電装DIYの知識
エーモンリレーの種類と選び方。いろいろあるけれど、売れているのはどのリレー?
2023年に登場した最新モデルも含めたエーモンリレーの選び方。リレーにも、いろいろな種類があることはわかる。しかし「違いは何か」「どうやって選ぶのか」については、よくわからないまま……という人も多い。そこでリレーの選び方を理解するため、車業界で定番的に使われているエーモンリレーの売れ筋を聞いてみた。
現行のエーモンリレーは全部で5種類
-
車業界で定番的に使われている、エーモンリレー。その種類と選び方について。
●レポーター:イルミちゃん
-
エーモンリレーのラインナップは以前とは少し変わっています。生産終了になったモデルもあれば、2023年に登場したモデルもあるので、現行ラインナップでの選び方を解説します。
-
現状だと、エーモンリレーは何種類あるのでしょうか?
-
全5種類ですね。以前よりはラインナップをスッキリ整理させています。
-
エーモンのリレーは大きく分けると1a接点リレーと1c接点リレーに分かれます。
-
1a接点リレーは車業界的には通称「4極リレー」と呼ばれるタイプで、1c接点リレーは「5極リレー」と呼ばれています。ここでは車業界に馴染みのある表現で呼びます。
-
つまりエーモンリレーはタイプは2種類だけど、ラインナップとしては5種類あると。
-
そういうことですね。
-
ここからはもう少し細かい違いを見ていきましょう。
エーモンリレーのラインナップ | |
---|---|
名称(品番) | タイプ |
リレー(3525) | 1a接点(4極リレー) |
リレー(3236) | 1a接点(4極リレー) |
リレー 24V(3240) | 1a接点(4極リレー) |
コンパクトリレー(3234) | 1c接点(5極リレー) |
リレー(3237) | 1c接点(5極リレー) |
✔ リレーの接点構成は、さらに細かくは「1a」「2a」「4a」「1b」「1c」「2c」「3c」「4c」……など多数の種類が存在するが、車業界で使われているものは限られるので、そこまでは知らなくても問題ない。
※汎用的なリレーの種類と違いについて勉強したい人は、「リレーの〈a接点〉〈b接点〉〈c接点〉の違い」参照。
エーモンの4極リレーの種類と、その違い
-
まずは4極リレー(1a接点)の選び方から。
-
なお4極リレーって何? という人は、「リレーとは? 〈使い方〉と〈回路のしくみ〉を初心者向きに解説」から読むのがオススメ。
-
エーモンリレーで一番スタンダードなモデルが、これです(↓)
-
そして同じ4極リレーで、「3236」という品番のモデルもあります。
-
どっちも4極リレーなんですよね。
どう違うんでしょう? -
アンペア数(使用可能電流)の違いです。「3235」は20アンペアまでなんですが、「3236」は30アンペアまで対応できます。
-
あー。
そういう違いか。 -
まあ、バッ直用途で使うにしても、普通には20アンペアもあれば十分だと思いますが。
-
なるほど、なるほど。
-
しかしリレーを使うということは、大容量の電装品を付けようとしている状況も多いと思われますので、注意は必要です。
-
他にもうひとつ、4極リレーがありましたね。
-
24V車に対応しているのが「3240」です。これは24V車専用リレーで、2023年モデル。容量は10アンペアとなっています。
-
24V車用リレーは、ちょっと特殊例ですよね。
-
そうですね。普通の12V車では使用不可ですので。
-
……と言うことは、普通の車で使うぶんには「3235」のリレーでいいのかな、という気がしますが…。
-
ハイ。実際、エーモン全リレー中で一番人気があるのは、最初に登場した「3235」なんですよ。
詳細はAmazonのエーモン 1a接点(4極)リレー(3235)
詳細はAmazonのエーモン 1a接点(4極)リレー(3236)
詳細はAmazonのエーモン 4極リレー 24V車専用(3240)
エーモン5極リレーの種類と、その違い
-
次は5極リレー(1c接点)です。
-
4極リレーとの違いは、「5極リレーの使い方 初心者向き解説」を見てください。
-
こちらが、スタンダードなエーモンの5極リレー。容量は30アンペアです。
-
そして構造的には同じ5極リレーなんですが、ボディを小さくしたのがコンパクトリレーです。
-
小さくなったのがメリットですが、その代わり、使用可能電流が10アンペアに制限されます。
-
このコンパクトリレーは、車業界ではプロも含めてかなり広く使われているイメージがありますね。
詳細はAmazonのエーモン 5極リレー(3237)
詳細はAmazonのエーモン コンパクトリレー5極(3234)
エーモンリレー、売れているのはどれなのか?
-
いろいろ出てきましたが、けっきょく人気があるのはどれなんでしょうか?
-
12V車用のリレーで単純に売れている順……ということであれば、下のような順番になっています。
-
4極も5極も、アンペア数は一番少ないタイプで十分、という人が多いようです。
-
そうですね。容量が足りているのであれば、そのほうが値段も安いですから。
-
ということで車業界の定番・エーモンリレーの違いと選び方をお届けしました。
█ エーモンリレー(人気順)
タイプ | 容量 | 品番 |
---|---|---|
4極リレー | 20A | (3235) |
5極コンパクトリレー | 10A | (3234) |
4極リレー 大容量 | 30A | (3236) |
5極リレー 大容量 | 30A | (3237) |
※以前にあった「防水リレー」や「ユニット用リレー」は生産終了になっている。
リレーの使い方についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
関連記事
- リレーの使い方入門╱回路のしくみ
- 5極リレーの使い方 初心者向き解説
- リレーの「a接点」「b接点」「c接点」の違い
- 5極リレー(C接点リレー)の超小型は、車のLED加工でも重宝する
- LED加工のプロに教わる「リレーの使い方」実践編
- LEDテープの電源を、リレーを使ってバッテリー直結で取るには?
- ACC電源のバッ直方法。リレー付きのバッ直ケーブルの仕組み
- デイライトをスモール連動で「消灯」させるリレー配線方法
- リレーのコイルにつながる配線には、何アンペアのヒューズが必要?
- 一瞬の電気(パルス)でも、接点を保持できるリレーはないの?
- リレーとスイッチを組み合わせて使う場合の注意点
- リレーの使い方(応用編)╱5極リレーを2個使う方法
- リレーから「ジー音」がする、チャタリングの原因と対応策
- リレーの仕組み。有接点リレーと無接点リレーの違い
- デイライトをスモール(ポジション)連動で「減光」させる方法
- ホーン取り付け時のリレー配線とはなにか?
- 社外ホーンの電源取り出しは、バッ直(バッテリー直)が安心
- バッ直とは何か? 初心者向き「バッ直電源取り出し」入門
- バッ直のやり方(バッテリー直の電源取り出し方法)
- 汎用リレーの端子への配線方法