エアロパーツコラム
エアロパーツの選び方。デザインだけで選んでよいのか?
エアロパーツにも選び方がある。もちろん基本的にデザインの好みで選ぶものだが、デザインだけで選んだ場合にありがちな失敗を知っておこう。例えば一目惚れしたエアロがあったとしても、買う前にチェックするべきポイントがあるのだ。
エアロパーツの選び方を相談する人は少ないが、失敗する人はいる
-
今日はエアロパーツの選び方について教わろうかなと、思っていたんですけど……
●レポーター:イルミちゃん
-
ハイ。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
-
でも考えてみると、エアロパーツはデザインで選ぶものだから、「選び方」なんて人に教わるものではない?
-
確かに、エアロパーツで「どれを選んだらいいですか?」って質問してくる人はあまりいませんね。
-
やはり、みんな自分で決めている。
-
そうですね。これが例えば車高調の場合は、「どのメーカーを選んだらいいんですか?」と質問されることは非常に多いんですけどね……。
-
足回りは、違いが分かりにくいから。
-
乗り心地はどうなのかとか、異音が出るとか出ないとか、足回りは付けてみないと分からないコトが多い、というのもあります。
-
なるほどね。
-
それに対して、エアロパーツは「コレを付けたい!」と決めている人がほとんど。
-
雑誌とかネットでデザインを見て、決めているのかな。
-
あるいは、オートサロンのようなショーでデモカーを見て一目惚れして選ぶタイプの人もいます。
-
それなら、実車も見ているので、なお安心。
-
そうなんですけど、じゃあ「本当にデザインだけで選んでいいか」というと、そこはちょっと心配もあります。
-
と言うと?
-
意外と多いんです。エアロパーツを付けたら、今までと同じ車高では走れなくなる……というパターンが。
-
地上高の問題ですか。
-
そうなんです。極端な例だと、家に入れなくなった、というケースもありますよ。
-
そういう場合って、どうするんだろう……。
-
車高を上げるしかないですよね。あるいは、エアロパーツを短縮加工する手もありますが、莫大な費用がかかるので現実的とは言えない。
塗り分け方などもデモカーの塗り方に沿っていけば、まとまる。
エアロパーツを付けて、車高を上げるデメリット
-
でも最近は、車高調を付けている人が多いですよね。
-
そうですね。
-
とすると、エアロパーツを付けて走れなくなっても、その分車高を上げて、帳尻を合わせることはできますね。
-
しかし、そうやって帳尻合わせできるのは地上高だけですよね。
-
む?
-
車高というのは、車体と地面の距離の問題です。あくまでも。
-
エアロパーツを付けた結果として、地上高が3センチ減ったとします。
-
そこで、車高調で3センチ上げると……
-
フェンダーとタイヤの隙間も、3センチ増えてしまいます(↓)
-
この隙間を減らすために車高を落としたのに、という人も多そうです。
-
そうなると、カッコいいエアロを付けたつもりで、トータルで見るとカッコ良くなったのかどうか「?」な話になりかねません。
純正バンパー比で何センチ下に伸びるのかが問題
-
エアロを買う前に知っておきたいのは、「純正バンパーと比べてどの位、下に長いのか」という点です。
-
なるほど、なるほど。
-
それと、もうひとつ重要なのが、フロントタイヤからバンパー前端(リップ等)までの距離。これをオーバーハングと言います。
-
この距離が長くなるほど、同じ地上高でもエアロを擦りやすくなります。
-
フムフム。
オーバーハングか〜。 -
最近のよくある例を挙げると、ハイエースあたりの車で前に長いリップを付けると、擦りやすい。
-
ありそうな話です。
-
カッコ良くはなったけど、ものすごく気を遣わないといけなくなった〜、となると結局ストレスが溜まります。
-
ムムム。
やはり、車高を上げる話になってしまう。 -
しかしドレスアップカー的には、「車高を下げたい」という人が多い。となると、低い車高でも走れるエアロを選んでおかないと、現実味がありません。
フロントのオーバーハング
今どきのフルバンパータイプは小振りが主流
-
エアロパーツは、純正バンパーより下に長いものなんですね。
-
ただ、最近は小振りなエアロパーツが多いです。具体的には、純正バンパーのプラス2〜3センチぐらいの高さで収まっていたりしますね。
-
エアロパーツメーカーも、車高にこだわる人が多い傾向はわかっていますから。
-
特にフルバンパータイプ(バンパー交換型)のエアロパーツは、純正サイズに近いものが多いです。中には純正バンパーと同じサイズ、というモノもあるし。
-
でも、それでデザイン的に変わり映えするんでしょうか?
-
フルバンパーなら、純正バンパーサイズだとしても、デザインの自由度は高いですからね。
-
そっか。
-
対してハーフは、純正バンパーに付け足してデザインに変化を与えるもの。確実に純正バンパーより、地上高が減ってしまう。
-
あー。
-
だから、フルバンパーが小振りになった今は、意外とハーフのほうが擦りやすい、という面はありますよ。
-
ハーフやリップなら擦りにくい、という話ではないんですね。
ノブレッセのエアロを組んだヴェゼル。最初からサイドステップの設定がなく、純正サイドとバランスが取れるフロントバンパースポイラーになっている。
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
関連記事