ワンオフパーツの作り方実習
パテで「曲線」や「曲面」はどうやって作るのか?
パテでの曲線・曲面の作り方。パテを盛って→削って……を繰り返してデザインを作る中で、アールの出し方は重要なポイント。自由自在に造形できるパテのポテンシャルを、プロの加工者はどのように引き出しているのか。
パテを削りながら曲線を作るには?
-
「パテの使い方」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
-
ファイバーパテの工程は、最終的なデザインを決める工程でもあるので、ラインにもこだわっていきます。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
-
ワンオフ加工ですからね。
削りながら、デザインを作る。 -
そのときに必要になるが、パテを削りながら「曲線」とか「曲面」を作る方法です。
-
そういえば今回作っているのシャークアンテナにも、曲線部分は多いですよね。
-
そうなんです。例えばシャークアンテナのてっぺん部分。単にあて板とペーパーで削るだけでは、直線的に削れていってしまいます。
-
でも、この上面はもうちょっとふわっとアールを付けたいところです。デザイン的に。
-
さて。
どうやってアールを付けるか? -
例によって、まずファイバーパテを盛ります。
-
パテを盛ることで、いったん高さを出したんですね。
-
そして改めて、前のほうの傾斜、後方の傾斜をべつべつに削りながら作って……
-
最後に、真ん中の角を丸めるイメージで削ります。
-
ホー。
確かに、フワっと弧を描く曲線ラインができました! -
厚盛りできるファイバーパテだと、造形が自由自在なんですね。
-
そうなんです。
だから造形(デザイン)の段階で使うんですよ。
今回のお題はシャークアンテナ
✔ 初期段階に発泡ウレタンで作った、シャークアンテナのデザインイメージ。
天面は真っ平らな状態
前のほうをやや急角度で削る
角度をゆるめて後ろのほうを削る
ラインを丸める
パテを削りながら、逆アールの曲面を作るには?
-
次はシャークアンテナ背面。ここは、逆アールで反りを入れたいところ。
-
ふむふむ。
-
まずはファイバーパテを盛ります。
-
この場合、反りを強くするなら、上端にボリュームを持たせておくといいですね。
-
そして逆アールの曲面を作りたいときは、丸いあて板とペーパーで削っていきます。
-
真ん中を丸くえぐるような感じに削ればいいんだ。
-
シャークアンテナの側面も逆アールの曲面なので、丸い木とペーパーで削ります。
-
どんどんカタチになってきた~。
-
こうやって、ファイバーパテを盛る・削るを繰り返して、造形としてはほぼ完成形まで持っていきます。
-
でも、ファイバーパテでそこまで行けるなら、他のパテまで必要になるのはなぜ?
-
この次に使う「板金パテ」には、造形とは別の目的があるんですよ。
DIY Laboアドバイザー:本多 順
ワンオフ加工のスペシャリストだが、通常のエアロパーツ取り付けも仕上がりにとことんこだわるタイプ。超がつくキレイ好きでもあり、安心して車を預けられる。●ほんだ塗装 TEL:0564-58-5808 住所:愛知県岡崎市坂左右町堤上101-3 営業時間10:00~21:00 水曜定休
関連記事
- 発泡ウレタン講習スタート╱DIYにもおすすめの造形術をプロに学ぶ
- 発泡ウレタンの使い方╱発泡させる前に用意するアイテム
- 発泡ウレタンの使い方╱発泡させる前のコップ作りが重要
- 発泡ウレタンの使い方╱キレイに発泡させるコツ
- 発泡ウレタンの「倍率」。高い方がいい? 低い方がいい?
- 発泡ウレタンの扱い方で、失敗するパターン
- 発泡ウレタンの切り方と削り方
- 発泡ウレタンで型を作るときの、重大なコツ
- シャークアンテナをワンオフで作るメリットと、作り方のコツ
- FRPを使うときの「材料」や「道具」は何を揃えればいいの?
- FRPや発泡ウレタンを使うときの、車のマスキングのコツ(マーキングの重要性)
- FRPを車に貼るときは、下地にポリエステルテープを貼っておく
- FRPの貼り方をプロの職人に教わる
- 発泡ウレタンを「車の上」や「車の横」に接地させて発泡させる方法
- 発泡ウレタンを使った「型」の作り方
- FRPのガラスマットの貼り方
- FRPの角(カド)の貼り方。ガラスマットは直角には曲がらない
- FRPをパテ化する!? 「アエロジル」とは何者か?
- 直角の角(カド)へのFRPの貼り方。加工のプロの手法
- FRPの貼り方╱小さい&細かい部分はどう貼る?
- FRPの削り方╱どんな工具でどこまで削る?
- パテの使い方(車の加工の場合)
- 板金パテの使い方のコツ。ファイバーパテとの違いは?