発泡ウレタン講習⑥

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発泡ウレタンの扱い方で、失敗するパターン

発泡ウレタンの取り扱いの注意点を、改めて知っておこう。ここでは敢えて、失敗するやり方を実践。失敗はしたくないが、失敗から学ぶことは多い。

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  基本的な「発泡ウレタンの使い方（作り方）」（※）は勉強しましたが……

  ※「発泡ウレタンの使い方」参照。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今日はあえて、「発泡ウレタンで発泡に失敗するパターン」も試してみましょう。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  失敗するパターンって？

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  前回言った通り、2液性の発泡ウレタンを膨らませるときは、1対1の割合で混ぜることが重要です。

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  そのために、ハカリまで用意しましたからね。


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  でも「ハカリで1グラム単位まで、測る必要はないのでは？」と思う人もいるはず。

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  ……性格的に失敗するタイプの人ですよね、ソレ。

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  それでは、実験をしてみましょう。

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  まずは、主剤40に対して硬化剤を60入れてみることにします。

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  ええ～!!
  そんなに入れるの！

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  いや、ちょっと大げさにやったほうが、結果が分かりやすいかと思って。

主剤を40ミリリットル入れて……



硬化剤を60ミリリットル入れる



主剤を40ミリリットル入れたのち、ハカリをゼロにして硬化剤を60ミリリットル足した。合計は100ミリリットル。

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  そんなに硬化剤を入れたら、すぐに固まってカチカチになってしまいそうな気がしますが……


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  ……う～ん。

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  どうですか？

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  実際やってみると、そうでもないですね。

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  あり？

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  むしろ、ちゃんと固まらないっていうか……。

なぜか硬化しにくい？


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  意外な展開ですね。

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  とりあえず発泡させてみます。


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  お？
  いちおう発泡は始まりました。



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  ん？

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  発泡具合があまりよくありませんね。

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  しばらく放置してみると……。

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  けっきょく膨らみきらずに固まりましたね。硬化具合としては問題ありませんが。

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  ……ホホウ。

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  割ってみても、意外と使えそうな感じではあります。質はべつに悪くありません。


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  密度も高いし、デキは悪くないけど……

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  あれ、じゃあ、硬化剤入れすぎてもべつに問題ないってこと？

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  思ったよりは、なんとかなるみたい。

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  ちょっと位、硬化剤入れすぎてもOKのようです！……って、いいのかそんなこと言って。

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  ……でも、発泡効率がすごく悪いです。あまり膨らまなかった。

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  これって、もし配分が逆だった違う結果になるのかな？

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  次は主剤60に対して、硬化剤40の割合で混ぜてみます。

主剤を60ミリリットル入れて……



硬化剤を40ミリリットル入れる



主剤を60ミリリットル入れたのち、ハカリをゼロにして硬化剤を40ミリリットル足した。合計は100ミリリットル。

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  硬化剤が少なめ、というパターンですが、どうなるのか。



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  おや？ このパターンだと、問題なく発泡はしているように見えます。


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  硬化剤入れすぎに対して、発泡具合では大きくリード。

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  ……。

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  なんだ、問題ないじゃん。

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  ……いやいや、硬化剤が少なめパターンは、これはもう、明らかにダメですね。

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  そうなの？

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  触ってみると、いつまでも柔らかいまんまです。


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  ブニブニしてますね。

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  指で押したら凹んでしまうような発泡ウレタンでは、ダメです。



ブニョ

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  柔らかい発泡ウレタンは、一番悪い失敗パターンです。型作り用として、使い物になりません。

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  どっちかっていうと、硬化剤を入れすぎるほうがマシってことか。

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  もうひとつの失敗パターンが、発泡させるためのコップ（箱）の問題。

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  発泡ウレタンを発泡させるには、箱が必要ですもんね。

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  そうなんだけど、ただ単に段ボール箱などで発泡させると……こうなる。


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  ここまで箱を破壊しても、取れないんですね。


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  布のガムテープを貼っておくと、キレイにパリっと剥がせます。



ペリ！


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  たかがガムテープと、あなどってはいけませんね。こうまで差がつきます。

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  ちなみに、布のガムテープを使う方法は、エアロパーツメーカーも実際にやっているやり方なんですよ。

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  へー。

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  段ボール自体は、好きな形状で大きく発泡させたいときの箱としては便利ですからね。

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  入手性のいい段ボールと布ガムテープの組み合わせは覚えておいて損ナシ、です。