電気の逆流防止が整流ダイオードではできず、リレーならできるケース

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電気の逆流防止対策でよく使うのが整流ダイオードだが、これが使えない正転・逆転回路の場合には、リレーを使った逆流防止のテクニックが有効。ここまでくると、ちょっと高度な電装の知識。

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  「電気の逆流防止が、整流ダイオードではできないケース」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  パワーウインドウのモーターの回路を例に、正転・逆転する回路に整流ダイオードは使えない、という話をしましたが……

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  リレーならできる、というのはどういうことなんでしょうか？

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  この場面では5極リレー（c接点リレー）を使います。



5極リレー（c接点リレー）の基礎知識は「リレー用語〈ノーマリーオープン〉と〈ノーマリークローズ〉の違いを理解しよう 」参照。

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  そしてこのような回路を組みます。


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  パワーウインドウの配線をいったんカットして、5極リレーを割り込ませています。

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  フムフム。

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  カットした配線は、けっきょくのところリレー内部の「ノーマリクローズ」と「コモン」を経由してつながっている状態です。

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  配線は切ったけど回路はつながっているから、純正動作は今まで通りになる？

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  はい。仮に純正のアップ側パワーウインドウスイッチをオンにしたら、このように電気が流れます。


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  いっぽうで純正のダウン側パワーウインドウスイッチを操作した場合は、このように電気が流れます。


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  リレーが割り込んではいるものの、純正のスイッチ動作には支障は出ない。

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  そして後付けスイッチをオンにしたときだけ、リレーの接点が切り替わって、後付け回路の電源がモーター方向に流れます。

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  後付け回路から電気が流れこんできましたが、このパターンは確かショートするはずでは？


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  ここでのポイントは、リレーの接点が切り替わったことで、純正モーター回路のアース側とは遮断されているという点。

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  あ！ これなら後付け回路から来た電気を、モーター側にだけ流せるんだ。

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  そうなんです。モーターに対してアップ側から電気を流しているので、ウインドウが「上がる」動きになります。

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  なるほど。ところで、後付けスイッチで下げるときは？

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  これと同じ回路を、ダウン側にも組む必要がありますね。

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  そういうことか…。

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  実際のところこういった回路を自作で組むのは上級者に限られると思いますが……。

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  リレーの使い方の説明としては、最大級にマニアックな内容でしたね。

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  制御ユニットを使っている場合でも、ユニット内部にはリレーが使われていて、このような制御方法を応用していたりします。

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  ほほう。つまり今回学んだような回路は、製品作りに活かされているんだ。

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  そうですね。今回はパワーウインドウの回路を例に説明しましたが、ドアロックモーターもそう。ミラーの格納・展開とか、ミラーの角度調整なども同じような仕組みで動いていますので。

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  ということは、そういう回路に対して後付け制御を加える場合は、今回学んだ知識が役に立つ。

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  そういうことですね。かなりマニアックな話ですが。

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  学べば学ぶほど、リレーでできることは多いなぁ…。