アクリルヘッドライト加工方法(第19回)
シーケンシャルウインカー(純正風の流れるウインカー)の作り方╱回路の作成方法
シーケンシャルウインカー(ウインカー)自作の山場・流れるウインカー回路のきほん。作例は1ブロック=1LEDのシンプルなパターンだ。スペースや使用するリレーユニットによって、何ブロック流しが可能かは変わってくるが、十分参考になる。
流れるウインカー回路のきほん
何ブロック流しにするか?
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前回は、LEDを横並びに6個配置するところまで説明しました。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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この6個のLEDを、流れるように点灯させるんですね〜。
●レポーター:イルミちゃん
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そうですね。6ブロックで流す、ということです。今回は1ブロック=1LEDという単純なパターンです。
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そういえば、全部で6個ってシンプルですよね。
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通常なら1ブロックあたりのLED数をもっと増やせますが、今回は純正リフレクターを生かしながら作るので1発ずつしか光源を仕込めません。
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ブロック数も、今回はLEDが6個なんで6ブロックですが、スペース的な制限がないならもっと増やせます。
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何ブロックまで流せるんですか?
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それは使用する流れるウインカーリレーユニットによって、変わりますよね。
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今回のは、10ブロックまで流せます。
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てことは、LEDが10個あれば、もっとなめらかにタララララ〜って流せるんだ。
今回は、86前期のポジションランプ用リフレクターを活用しているので、もともとの純正LED光源の数に合わせて作っている。
今回使うのはコレ
球屋の「純正シーケンシャルパターン 内蔵型流れるウインカーユニット」。球屋の通販サイトで単体販売している。
ウインカースペースに合わせて考える
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仮に、横に長いスペースに基板を仕込んで作るとしたら、10ブロックで流すことを考えますよね。
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上は30アルファードの作成例(↑)。下はその基板(↓)。パワーLEDを10個並べました。
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なるほど。
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ただ、今回の86前期ヘッドライトは純正リフレクターを利用するために、純正LEDの数に合わせているので……、
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純正と同数の、6個までしか仕込めませんね。
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でも6個でも、流れている感は十分出ますよ。
ブロック分けした回路の作り方
LEDのハンダ付け作業
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流れるウインカー回路を説明する前に、まずは6個のLEDを基板にハンダ付けします。
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今回使っているのは、4本足のフラックスLEDです。
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コツとして、まずは1本足だけハンダ付けします。
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一気に4本足をハンダ付けしてしまうと、足の出幅がバラバラになって、LEDの向きが傾いたりします。
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砲弾型LEDを付けるときと、同じなんですね〜。
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まず1本足だけ付けた状態(↓)。例えばこんなカンジですね。
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そこで、LEDを押さえながら、1本足のハンダを溶かせば、まっすぐの向きになります。
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1本目の足でビシっと真っ直ぐハンダ付けできれば、あとの3本はただハンダ付けするだけでいいですね。
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残りの3本足×6LEDのハンダ付けをします。
一番右が、ナナメを向いている。
抵抗を付ける
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次に抵抗を付けますが、今回はLED1個ずつに抵抗を付けていきます。
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普通なら赤やアンバーは、LED4〜5個に抵抗1個とかですけど……、
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それは複数のLEDを直列に並べる場合の付け方ですよね。今回はLED1個ずつ独立させた回路を組むので……
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ところで今回は抵抗を、LEDのプラス側に付けています(※作成の都合で、マイナス側でも問題ない)
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フムフム。
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流れるウインカー用の回路を作るときは、プラス側はぜんぶ合流させるんですね。だから抵抗の足を合流させます。
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抵抗を付け終わった時点で、プラス側の合流もできました〜。
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合流回路の作りは、ケースバイケースですが、できるだけシンプルに作ることを考えながらやります。
LED1個に対して、抵抗1個を付ける
整流ダイオードを付ける
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最後に整流ダイオードを付けます。
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今回は、プラス側の合流回路上に付けるんですね。
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これは向きに注意しましょう。プラス側に付けるときは、カソードマークがLED側になるように付けます。
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事前に足をクランク状に曲げて、本体部分を浮かせるようにハンダ付けしています。
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これで、カソードマークと反対側が、全てのLEDの電気の入り口となるわけですね。
マイナス側は合流させない
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今回は1ブロック=1LEDというシンプル構成。マイナス側は、合流させる作業はありません。
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へー。流れるウインカー回路といっても……なんか意外とシンプルですね。
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もしも1ブロックあたり2個のLEDなら、その2個のマイナスは合流させますけどね。
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今回はその作業はいらないんだ。
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そうです。
だからLED基板はこれで完成です。
この記事の実践アドバイザー
球屋・田中宏信サン。森田研究員に輪をかけたドM。働き者。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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