ワンオフパーツの作り方実習

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FRPの削り方╱どんな工具でどこまで削る？

FRPの削り方。貼って固まったFRPを削って、表面を整える工程だ。ここでFRPを削るには、どんな工具を使うのか。また、どのくらいまで削るのか。実際にカチカチに硬化したFRPを削りつつ、ポイントを学ぶ。

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  「FRPの貼り方╱小さい＆細かい部分はどう貼る？」の続きです。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回貼ったFPRが、固まりました。
  （↓）

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員


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  次にFRPをベルトサンダーで削りながら表面を整えていきますが、ここで注意点があります。

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  なんでしょうか？

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  今回作っているのはシャークアンテナなので、作業場所が車の天井です。

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  そうですね。

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  この状況でベルトサンダーでFRPを削るのは、かなりリスキーな話です。

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  ……と言うと？

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  フチのあたりを削るときなど、もしも最初に土台用として貼ったFRP・2枚分の厚みを越えて削ってしまったら、車の天井に傷を付けることになります。

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  ウッ！！！
  それは最大級の注意点。

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  だから、屋根での作業のしにくさも考えると、ここからは車から外して作業するのが現実的ですね。

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  ……外してもいいんですか？

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  う〜ん、まあ、理想は車体にパーツを付けた状態のままで進めることですよ。

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  その理由としては、例のヨレ問題？

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  そうです。FRPほどではないけれど、この後に使うパテも、硬化する過程ではかなり熱を持つので、車から外れた状態だとヨレるリスクはあります。

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  ……ふむ。
  FRPのときと同じ注意点だ。

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  しかし、一番発熱するのはFRPが硬化するときで、その段階はすでに越えています。

FRPは屋根のアールに沿って硬化している


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  天井に置いたままベルトサンダーで削るのは、ヨレの問題以上にリスキーなので、今回は外します。

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  そのへんは、ケースバイケースですねぇ。

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  そうですね。そんなに大きくはないパーツを作っているなら、FRPが硬化したあとの工程は、車体から外して作業するのもアリです。

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  硬化したFRPを車体から外すのは、カンタンにできるのでしょうか？

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  土台のFRPを貼る前に、ポリエステルフィルムを貼ったので、外れるはずです。

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  そういえば、そんなのを貼りましたね。

  ※「FRPを車に貼るときは、下地にポリエステルテープを貼っておく」参照。

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  まずは、周囲の養生を外して……



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  おぉ……。
  ひさしぶりにベース車の天井を見る気が。

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  このように、ポリエステルフィルムの上でFRPが固まっている状況です。


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  ほとんどの場合、ポリエステルフィルムを剥がしにいった段階でFRPが車体からポロっと外れます。


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  勢いよく取れて、養生範囲の外まで滑っていく可能性があるので、FRPは手で押さえておきます。

手で押さえつつ剥がす



取れた！


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  本当だ！
  ポロリンとFRPが外れました！

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  これが、ポリエステルフィルムの威力なんですよ。

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  さて！
  こちらが、FRP製のシャークアンテナ原型です（↓）


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  FRPを裏から見ると、内部には型に使った発泡ウレタン（黄色）が見えます。


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  フチの、色が変わっている部分が、例のアエロジルを使った部分ですね。

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  なるほど、なるほど。

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  次の工程はFRPを削って、表面を整えます。

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  FRPは硬化するとカチンカチンですけど、どうやって削るのでしょうか？

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  主にベルトサンダーを使います。


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  まずベルトサンダーで、FRPのバリを取ります。

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  この場面、FRPのチクチクの粉だらけになるので、完全防備でやりましょうね。


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  ところでFRPを削るときは、どこまで削ればいいのでしょうか？

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  ほぼカタチを作ってしまうか、むしろ低いぐらいを目指します。

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  「低い」とは？

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  最終的なシャークアンテナの表面の高さよりも、低い位置まで削るってことです。

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  ほぉ。

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  なぜかというと、このあとにはパテを盛ります。

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  フムフム。

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  最終的にはパテを削ってカタチを整えますが……パテを削っているときにすぐにFRPが出てくるようだと、そこでまたベルトサンダーでFRPを削らないといけないので、大変です。

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  FRPのほうが、削るのが大変？

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  ハイ。FRPのほうが圧倒的に固いです。パテは手作業で削れますが、FRPは工具がないと削れません。



シングルアクションサンダーでFRPを削っているところ。

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  だから低めのラインまで、FRPを削り込んでおくんだ。

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  そのほうがパテ削り工程でFPRが出にくいので、カタチを作っていきやすいと思います。

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  なるほどね。

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  ただし削り過ぎると、穴が開いて、下の発泡ウレタンが顔を出します。

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  ……うぐぐ。
  そのへんは注意ということで。

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  FRPを削っているうちにビミョウに下の発泡ウレタンが出てくるところもあると思いますが、そういう場所はそれ以上削らないようにしましょう。