アクリルヘッドライト加工方法（第17回）

イカリングヘッドライト自作方法（アクリル編）

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イカリングを自作でヘッドライトに投入する方法。イカリングは真円にキレイに面発光するアクリル製。まずはサイズを決めるのだが、実測で調べる必要があるので、殻割りが必須となる。プロショップのワンオフレベルが、DIYでも叶うやり方だ。

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  前回、アクリル製イカリング（球屋のSEリング）の特長について解説しましたが、今回からは、いよいよ具体的な取り付け方法です。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  まずはイカリングのサイズの決め方。これは実測で調べるので、ヘッドライトの殻割りが先になります。

  ●アドバイザー：球屋 森田研究員

まずは殻割りが先


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  ヘッドライトの殻割り方法は、以下の別記事（↓）で詳しく解説しているので、参照してください。

殻割りのやり方｜参照記事

✔ 「ヘッドライトを殻割りする前に知っておくべきこと」参照。
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✔ 「ヘッドライトの殻割り方法／序盤のコツ」参照。
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✔ 「熱では殻割りできないヘッドライト・テールの開け方」参照。

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  ヘッドライトの殻割りができたら、インナー形状を見ながらイカリングサイズを検討します。

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  今回の取り付けモデル車は、アクリルヘッドライト加工の流れで、引き続きトヨタ86（ハチロク）です。

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  まず、イカリングの取り付け位置を考えてみましょう。それによってサイズが変わってくるので。

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  取り付け位置？
  プロジェクターの外側……でしょう？


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  そうなんですけど、てっぺん（頂上付近）に付けるのと、少し奥まったところに付けるのでは、寸法（直径）が違いますよね。

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  ああ、そういう話ですね。

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  ちなみに、インナーの形状にもよりますが、球屋で取り付ける時、先端部分に付ける場合は、インナーを切り込む（削り込む）ことが多いですね。

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  ポン付けでは無理？

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  インナーを削らずにそのまま付けていいケースと、そのままだとちょっと見た目のバランスが悪い時があるのです。

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  ケースバイケースってことか。

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  そうなんです。ただ、今回の86のインナー形状なら、切らなくてもいけそうです。

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  それはなぜですか？

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  インナー形状が彫り込み型になっていて、その内壁部分にサイズの合うイカリングを入れられそうだからです。



少し奥まったところにセットできる、86の取り付け例。

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  なるほど。
  こういう条件は、車種ごとに違いますね。

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  次に、リングの径を調べるために、インナーの穴の直径を調べます。


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  例えば一番外側の直径で測ってみると、100ミリあるんですけど……、

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  フムフム。
  ならば、100ミリのイカリング？

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  でも、ここに100ミリサイズのイカリングを付けるとすると、このフチ（頂点）に付けることになりますよね。

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  フチの直径と同じだから……トップに載っかる感じですよね。

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  となると、インナートップ部分を削り込まないといけなくなります。

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  フムフム。
  でも、付くんでしょ？

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  削れば付くんですけど、この場合は、それをやると内壁のメッキを全部失うことになってしまいます。

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  ムムム……。

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  それが丸見えになってしまう場所なので、そういう付け方をするよりは、イカリングのサイズを少し抑えたほうが、見た目はいい。

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  そっか。少し小さくして、奥まった位置に取り付けすればいいのか。

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  そうなんです。……とすると、ひとまわり小さい90ミリサイズあたりが妥当かなと。

90ミリサイズの市販のイカリングを付けてみた


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  「内側の奥まった位置に付ける」とは、こういう付け方（↑）のことです。できる場合とできない場合がありますけど。

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  う〜ん。
  いいトコですね〜。

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  と、このようにして「外径で90Φにしよう」などと決まるんですね。

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  なるほどね〜。サイズを決めて、ようやくアクリルイカリング（SEリング）が注文できるんだ。

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  流れとしてはそうなりますね。イカリングのサイズは、実測で測らないとダメなので。

アクリルイカリング（SEリング）は球屋通販SHOPで購入できる



自作応援プロジェクトTAMAYA通販ショップ

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  まずはリング自体の組み立てからです。

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  球屋のSEリングは、透明アクリル（光る部分）と、乳白色アクリル（ベース部分）と、黒またはメッキのガイド（外側と内側のわく部分）に分かれています。


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  SEリングのキットには、アクリル専用の接着剤が付属しているので、まずは一番下の土台となる乳白色アクリルに、接着剤を塗布します。

つまようじなどを使って……



接着剤を塗り伸ばす


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  そして、乳白色アクリルの上に、ガイド（枠）の外側を載せる。


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  市販品のSEリングの場合は、両者の外径は一致しているので、一番外側がツラになるように重ねればOK。

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  けっこう緊張するなぁ。
  ズレたらマズイですもんね。

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  いや、アクリル用接着剤は硬化に時間がかかる。最終的に微調整できるので、この段階では厳密な位置に載っていなくても問題はないです。

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  ほっ。

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  次は導光板（実際に光るアクリル）となる透明アクリルを載せます。



外側ガイドの内周に、一致するように出来ている。

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  最後に、透明アクリルの内側にもう1本、ガイド（枠）を入れます。


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  あの〜。
  ところで紙が付いたままになってますけど？

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  これはまだ剥がしません。傷ついたり汚れたりするので、剥がす作業は最後にするのがポイント。

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  そっか〜。

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  ここで重要なのは、ハミ出した接着剤は、綿棒を使ってキレイに拭き取っておくこと。


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  ハミ出しを放置すると、見栄えに影響が出ますので。

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  付けすぎてしまっても、拭き取ればいい？

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  そういうことです。多めに塗布してしまってもこの段階で修正が効きますよね。

アクリルの組み立てが終わった


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  これは余談ですが、通常の市販品のSEリングは、乳白色アクリルと、外側ガイド（黒またはメッキ）が同じサイズになってます。

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  だから、枠と乳白色アクリルがピッタリ重なるわけですね。

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  そうなんですが、球屋がワンオフ加工でイカリングを付けるときは、乳白色アクリルを少し小さめにすることが多いです。

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  それはなぜ？

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  今回のケースもそうなんですが、そのほうが、より自然に見せられるからです。もしも、同じように乳白色アクリルを小さくしたい、という人がいれば、そういう細かいオーダーも対応は可能ですよ。

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  全部が接着できたら、乳白色アクリルの裏面（底面）を、シリコンオフやパーツクリーナー等で脱脂します。


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  これはLEDリングを貼り付ける前準備。脱脂しないと、粘着力が弱まってしまいます。

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  LEDリングの貼り付けも、アクリル用接着剤で？

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  そうなんですけど、その前に点灯チェックしておくことが重要です。

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  LEDを貼る前に？

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  そうです。この時点で光り方にムラがあったりしたら、接着剤がキレイに塗れていない、ということなので今のうちに調べたいんです。

とりあえず裏から光源を当てて……



光らせた状態で確認する


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  この段階なら、いったん接着剤を除去して、貼り付け直すこともできるので。

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  取ることはできるんだ？

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  まだ硬化してませんからね。綿棒で取れるだけ取って、パーツクリーナーで拭けば完全除去も可能です。

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  問題なければ、本番の貼り付けへ。

アクリル用接着剤をつまようじに取り…



乳白色アクリルの裏面に塗布する



乳白色アクリルの中央付近を狙って、LEDリングを貼り付ける



両者の径の関係で、ど真ん中にLEDが来るとは限らない。「ほぼ中央」でOK。

ハミ出た接着剤は、綿棒でキレイに拭き取る


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  硬化するのはゆっくり。この段階で1日ほど放置して、完全に乾燥させてから車体に取り付けるのがよいです。

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  ヘッドライトに付けるのは次の日か。……ということで翌日の工程にジャンプ。「LEDイカリングの配線隠し術と、固定方法」に続く。