電源取り出しコラム
ポジションランプからの電源取り出しは、何アンペア位までに押さえるべきか?
ポジションランプ(スモールランプ)の配線からの電源取り出しの話。スモール連動は、DIYでもニーズが高い電源取り出し先だ。そして気になるのはやはり「何アンペア取り出していいのか?」。まずはポジションランプの消費電力から逆算してみよう。
ポジションランプの消費電力から逆算してみる
ポジションランプ(スモールランプ)の配線から、LEDなどの電源を取るのは、DIYで定番的に行われる手法ですが……
DIYラボ レポーター:イルミちゃん
ココから無限に電源を取れるわけではないので、どの程度までなら大丈夫なのか、目安の解説をします
アドバイザー:DIYライフ 藤本研究員
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それってけっこう重要な話ですよね。でも、あまりそんなこと考えず、電源を取る人が多いような気がする……。
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まず、ポジションランプの消費電力ですが、ほとんどは5Wの電球が使われています。高くても8W程度。
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消費電力的には、それほど大きな電球ではありませんよね。車幅灯なだけに。
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そうですね。で、消費電力が分かると、純正ポジションランプに流れるアンペア(電流)は計算できます。
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どうやるんですかソレ?
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簡単ですよ。消費電力÷電圧=電流ですから。
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は? それのどこが簡単だと言うのですか!!
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まあまあ。難しいリクツはさておいて。車の電圧は12Vなので(トラックは24V)、5Wを12Vで割り算すればいいのです。
これ(↓)で、ポジションランプのアンペアが出ます
アンペア数の計算方法
消費電力÷電圧=電流(アンペア)
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ということになります。
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フムフム、ランプの消費電力を、12で割り算するだけなら簡単かな。
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そうですよ。車は電圧が12Vと分かっているから、簡単なんですよ。
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ひとまず、流れている電流の量は分かりました。
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で、そこから何アンペア位取り出していいのか。これは車種ごとの回路設計にもよるので一概には言えないものの、実際に流れている電気の量の3倍程度までは、問題なく流せると想定できます。
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純正配線のマージンの話は、前回のヒューズからの電源取り出しでも出てましたね。
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この考え方でいくと、1アンペア程度の電源を取っても、全然問題はないのは分かりますよね。実際的なところで言えば、2アンペア程度までは問題ないと思います。
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なるほど、なるほど。
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ただ、取り出し電源量が3アンペア近くにもなると、ポジションランプのヒューズが飛ぶといったリスクが出てきますね。
ヒューズから逆算するのは、意外と難しい?
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ヒューズと言えば、ポジションランプのヒューズのアンペア数が分かれば、取り出せる余力が分かるんじゃないでしょうか?
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ポジションランプは、だいたい独立してポジションランプ専用のヒューズが入っているケースが多いとは思います。
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それって何アンペア位のヒューズ?
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ヒューズに関しては取り扱い説明書に必ず記載があるので、確認してみましょう。
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確認して、もし5Wのポジションランプ(0.41アンペア)に対して、5アンペアのヒューズが入っていたら……4アンペア位、取り出してもいいってことですね♪
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……という単純計算は、危険ですね。
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え?
それはなぜ? -
まず、ポジションランプのヒューズは左右の兼用になっているのは普通ですし、あるいは前後で兼用になっている場合もあります。
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あ、そっか。ランプ1個分で計算していたらダメですね〜。
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外車では、左右で回路が分かれていて別ヒューズ……でも前後が共通、などというケースもあります。
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なんか、ややこしいな。
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そうなんですよ。ヒューズのアンペア数が確認できたとしても、残り何アンペア位の余力があるのかって、意外と判断ができにくい面があります。
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フーム。
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さらに、もっと他の電装品と兼用ヒューズになっている場合もあります。そうなると、いよいよ分かりにくい。
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説明書やヒューズボックスフタなどの表記の仕方を見ても、そもそも、どれが該当ヒューズなのか分からないケースもあります。
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それはつまり、兼用ヒューズってことなんでしょうね。
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そうですね。単独ヒューズが入っていて、明確に「左右のポジションランプで5アンペア」などと記載がされていれば、何アンペア位取り出した時点でヒューズが切れそうなのか、目安が分かりますね。
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まずは一回、車の説明書を確認してみましょう♪
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自分の車のヒューズの解説ページは、一回見てみると、いろいろ発見があって、なかなか面白いですよ。
3アンペア以上欲しいならバッテリーから直接取るべき
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ポジションランプからの電源取り出しは、2アンペア程度までが目安なんですね。でも、3アンペア以上電気が欲しいときには困ります。その場合はどうしたらいい?
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そのときはもう、バッテリーから直接取ることを考えたほうがいいですね。
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え、バッテリー!?
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そうですよ。大電流が欲しいときは、それが一番安全確実です。
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あのぉ、藤本研究員。みんながポジションランプから電源を取る目的のひとつは、「スモール連動の電源が欲しいから」でしょう。バッテリーから取った電源って……、
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常時電源ですよね。
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LEDなら光りっぱなしになって、それこそバッテリーが上がってしまうじゃないですか!?
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そうならないように、バッテリーから直接電源を取りつつも、ポジションランプに連動させるんですよ。
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なにソレ? そんなことできるなら、最初からそうすればいいのでは?
イルミ電源は配線から取り出すのが定番だが、中にはヒューズから取り出せる車もある。そのあたりの事情はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:藤本壮啓
某カー用品メーカーに長年勤務し、車業界にDIYを広めた伝説の広報マン。現在は独立して、DIY用品を扱うセレクトショップ「DIYライフ」を設立。単なる製品の宣伝トークではない、DIYユーザー側に立ったアドバイスが持ち味。通称「フジモン」。
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