蛇腹への配線通し方法。バックドア編
純正配線の通り道「蛇腹」。後付け電装品の配線の通り道としても活用されているが、スペースが狭くて、配線を通しにくいのがネック。そこでバックドアの蛇腹への配線の通し方を、プロのコツをまじえて解説する。
蛇腹を通して、配線を室内に引き込む
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今日は蛇腹への配線の通し方について解説しておきます。この作業、ときどき出てくるので。
●アドバイザー：球屋 森田研究員
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蛇腹（ジャバラ）？
●レポーター：イルミちゃん
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ドアから室内に配線を引き込むときに、配線の通り道になる部分に、蛇腹が使われています。
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蛇腹はフロントドアやリアドアにも使われていますが、ここではバックドア（リアハッチ）を例に、通し方を解説します。
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このゴムの中に、後付けの配線を通すんですね〜。
バックドアの場合
純正配線の通り道になっている蛇腹。モデル車は2つある。
バックドアの蛇腹に配線を通す方法
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用意する工具は、配線通し（配線ガイド）です。
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配線作業の定番アイテムですね。
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まずは蛇腹を引っ張って、車体の鉄板穴から抜きます。溝が鉄板のフチにハマっているだけなので、ひねりながら引っ張ればすぐ抜けます。
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配線を「上から通すか、下から通すか」は、基本的にやりやすい方向からでいいです。利き腕にもよると思うので。
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フムフム。
今回は上からが、やりやすそうです。 -
それと、これは車体の状況にもよりますが、今回のように蛇腹のすぐ先に穴が開いている場合（↓）
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わりと多いパターンと思いますが、この場合、「蛇腹から鉄板穴まで」は、後からでもカンタンに配線が通せることになります。
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蛇腹さえ通ってしまえば、あとはどうにでもなる。
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ハイ。こういう場合は、いきなり蛇腹に通しにいって大丈夫です。
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ちょ、ちょっと待った！
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何か？
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なんか今、アッサリと通しましたけど……コツは？ 狭くて通しにくいイメージがありますが。
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基本的にはスキマはあるので、狭くても通ります。あとはもう、感覚的な問題になってくる。
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……はあ。
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「あ〜、通っていってるなー」……っていう。
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それが感覚で分かるもの？
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僕らの工夫としては、分かりやすいように配線通しの先端を加工して尖らせているんですよ。
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あー！ こんな細工があったんですね。だからアッサリ通った……
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しかし、この細工は「尖らせて突き進む」という意味ではありませんよ。それをやったら、穴を開けてしまったり、配線を傷付ける可能性がある。
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じゃあ、なぜ尖らせるの？
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こうしておくと、蛇腹の中を通過させている最中に、ゴムがチクっと張るので、指に伝わる感触で「先端」がどこにいるかが分かりやすいのです。
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ほぉ。
そういうことかぁ。 -
これは突き刺すための加工ではありませんよ。刺したらダメです。
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蛇腹に穴を開けたら大変なので、初心者にオススメとは言えませんが、意味が分かって慎重にやるぶんには……ナルホドな手段です。
クイ！
カポ！
上下とも抜けて、浮いた状態
蛇腹のすぐ上の鉄板に、サービスホールがあった。
反対側から配線通しが出てきた
この配線ガイドをベースに加工した
この時、実は左指で感触を見ながら進んでいた
蛇腹内に配線を1発で通すコツ
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というわけで、配線通し（配線ガイド）は蛇腹を通過しました。
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次は配線の出番ですね。
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配線通しの輪っかになった針金に、配線をくくりつけるんですが、僕らのやり方だと、このとき配線コードの被覆をむいてしまいます。
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これも、コツなのでしょうか？
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ありがちな例として、配線をくくりつけただけで引っ張って、途中で抜けてしまったりするでしょう？
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配線ガイドだけ、スポンっといってしまうパターンですね。
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そうなると、また最初からやり直しですよね。その手間を考えたら、先に被覆を長めにむいてクルクル巻き付けるのは、手間でもなんでもない。
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こうやってしっかり付けていれば、蛇腹通過中に、配線だけスポンと抜けることはありません。
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実にアッサリと、配線を通してしまいました！
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無駄な手間を発生させないために、ちょっとの手間を惜しまない。それがプロが現場でやっているコツのようです。
被覆を長めに剥いてある
これなら抜けない！
シュルルー
蛇腹はしっかり押し込まないと水が入る
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配線を通し終わったら、蛇腹を付け直しておきましょう。
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このときに要注意なのは、「なんとなく戻す」ではダメだということです。
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こんな状態だと、当然ですがここから水が入ることになります。
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天井裏に水が入っていったら……大惨事ですね。
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そうです。このパッキンにはミゾがついていて、ミゾにボディの鉄板のフチがハマるようになっている。そこまでパチっと入れることが重要です。
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ミゾが鉄板にハマるところまでいっていないと、水が入る可能性があるので要注意ですよ。
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蛇腹への配線通しのやり方を、プロのコツをまじえて解説しました。作業時、きっと役に立つ♫
NGパターン
DIY Laboアドバイザー：森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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