バックカメラ後付け入門ガイド(第6回)
バックカメラとフロントカメラを両方とも後付けするなら、キモはセレクター
バックカメラ&フロントカメラを後付けする方法。なお社外ナビは、入力端子が1つしかないことが多く、前後カメラの両方をつなぐために「セレクター」を使う。このセレクターの使い勝手が重要なので、ここでわかりやすく解説する。
バックカメラもいいけれど、フロントカメラも面白い
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今回はバックカメラ連載の、スピンオフ記事です。
●レポーター:イルミちゃん
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車に後付けできるカメラは、バックカメラ(リアカメラ)だけではありませんので。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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そこで!
今日のテーマは…… -
フロントカメラです。
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車の前にもカメラを付けるって、どのような意味があるのでしょう?
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見通しの悪い交差点で、車のアタマをチョイ出しした状態で、左右から来る車や自転車を画面に映せる、というものです。
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あー、なるほどね。
狭い住宅街の路地とか便利そう。 -
そうなんですよ。フロントカメラはまだほとんど認知されていませんが、安全性という意味では効果が大きいです。
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確かに。
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純正ではフロントカメラやサイドカメラが付いている車もあるし、使っている人も多いと思います。
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大きいミニバンとかですね〜。
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フロントカメラの歴史は意外と古くて、10系アルファードなどの世代で、すでに「ブラインドコーナーモニター」というのが付いていました。
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なるほど。そして、そういうフロントカメラも、後付けができる。
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そうです。バックカメラだけでなくフロントカメラも、ビートソニックでは力を入れて開発しています。
ビートソニック・カメレオンMiniシリーズのフロントカメラ(BCAM11)
フロントカメラは魚眼レンズが威力を発揮する
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フロントカメラって、バックカメラとは別に専用カメラがあるんですね〜。
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ハイ。フロントカメラも画質はもちろんのこと、取り付け性にこだわっていますよ。
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バックカメラ取り付けは、ナンバープレートボルトを上手く利用しましたが……
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フロントカメラは、グリルのルーバーに挟み込んで固定する仕組みにしました。
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これなら、DIYでもカンタンに付けられそうです。
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フロントカメラも穴開け不要で取り付けられる、というのがポイントですね。
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なるほど、なるほど。
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例えばナンバープレートの下あたりに付けると、人間の立ち目線からは、ほとんどカメラが見えない。目立ちませんよ。
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バックカメラと同様のコダワリですね。
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当然ながら防水仕様(IP67)ですし、2017年3月31日以降の外部突起規制にも対応しています。保安基準上も、問題ありません。
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へぇ〜。
いろいろな意味でフロント専用設計なんですね〜。 -
あと、以前バックカメラの選び方では、標準レンズと魚眼レンズには一長一短あることを説明しましたよね。
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魚眼レンズのほうが見える範囲は広いけれど、距離感は標準レンズ(通常の広角レンズ)が見やすいんですよね。
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ハイ。で、フロントカメラを付けるなら、魚眼タイプのほうがいいです。魚眼タイプのレンズは180度の視野角を持っているので、左右どちらからくる車も映せます。
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1個のカメラで、右から来る車も、左から来る車も映せるってことか〜。
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そうなんですよ。だから、魚眼レンズを採用しているんですね。
フロントカメラの配線をグリル裏へ通す
バーに挟み込んで固定
固定完了!
フロント&バックカメラの映像切り替えは、セレクターを使う
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ところで、社外ナビ(市販ナビ)だと、バックカメラ用の入力端子しかないケースがほとんどです。
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あれ!?
そうなると、フロントカメラはどこに付けるの? -
そういう場面で使うのが、カメラセレクターなんですよ。ビートソニックがキモ入りで開発してきました!
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なんですか、ソレ?
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バックカメラとフロントカメラの、映像切り替えのためのユニットですね。
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ナビの入力が1つしかなくても、フロントカメラとバックカメラの両方をつなぐことができます。
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へぇ〜!
こんなのまであるのか〜。 -
これはかなり自信作でして、現行モデルの「CS1A」はかなり使い勝手が向上しています。
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ほほう。
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というのも、こういう映像切り替えセレクターは、単に切り替えるだけでなく、実際の使い勝手がかなり重要になるアイテムなんですね
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単にボタンで切り替える……という話ではなくて?
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それだけではありません。まず、シフトをバックに入れたらバックカメラ映像に切り替えるのは当然ですが、車速にも連動。走り始めと停止寸前では、フロントカメラの映像を映します。
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交差点で徐行したら、自動的にフロントカメラになるってこと!?
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そうなんです。速度が上がると、自動でナビ画面に戻るという具合ですね。
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なんか便利そう♪
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手動スイッチを押して切り替えもできるし、その場合は、フロントカメラ映像を表示する時間なども選択できます。
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設定時間を過ぎたら勝手にナビに戻る。……なるほど〜。
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CS1Aはかなり奥の深いアイテムでして、詳しく話すとかなり長くなるんですけどね……
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バックカメラ後付け連載だったんですが、こうなるとなんだかフロントカメラも付けたくなってきますね〜♪
ビートソニックのカメラセレクター(CS1A)
バックカメラよりはフロントカメラのほうが取り付け難易度高め!?
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バックカメラは車の後ろに付けるから、配線をフロント(ナビ裏)まで持ってくるのが大変でしたが……その点、フロントはラクそうですね。
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う〜ん、でも取り付け難易度という点では、フロントのほうが大変ですね。残念ながら。
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え?
それはなぜ? -
バックカメラは、まだ車内に配線を引き込みやすいからです。フロントカメラに関しては、大半の車がフロントにエンジンがあるため、取り回しが難しい。
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あ。
エンジンルームを通るからか。 -
オルタネーターの近くなどを通したら、ほぼ100%ノイズがのりますしね。
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そっか。
いろいろ注意点がありそうですね。 -
フロントカメラだけではなく、バックカメラ取り付けについてもノイズの問題はかかわってきます。
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それは何とかしたい! 次は、バックカメラのノイズトラブルがテーマですね。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000
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