アクリルヘッドライト加工方法（第8回）

ヘッドライトへのアクリル埋め込み準備

ヘッドライトに埋め込むアクリル板は、準備OK（切り出して、ライトのインナーの曲面に沿ってアールを付けた）。次はいよいよ埋め込みだが、その前の下準備。アクリル板を埋め込む位置を決めてマーキングをするのだが、ここにも加工のプロのコツがある。

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  前回までの流れは、切り出したアクリル板を、ヘッドライトインナーの曲面に沿って曲げるところまで完了です。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  次は、いよいよヘッドライトのインナーに穴を開けて、アクリル板を埋め込んでいきます。

  ●アドバイザー：球屋 森田研究員

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  ヘッドライトのインナーって、どうやって切るんですか？

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  工具としては、超音波カッターを使います。

球屋で使っている超音波カッター


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  プロが使うようなものだと10万円位しますが、ホビー用の超音波カッターなら数万円で手に入ります。それでも切れます。

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  なるほど。

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  まずはカットする線を、ヘッドライトのインナー側にマーキングしておく必要がありますね。

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  以前、型紙を起こしたときのヘッドライトインナー（↓）。こんな状態になっていますが……



※「アクリル埋め込み加工╱デザインのコツ」の続き

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  最終的なカットラインは、型紙ではなく「切り出したホンモノのアクリル」に合わせるので、とりあえずアクリル板を仮あてしてみます。

ライトに残っているガイドの上からマスキングテープを追加


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  いったんヘッドライトインナーの全面にマスキングテープを貼り直します。


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  ただ、以前に型紙を外すときに貼ったガイド代わりのマスキングテープが下に残っているので、それをガイドにすればアクリル位置はだいたい分かります。

まずは型紙の位置に合わせてアクリルを配置



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  ガイドに沿って、アクリルを置きました。

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  最終的な位置は、置いてみて、目で見て微調整します。

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  じゃあ、この段階ではまだアクリルは動かしていいんですね。

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  そうです……というか、動かすのが普通。例えばアクリル同士の間隔も、数字を測ってやってはいますが、目で見たときに自然かどうかは別モンダイ。

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  と言うと？

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  そもそもヘッドライトのインナーが曲がっている。各アクリルの間隔が均一だと、かえって均一に見えないなど……あり得ますよ。

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  そっか。
  最後は目で見て、自然なバランスにするってことか。

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  最終のアクリル埋め込み位置を決めたら、アクリルに合わせてカットするラインをインナーにマーキングします。


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  この段階でインナーに書いている線は、カットするラインそのものなので、細いボールペンで厳密に書きます。

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  太いペンでにじんだりすると、大変ですもんね。

全てのアクリルの形状をなぞったら……、



アクリルを取る



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  というわけで線が書けました。あとはこの線に沿って切ればOK！

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  それが、そう簡単ではないのです。

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  ムムム。

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  アクリル自体の断面も、厳密に言えばまっすぐではないんです。曲げも加えたし。

熱でインナーに沿って曲げてある



※「アクリル板のきれいな曲げ方」参照。

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  上側（表になる側）のほうが面積としては大きく、下側（インナーに当てている面）のほうが面積が小さい。

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  厳密に言うと、そういうことになりますね。

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  で、カットする線は下側の面に合わせて書いたモノなので、そのままのカットラインでは入らないのです。

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  ああ、そういえば！

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  だから厳密にはボールペンでなぞった線（ケガキ線）よりは、少し大きめに切り広げることになります。

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  ケガキ線通りだと、入らないんですね。

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  そうですね。でも、だからこそ都合がいい。ケガキ線通りに切った段階で、スコーンっとアクリルが抜けてしまう心配はない。

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  なるほどね〜。