丸型端子の選び方
エーモンの丸型端子ラインナップ5種類の違いと選び方
丸型端子の選び方・最新版。バッテリーからの電源取り出し(バッ直)でよく使われる丸型端子は、適合コードと流せる電流容量も考慮して選ぶのが肝要。丸型圧着端子の存在意義も押さえておく。
エーモンの標準タイプの丸型端子は3種類
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「エーモンのクワ型端子ラインナップ4種類の違いと選び方」に続きまして、今回は丸型端子の選び方です。
●レポーター:イルミちゃん
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エーモンの丸型端子の現行ラインナップは全5種類ありますが、オーソドックスなのはこの3タイプです。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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クワ型端子と同じく、サイズの違いであると。
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そうです。
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しかし、ここで疑問に思うことがひとつあります。
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なんでしょうか?
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なぜ4Φの丸型端子はないの? クワ型端子には4Φもあったのに。
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丸型端子を使う場面は、基本的にはバッテリーのプラス端子に接続する場面です。
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エーモンが、バッ直の場面でなぜ丸型端子を推奨しているかは前にも教わりましたが…
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横からすべりこませるクワ型端子と違って、丸型端子は絶対に抜けないからです。
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この場面で、4Φの小さい丸型端子を使うことはまずありません。4Φがない理由はそのためですね。
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なるほど。クワ型端子のように、いろいろなネジに付けるわけでもない。
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そういうことです。
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逆に言うと、バッ直以外の場面では丸型端子を使うことはないってこと?
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車の電装作業においては、バッテリーからの電源取り出し以外ではまず使わないでしょうね。
商品名 | サイズ×入数 |
---|---|
丸型端子(3319) | 6Φ×8個 |
丸型端子(3320) | 8Φ×7個 |
丸型端子(3321) | 10Φ×4個 |
丸型端子のサイズの選び方
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バッテリーターミナルのボルトにはめるとなると、だいたい8Φか6Φあたりになってきます。
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フムフム。
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使用頻度でいうと、一番多いのは8Φの丸型端子ですね。
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では、二番目に多いのが6Φなんですね。
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ですので、クワ型端子と同じで、6Φと8Φだけは持っているといいかもしれません。
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なお、10Φの丸型端子は(ラインナップにはあるけど)あまり使わないと思います。
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ここまでの違いだけなら分かりやすい話ですが、実はエーモンの丸型端子はこれだけではありません。
エーモンの丸型圧着端子の存在意義
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エーモンの丸型端子のラインナップの中には、丸型圧着端子というのもあります。
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これも昔からある端子なんですけど、現行のラインナップになるにあたり、「赤」が廃盤となりました。
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「黄」「青」は売っているのに、なぜ「赤」だけが廃盤になったの?
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赤は6Φの丸型端子で、0.5~1.25スケアの配線に適合するタイプでした。
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フムフム。
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いっぽう今も残っている青の丸型圧着端子は1.25~2スケアに対応します。
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そして、黄色は3.5~5スケアに太線に対応します。
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つまり、太線用の2種類だけ生き残っているんだ。
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これはなぜかというと、さきほど申し上げたように、丸型端子はバッテリーのプラスターミナルに接続する用途で使うからです。
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フムフム。
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バッテリーから電源取り出しする以上は、それなりの太い配線を使うだろう、ということですね。
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あ~、なるほど。
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0.5~1.25スケアのタイプですと、バッ直で取っても、けっきょく配線のキャパの問題があるので、それほどの大電流は流せません。
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そういうわけで、丸型圧着端子の中では比較的細めの配線に対応していた「赤」はなくなったのでした。
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バッ直で取る以上はもっと流すでしょ、ってことか。
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とはいえ、もし0.5スケア線でバッ直をやりたければ、最初に紹介した普通の丸型端子があるので、それを0.5スケア線につないで使って頂くことは可能です。
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考えてみると、丸型端子をバッ直で使うつもりなら、適合コードの太さにも注意して選ぶ必要がありますね。
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そうですね。適合コードの違いを整理すると、このようになっています。
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バッ直でできるだけ大容量の電源を取りたい用途ならば、丸型圧着端子(3324)が最強ですね。
商品名 | 適合コードの太さ |
---|---|
丸型端子 6Φ(3319) | 0.5~1.25スケア |
丸型端子 8Φ(3320) | 0.5~2スケア |
丸型端子 10Φ(3321) | 0.5~2スケア |
丸型圧着端子 6Φ(3323) | 1.25〜2スケア |
丸型圧着端子 8Φ(3324) | 3.5~5スケア |
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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