プラスコントロールからマイナスコントロールに変換が必要になるケースもある
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マイナスコントロール線をプラスコントロール線に変換する必要性を学んだところで、今回は実践編╱マイナスコントロール→プラスコントロールの変換方法。なお逆に、プラスコントロール→マイナスコントロール変換が必要なケースもある。
まずはマイナスコントロールをプラスコントロールに変換するケース
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「マイナスコントロールからプラスコントロールに変換が必要になるケース」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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信号線の極性変換が必要な例として「LEDをイルミ連動+ドア連動で光らせたい…などが考えられる」というところまで、前回説明しました。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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イルミ連動がプラスコントールでドア連動がマイナスコントロールだから、上手くLEDが制御できない。
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そこで、プラスコントロールかマイナスコントロールのどちらかに揃えたいわけです。
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どっちに揃えてもいいのかな?
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そこはケースバイケースです。この場合はドア連動にするための信号を、ドアカーテシ線(ドアスイッチ線)から取るとすればどっちでもできますね。
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フムフム。
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ここではまず、ドアカーテシ線をプラスコントロールに変換するとしましょう。
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マイナスコントロールからプラスコントロールに変換する方法、ですね。
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使うのは4極リレー(a接点リレー)です。
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まずドアカーテシ線をプラスコントロールに変換した上で、LEDのプラス線につなぐ場合はこう配線します。
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ドアカーテシ線に電気が流れたタイミングでリレーが動いて、常時電源がLEDのプラスに流れます。
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常時電源がLEDに流れるタイミングを、ドアカーテシ線で制御しているんだ。
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プラスコントロールに変換した、ということです。
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なるほど。
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こうすると、イルミ連動(スモール連動)をミックスさせることができます。
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連動をミックスさせるときの注意点としては、図の位置に整流ダイオード(※)を入れておくことです。
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この配線図なら、ドアを開けたときもイルミオン(スモールオン)のときも、LEDフットライトが光るんだ。
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ただしこれは「ドアカーテシ線」を使っているのでプラスコントロールに変換できる例です。これが全ドアに連動させる目的で「ルームランプのドア連動線」を取る場合には、このようにはいきません。
4極リレー(a接点リレー)。写真はAmazonでも販売されているエーモンエーモン 4極リレー(3235)
ドアカーテシ線をプラスコントロールに変換
ドア連動+イルミ連動
※ここでダイオードを入れないと、純正のイルミ電源線に電気が回り込んで流れてしまったりするので、整流ダイオードが必須。
逆に、プラスコントロールをマイナスコントロールに変換するケース
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今度は今までとは逆に、プラスコントロールをマイナスコントロールに変換する必要があるパターンです。
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フムフム。
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同じドア連動でも、運転席ドアだけでなく「どのドアを開けてもLEDフットランプを光らせる」ためには、ルームランプのドア連動線を使ったりしますよね。
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しかし、ルームランプのドア連動線には、ルームランプをじわ~っと点灯(消灯)させるためのパルス信号(※)が流れています。
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パルスの入った信号をリレーで極性反転させるのは難しいので、この場合は、イルミ電源のほうをマイナスコントロールに変換したほうがいいのです。
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今度はさっきの逆で、プラスコントロールに統一。
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そういうことですね。
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ということは、リレーを入れて変換するのは、イルミ電源のほうなのね。
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イルミ電源をマイナスコントロールに変換する配線です。
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イルミ電源オンになると、LEDのマイナス側がつながって光る仕組みだから、マイナスコントロールね。
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そのうえで、ルームランプ連動線(マイナスコントロール線)もミックスさせるとこうなります(↓)
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ルームランプのマイナスコントロール線(ドア連動線)に合わせて、ACC電源やイルミ電源をマイナスコントロールに変換するとすれば、こういう配線になります。
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なるほど。
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ミックスさせるにあたっては整流ダイオードが必要になる点は同じです。向きにも注意しましょう。
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これまでとは逆に、プラスコントロールからマイナスコントロールに変換する方法でした。
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どっちをどっちに変換したほうがいいかは、ケースバイケースですね。ルームランプ連動線のようなパルス信号が入ってくるケースでは、マイナス側に揃えましょう。
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ふむ。
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ドアカーテシ線ならそういう制御は入っていないので、ACC連動+運転席ドアのみ連動、みたいなフットランプであれば、どちらに揃える方法もアリですね。
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マニアックなテーマでしたが、必要なときは必要になる「極性変換テクニック」でした。
※高速の点滅信号によって減光させて見せている。
イルミ電源をマイナスコントロールに変換
ルームランプ連動(全ドア連動)+イルミ連動
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL
079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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