アクリルヘッドライト加工方法(第19回)
シーケンシャルウインカー(純正風の流れるウインカー)の作り方╱ユニットと基板の接続方法
シーケンシャルウインカー(純正風の流れるウインカー)自作の仕上げ。リレーユニットと基板をつなぐ工程だ。これでいよいよウインカーが「流れる」。内蔵型ユニットを使っているので、配線は思いのほかシンプルだ。
内蔵型のユニットは、基板に直結できる
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前回作ったLED基板と、流れるウインカーユニットをつなぎます。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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今回は、「内蔵型」の流れるウインカーユニットを使っているのがポイントですね。
●レポーター:イルミちゃん
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内蔵型を使うというのは、ヘッドライトの中でつなぐということです。
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ヘッドライト「内蔵」になるんですね。
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つまりLED基板が作れた段階で、その基板に直結できる。先に完成イメージを見ると分かりやすいと思います。
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基板の位置とユニットの隠し場所によっては、配線が届かないケースがあるかも。もしそうであれば、延長します。
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「内蔵型」は、ヘッドライト1個の基板に対して、「ユニット」も1個付ける。だから配線がシンプルですね〜。
こんな風に基板とユニットをつなぐ
(左)LED基板╱(右)流れるウインカーユニット
LED基板と流れるウインカーユニットのつなぎ方
まずはプラス線を付ける
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今回は6個のLEDで、6ブロック分けしていますが、プラス側の回路は合流させています(※前の工程参照)
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プラス側だけ見れば、普通のLEDルームランプの自作と変わらないですね。
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そのプラス側の回路上に、LEDの電源を取るためのプラス線をつなぎます。
銅線にハンダを付けておく
プラスの回路にハンダ付け
マイナス線は順番に注意!
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流れるウインカーユニットは、マイナス線をLEDごとに別々につなぎます。それで各LEDの点灯タイミングを、独立してコントロールする。
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だから、マイナス線はいっぱいあるんですね。
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今回使用するユニットは10ブロックまで対応。なので、マイナス線は、合計10本ありますが……
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今回はLEDが6個(6連流し)なので……
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そういう場合は、1〜6番目までの配線だけ使います。
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ここで注意。
マイナス線には順番があります。 -
つまり、どの6本を使うかも決まっている。
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ヘッドライトの内側(グリル側)が1番目のLEDで、黒、茶色、赤、オレンジ、黄色、緑……の順でつなぎます。
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この順番を間違えると、きれいに順番に点灯しない。流れ方が、おかしなことになります。
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今回はこれ以外の色の線は余り、なんですね。
使う線は6本だけ
左の4本は余る。
マイナス線の付け方
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まず、銅線にハンダを先に付けておきましょう。
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そして順番どおりに、LEDのマイナス足にハンダ付けしていきます。
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4本足LEDには、2本ずつプラス足とマイナス足がありますが……、
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銅線を長めに露出させておいて、2本のマイナスにかかるようにハンダ付けしています。
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片方のマイナス足でも、電気は流れますが……
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両方にハンダ付けしておくほうが、線を引っ張ってしまったときの強度などはアップします。
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というわけで、6本のマイナス線も付きました。
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基板が出来た段階で、点灯チェックはしたほうがいいですね。
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ヘッドライトに組み込んでから接触不良が発覚したら……また、バラさないといけませんので。
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配線としてはプラス側の電源と、ユニットのプラス、マイナスの3本だけ。この3本をつなげばこの段階で、「流れる」はずです。
点灯!
余ったマイナス線の絶縁処理
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余ったマイナス線は、1本ずつ収縮チューブ等で絶縁しましょう。
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収縮チューブを抜けにくくするために、配線をUの字に折り返して、太さを稼ぎながら圧縮するといいですよ。
細い収縮チューブを切り出す
こういう風に差し込んで
熱であぶって収縮させれば…
絶縁完了。
配線をまとめる
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配線数が多いので、バラバラのままではなく、結束しておきましょう。
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ビニールテープでグルグル巻き?
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それでもいいんですけど、僕らはテサテープを使っています。ハンダ付けしたポイントの、絶縁にも使いますね。
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部分的にじゃなくて、全線にわたって巻いていくんですね〜。
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まあ、そこまでしなくてもいいんですけど、カラーコードを黒に変えておく、っていう意味合いもあるんですよ。
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ほほう。
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ヘッドライト内のリフレクターに、隙間から見えたカラーコードが写り込んだりすると見栄えが悪いので。
仕上げたところ
基板を付け直す
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基板ができたので、86前期のポジションLED基板と差し替えますが……
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純正基板と違って、背面に配線をつなげてあるせいで、そのままでは同じようにサンドイッチできません。
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あらま。
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こういう場合は、取り付けカバー側を少しカットします。
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ステーの部分とネジ穴が残っていれば、純正と同じように固定できますからね。
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なるほどね。
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これでポジションランプ「改」の、シーケンシャルウインカーができました〜!
純正の取り付けカバーが戻らない!?
だいたいのラインを描いておき…
超音波カッターでカットする
無事にネジ留めできた!
この記事の実践アドバイザー
球屋・田中宏信サン。森田研究員に輪をかけたドM。働き者。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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