リレーとスイッチ
リレーとスイッチを組み合わせて使う場合の注意点
リレーとスイッチの配線で、「マークが光るスイッチ」を用いる場合には使用上の注意がある。自光するスイッチの取り付け自体が難しいわけではないのだが、リレーと組み合わせるときの知識は必要。
マークが光るスイッチを、リレーと組み合わせて使うときは注意
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「フットライトを、ルームランプ連動(ドア連動)+スイッチで制御するには?(後編)」の補足記事です。
●レポーター:イルミちゃん
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前回は、リレーと手動スイッチを組み合わせて使う方法を解説しました。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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ふだんはフットランプをルームランプ連動にしつつ、スイッチで強制オンにもできる配線図がこちら。
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スイッチのオンオフで、リレーのコイルに電流を流したり、流さなかったりするわけです。
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リレーが作動するタイミングを、手動スイッチで決めるんですね~。
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そうです。それによって、LEDのアースが「ドア連動」と「強制アース」で切り替わる。
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いっぽう、スイッチをリレーコイルのマイナス側(エーモンリレーの黒い線)に入れるマイナスコントロールのパターンも考えられますが……
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これでも、結果は同じことですよね。
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光らないタイプの、普通のスイッチであればこれでもいいのですが……
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フムフム。
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照光タイプのスイッチだと、その構造によっては問題が生じます。例えばこういうスイッチ(↓)の場合。
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おさらいすると、これはどういうスイッチでしたっけ?
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スイッチのマークが光るんです。明るさは、オンオフに連動して変化します。
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フムフム。
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オフ時は暗く点灯していて、オンにすると明るく光ります。
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夜でも、スイッチの位置が見やすくいいですね~。
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で、この照光タイプの貼り付けプッシュスイッチ(3224)を使う場合は、このように配線します。
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スイッチは、コイルにつながる配線のプラス側(※エーモンリレーの青い線)に入れます。
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おや?スイッチの配線が1本増えましたね。
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これは、スイッチのマークを光らせるLEDのアースですね。
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なるほど。マーク専用アースか。
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このスイッチは、コイルを通過したあとのマイナス側(※エーモンリレーの黒い線)に入れるのはNG。ここが今日の本題です。
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何が問題なの?
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照光スイッチ自体のアースを介して、リレーの青に取った常時電源がアースにつながってしまいますので。
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あれ? これだと、スイッチオフでもリレーのコイルに電流が流れてしまうってこと!?
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そうなんです。リレーが誤作動する可能性があります。
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そういうことか~。
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このような問題があるので、照光スイッチをマイナス側に入れるのはNGなんですね。
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なるほどぉ。
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スイッチをプラス線側に入れるぶんには、マークを光らせる電気は、スイッチ自体のアース線を通っていきますから、リレーのコイルまでは電気がいきません。
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エーモンが、スイッチをプラス線側に入れることを推奨しているのは、そういう理由なのか。
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光らないスイッチであればどちら側に入れてもいいのですが、エーモンのスイッチのラインナップにはこういう照光スイッチもあるので、「スイッチを入れるときはプラス線に入れる」というご案内で統一しております。
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スイッチによってはマイナス線側に入れても問題ないけど、メーカーがそれを言い出すとややこしくなるわけね。
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はい。エーモンの立場としては、誰にでも分かりやすくご案内することが重要ですので。
エーモンの貼り付けプッシュスイッチ(3224)
NGな配線例
NGな配線例の電気の流れ。
常時電源に対してスイッチを使うとマークが光りっぱなしになるが…
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ところで中塚研究員、照光タイプのスイッチでもうひとつ気になることが……
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なんでしょうか?
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今回のような組み合わせ方だと、常時電源のオンオフに利用するので、マークが点灯しっぱなしになってしまうんですが……
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そうですね。
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これってバッテリーが上がる心配はないの?
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消費電流はごく僅かなので、ダミーセキュリティみたいなものですね。
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そっか。それなら、それほど神経質にならなくてもいい?
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何日も車に乗らない人だと気になるところではあるので、その場合は、今回のような常時電源につなぐ用途では、光らないスイッチのほうがいいかも知れませんね。
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でも、通勤で車を使っているような人なら、問題にはならないレベルってことね。
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それでも気になるなら、独立照光タイプもあります。
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このスイッチは、マークを光らせるための電源を完全に別の回路で取る方式です。
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ホホウ。
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例えば、イルミ電源を取っておけば、スイッチのマークが光るのは夜間ヘッドライト(スモールランプ)が点灯している間だけになります。
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常時電源用のスイッチとして使う場合は、そちらのほうが精神衛生上よいかもしれませんね~。
エーモンの貼り付けプッシュスイッチ(3225)
スイッチを選ぶときは「容量」にも注意しないと壊れるリスクがある、という話はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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