アクリルヘッドライト加工方法(第26回)
ハイフラ防止抵抗の付け方。「取り付け場所」に注意!
ハイフラ防止抵抗(キャンセラー)の取り付け方。ウインカーのLED化を考える人は、知っておくべき工程だ。ハイフラ防止抵抗は激しく発熱するので、最大の注意点は「取り付け場所」に尽きる。理想の取り付け場所はどこなのか?
ハイフラ防止抵抗(キャンセラー)とは?
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今日はハイフラ防止抵抗の「取り付け」について解説したいと思います。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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なんでしたっけソレ?
●レポーター:イルミちゃん
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ウインカーをLED化すると、LEDは消費電力が小さいせいで、車が「球切れ」と誤認します。そして、ハイフラ(※ウインカーの高速点滅)が起こる。
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ハイフラは、球切れを知らせるための合図ですね。
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本来はそうです。でもこの場合は、LEDの消費電力の低さが原因なので、消費電力の帳尻を合わせるために、ハイフラ防止抵抗(キャンセラー)を付けます。
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ハイフラ防止抵抗は、要するに「わざと電気を消費させて、電球が付いているかのように見せかける」という発想のものです。
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エコじゃないけど、仕方ない。
ハイフラ防止抵抗
ハイフラ防止抵抗の付け方
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今回のヘッドライト加工でも流れるウインカーを作ったから、ハイフラ防止抵抗を付けないといけないんだ。
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そうなんですよ。どれがウインカー線か分かった段階で、ハイフラ防止抵抗も付けられます。
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ハイフラ防止抵抗は、ウインカー線に付けるんですね。
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片側はウインカープラス線に、反対側はマイナス線に付けます(あるいはボディアースでもOK)
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ウインカーのプラス線とマイナス線の途中に、並列に割り込ませます。電球を付け足すようなイメージですね。
ウインカー線を調べるのが先
ウインカー線の調べ方は、前回の「イカリングやLEDの電源は車のどこから取る?」参照。
マル囲み部分(↑)を拡大
ハイフラ防止抵抗は激しく発熱する
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問題は、ハイフラ防止抵抗の熱。電球の消費電力相当を「熱」に変えているから、もの凄く発熱するのです。
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ムムム。
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だから、ヘンなところに固定したら危険なのです。
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ヘンなところって?
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ヘッドライトやテールランプの中に入れるとか、ライト裏にペタって貼り付けるとか。
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そうすると、どうなるの?
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樹脂が溶けたり、燃えたりします。
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燃えるほど熱くなるのかぁ〜。
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一般的に、ハイフラ対策用によく使われる抵抗は、50Wの6Ωとか3Ωといった仕様のもの。そして50Wの抵抗で、温度は180度位まで上がると言われています。
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ほええ。
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分かりやすく表現すると、50Wのハンダごてを、ヘッドライトの中に入れて放置するような感じでしょうか。
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う〜ん、そりゃ溶けますね。
樹脂に付けてはダメ
車体の樹脂部分もダメ
ハイフラ防止抵抗の理想的な取り付け場所は?
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そんな危険なハイフラ防止抵抗は、どの場所に付けたらいいのでしょう?
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ヘッドライトやテールランプなどの樹脂パーツには接触しない場所で、車体の鉄板部分に取り付けるのが理想的ですね。
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鉄なら熱を逃がすからか〜。
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ヘッドライトの下などは、けっこう空間があったりするので狙い目です。
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ただし、ヘッドライトをあてがってみないと、正確な空間は分からないので、注意しましょう。
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ライト下周辺の鉄板に、ペタっと付ければいいんですね。
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ここで注意。相手が鉄板でも、ハイフラ抵抗を両面テープで貼り付けたら両面テープが溶けることになります。
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あわわ。
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知らない間に両面テープが溶けてしまい、抵抗がはがれて、思わぬ場所に接触した状態になるっていうのも恐い話です。
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じゃあどうやって固定するんだ。
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やはり一番いいのはビス留めですね。車体金属部の穴を利用して、ビス留め固定するのが理想的です。
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ネジだけだと受けがないから、反対側から受けとなるナットを付けて、固定します。
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車体側の、小さな穴を利用しているんですね。
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穴サイズが合わないときは、ワッシャーを使えば、ちょっと大きめの穴にも固定できますよ。
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いずれにしても、抵抗側のネジの径は決まっているので、車体側で合わせるように工夫するしかありませんね。
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なるほど、なるほど。
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あるいは、車体に直付けではなくても、ステーを使うという手もあります。
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抵抗のネジ位置は決まってしまっている。そのままだと車体に付けにくいケースがありますが、ステーにはいろいろな種類がある。車体側のネジ位置に合うステーを探して、付ければいいのです。
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なるほどね〜。
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ステーに対しては、ネジ留めでもいいし、針金を使ってハイフラ抵抗を巻き付ける、という方法なども取れます。
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とにかく両面テープは使わず、金属製パーツのみで固定する方法を考えましょう〜。
あてがって様子を見る
まずステーを車体にネジ留めする
この記事の実践アドバイザー
球屋・田中宏信サン。森田研究員に輪をかけたドM。働き者。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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