。
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ところで……バックカメラを取り付けたけれど、ノイズがのってしまったらどうするの?
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それはまた、連載の後半で詳しく解説します。
バックカメラアダプターの選び方は「バックカメラ後付け入門ガイド(第1回)」参照。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000
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