5極リレー(C接点リレー)の超小型は、車のLED加工でも重宝する
よく使うC接点リレー(5極リレー)には超小型もあって、リレー本体を隠しやすい。車のLED加工などに、とても向いているアイテムなので、知識として押さえておきたい。
加工のプロが実際に使っている超小型の5極リレー(C接点リレー)
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「デイライトをスモール(ポジション)連動で「減光」させる方法」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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前回解説した5極リレー(C接点リレー)は、球屋のLED加工やヘッドライト加工でもよく使っています。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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「LEDの時代になって、4極リレーは出番が減った」という話がありましたが……5極リレーは、まだまだ活躍しているんだ。
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そうですね。ただし、容量的にはそれほど必要なくなっているので、最近使っているのは、小型の5極リレーばかりですね。
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5極リレーにも、サイズがいろいろあるの?
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ありますよ。
これ(↓)どっちも5極リレーですから。 -
え、どっちも5極リレー???
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そうですよ。右の小さいやつも、小さいだけで機能は同じ。
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ホホウ。
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参考までに紹介しておくと、球屋が最近よく使っているのは、この941H-2C-12D(↓)。超小型の、12V用5極リレーです。
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ちっさ!
それに配線も付いてない! -
でも、仕組みは前回説明した5極リレーなんで、自分で配線を付ければ同じことですよ。
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おお。ここまでやれば、なんとなくリレーっぽく見える。
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これで、配線付きの5極リレーと同じです。
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上の例でいうと、黄色とオレンジが電磁コイルにつながっています。
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やっぱりコイルなんだ。
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最初は「緑と黒」がつながっていますが、コイルに電気が流れたら、黒が離れて、「緑と赤」がつながる。大きい5極リレーと仕組みは同じです。
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……ところで裏から見ると、まだ足が3本ほど余ってますね?
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これ、本当に5極リレーなの? 足の数だと、8極に見えますが……
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この941H-2C-12Dというリレーは、2回路の5極リレー(C接点リレー)なんですよ。
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2回路5極リレー???
秋月電子で販売している941H-2C-12D
リレーの足に配線コードをハンダ付けし、足を収縮チューブで覆う。
※足のレイアウトは製造ロットで変わる可能性がある。購入品のデータシートで必ず確認を。
✔ コイルに電気を流して、接点を切り替えるリレーの仕組みは「デイライトをスモール(ポジション)連動で「減光」させる方法」参照。
2回路C接点リレーを使いこなすと、さらに便利そうだ
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2回路C接点リレーといっても、そんなに難しくはないですよ。
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……そ、そうでしょうか。
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まず、コイルにつながる2本足は1セットです。これは普通のリレーと同じです。
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それによって接点が切り替わるスイッチの部分だけが、2セットあるんです。
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上の写真でいうと、緑・黒・赤の足のセットを、反対側にもコピペしたような感じですね。
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そうですね。だから、同じタイミングで、2つの制御をしたいときには、2回路C接点リレーが便利ですね。
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……それならリレー通過後の線を、分岐して2つの電装品につなぐほうが分かりやすいような。
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いやいや、2回路C接点リレーなら、なにかの信号が入ったら、「Aは点灯させる」けど、「Bは消灯させる」こともできるんです。
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ホント、リレーっていうのは何でもアリの世界だな。
予備解説
ところで5極リレーという言い方は、車業界独自の呼び方で、正しくは「C接点リレー」。
2回路5極リレーでは電子部品の呼び方としては違和感があるので、ここからは「2回路C接点リレー」と呼びます。
小型のリレーは、容量は小さい
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ただし、小型のリレーは容量(アンペア)が小さいです。この941H-2C-12Dで、接点容量は2アンペアまで。
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大きいリレーだと何十アンペアというのが多いから、確かに小さいですね。
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しかし、LEDの制御に使うなら正直、1アンペアや2アンペアでも十分なんですよ。
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ナルホド。
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容量よりも、ヘッドライト内部などに隠したい都合上、小さいことのほうが重要なんです。
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そういえば森田研究員は、何かと小さいモノを好みますね。
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そりゃそうですよ。僕らはヘッドライトの中に入れたり、スペースの狭い場所に隠したりするのがほとんどなので。
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フムフム。
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しかも、リレーを1個だけ使うならまだしも、2個3個と使って回路を組むとなると、大きいリレーでは、かさばって入りません。ですから、今回紹介したような超小型のリレーが重宝するわけです。
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……ちょっと待った。
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なにか?
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リレーを2個も3個も使うって、どういうこと?
リレーの使い方についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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