電装DIYの知識
バックドア(リアハッチ)内装パネルの外し方
バックドア(リアハッチ)の内装パネルの外し方をプロに取材。勢いあまって内張りに傷を付けてしまうこともあり得る作業なので、コツを押さえておこう。モデル車は30系ヴェルファイア(アルファード)だが、他車種でも参考になる。
コツを知らずにやると内装パネルに傷が付く
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今日は前回の記事(※)で紹介した、ブレーキ4灯化キットの取り付けを教わる予定でしたが……、
※「LEDテールランプのブレーキ4灯化(全灯化)とは何か?」参照。
●レポーター:イルミちゃん
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その前に、バックドア(リアハッチ)の内装パネルの外し方を、丁寧に解説しておこうと思います。
●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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ブレーキ4灯化キットは、バックドアの内張りを外して付けるのか。
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そうです。製品自体はカプラーオン装着なので、バックドアの内張りさえ外せれば簡単なのですが……、
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ムム。
バックドアの内張り……外したことあったかな? -
バックドアのパネルを外したことがない人は、ヘンなやり方をすると傷を付けてしまうこともあるので、注意が必要です。
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「カプラーオンで取り付け簡単!」と宣伝文句を言うのは簡単ですが、内張り傷付けたらなんにもなりませんね〜。
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そう。
そうなんですよ。 -
というわけで! 30系ヴェルファイア(アルファード)をモデルに、バックドア内張りの外し方、やります。
30アルファード/ヴェルファイアの内張り外しの順番
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まずバックドアの一番高いところ(開けた状態だと車体側に最も近い部分)の、中央のパネルを外します。
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順番があるわけですね〜。
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最初は隙間がまったくない状態。指も入りませんので、内張りはがしを使って隙間を作ります。
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内張り剥がしってなに? という人は、別記事の「内張りはがしの正しい使い方」を見てくださいね〜。
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隙間に指が入ったら、あとは手で引っ張りながら外していきます。
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パネル全体を、内張りはがしでこじっていく必要はないんだ。
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そうです。あくまでも最初のきっかけ作り(指の入る隙間の確保)だけ。あとは手で引っ張ることで外します。
まずはココ
側面よりも、ダンパー根元付近のパネルを先に外す
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上部の真ん中が取れたら、次は左右の柱状のパネルを外すのですが、その前に、ダンパー根元付近の小さなパネルを外します。
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ダンパーを外すわけではなく、ダンパーからの逃げのために、ココだけパネルに切れ目があるんです。
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この小さいパネルが取れたら、側面側の長いパネルを外します。
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これも、きっかけ作りには内張りはがしを使います。
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反対側(↓)も同じように外します。
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ひとまず、バックドアの上側の内装パネルが外れたところです(↓)。
バックドアの一番大きい内装パネルを外す
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次はバックドアの一番大きいパネルを外しますが、ここはクリップ(ピン)を取らないと外れない。30アルファード╱ヴェルファイアの場合、クリップは2箇所でした。
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このピンの外し方に注目。
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まずは、ピンの真ん中を押し込みます。
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そのあと、内張りはがし等を差し込んでピンを抜きます。
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真ん中を押さずに、いくらこじっても取れませんので注意ですね。
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次は、バックドアの取っ手の部分を外します。ハッチが開いた状態で、上側になっているほうから内張りはがしをかける、のがポイントです。
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こういうこじる方向を知らないと、外れないよ〜ってグリグリやっているうちに傷が付きます。
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どの方向からこじっても取れるパネルもありますが、この部分は取っ手なので、手の力のかけ方などを考慮してあるんでしょうね〜。
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なーるほど。
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あとは、パワーバックドアのスイッチが付いている(グレードによっては目隠しパネルになっている)ので、この周囲の枠のようなパネルも外します。
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これはスイッチ自体を外すわけではなく、枠のパネルだけ取れれば、バックドアパネルの内張りが外せるようになります。
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これで全てのロックが外れたことになるので、メインの大きな内張りを外しにいきます。
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どこから攻めるんですか?
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先に側面の細いパネルを外してあるから、そこから手が入るんです。
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あー、そういうことか。じゃあ工具でこじる必要はないんですね。
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そうですね。あとは手で引っ張って、ピンの差し込み固定を解除していけば取れます。
横方向から内張りはがしをかけて浮かす
こうなればOK
パキパキパキ……
バックドアの内張りパネルが外れた!
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) http://denkul.jp/
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