電気の逆流防止が、整流ダイオードではできないケース

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電気の逆流防止対策で、整流ダイオードが使えないパターンをわかりやすく解説。電気の逆流を防ぐアイテムとして、いつもは頼りになる整流ダイオードなのだが…

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  「電気が正転・逆転する回路のしくみを初心者向きに解説」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  ここまで車のパワーウインドウを上げ下げするモーターを例に、正転・逆転する回路を説明してきましたが……

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  ふむ。

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  仮に「パワーウインドウの上げ下げを、増設したスイッチでやりたい」として、単純にプラスの電源を回路に流してしまうと、ショートするという話をしました。


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  ここでショートする理由は、パワーウインドウのモーターにつながる線が、ふだんはどちらもアースにつながっているためです。

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  モーター側に電気を流すつもりが、そのままアースに向かって流れてショートするという……。

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  こういう場合に、モーター側にだけ電気が流れるようにするにはどうしたらよいのか考えてみましょう。

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  これも電気の逆流防止の一環なんだ。

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  そうですね。この場合は、アース方向には電気を流したくないわけですが……

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  わかった！ 電気の逆流を防止する整流ダイオードを入れたらいいんじゃないでしょうか。

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  ……どのように入れますか？

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  え～っと、この場合はモーター方向にだけ電気が流れるようにしたいんだから、ココに入れれば解決では!?


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  これで、常時電源がそのままアース方向に行くことはなくなる。モーターのほうに流れるでしょう？

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  このような回路を組んだ場合、確かにスイッチオンで常時電源を流してパワーウインドウを「上げる」ことはできますが……

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  ヨシ！

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  しかし前回説明した通り、これは「正転・逆転」するモーターの回路なんですよ。

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  ふむ？

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  上げるときと下げるときで電流の向きが変わりますから、このような入れ方をしたら、ウインドウを下げるときの電気が流れなくなってしまう。


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  ハウッ!!

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  整流ダイオードで一方通行化してしまったことで、ウインドウを上げる方向にしか電気が流せなくなりました。

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  ……え～っと、つまり……

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  パワーウインドウが下げられなくなります。

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  純正のダウンスイッチを操作したときにも、窓が開かなくなる……？

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  そういうことです。

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  やっちまったなー。

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  ということで正転・逆転するモーター回路だと、電気の流れる向きが変化しますから、整流ダイオードで一方通行化するわけにはいかないんです。

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  正転・逆転回路の電気は一方通行化できないのは分かりましたが……

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  はい。

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  しかし……だとすると、後付けの回路でパワーウインドウを制御しようとすること自体、不可能じゃない？ この例題自体が無理あるっていうか…。

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  ところがリレーを使えば実現可能なのです。