電源取り出し隊
マイナスコントロール線の探し方
- 1
- 2

マイナスコントロール線の代表例・ルームランプのドア連動線を効率よくつかまえるルポ。普通の検電テスターの使い方では探せないマイナス線だが、プロの電装屋さんの探し方なら、意外なほど簡単に見つけられる。
「実習」ルームランプのマイナスコントロール線さがし
-
この記事は、「検電テスターでマイナス線を調べるときに便利な小技」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
-
今回は、実践でやってみましょう。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
-
実習として、なにをするんですか?
-
ここでは定番の、ルームランプのマイナスコントロール線を探すというモデルケースでいきましょう。
-
ルームランプ連動でLEDを光らせたいときに使う線ですね。
-
そうです。検電テスターとゼムクリップがあればカンタンに探せます。
-
モデル車は80ヴォクシー前期です。ルームランプ灯体を外すと、3本の配線がつながっている状況(↓)
-
今回のケースだと、左から「黒/白」と「白」と「みどり」の3本の配線があります。
-
なぜ、3本あるかと言いますと……
-
1本は常時電源、1本は常時マイナス(アース)線です。そして残る1本が、ドアを開けたときにアースに落ちる、マイナスコントール線です。
-
しかし、どれがどれかは、まだ分かりません。

ゼムクリップの話については、前ページ参照。

まずはすぐに判別できる常時電源を見つける
-
最初にまず常時電源を探します。
-
え。
今回は、マイナスコントロール線探しでは? -
順番としては、まず常時電源を探すと早いんですよ。
-
そうなんだ。
-
検電テスターのクリップを普通にアースした状態で、テスター先端を当てて反応する線を探します。
-
つまり、検電テスターの使い方としてはフツウですね。
-
あ、いきなり光った!
これはカンタンに見つかる。 -
そうですね。今回は向かって右の「みどり」の配線が常時電源でした。
-
……ということは、残る2本のうち、どちらかが「マイナスコントロール線」、それと「常時マイナス(アース)線」になりますね。
光ったら、それが常時電源!

ピカッ
検電テスターを常時電源に差し、ゼムクリップでマイナス線を探す
-
ここから先は、検電テスターがマイナス線に反応する状態にしないといけません。
-
今のままだと、残る2本はどちらも反応しませんね。
-
検電テスターをアースした状態では、プラス線しか調べられませんので、当然そうなります。
-
そこで、前回習った方法を使うんですね。
-
そうですね。ここではちょうど常時電源があるので、それを使って説明します。まず検電テスターのクリップはアースから外して、先端を、常時電源に差し込みます。
-
なお、今回は一枚の写真で分かりやすく説明するためにルームランプの常時電源を活用しますが、プラスとマイナスが近接している状況は、両者を橋渡しするように接触させるとショートするので望ましくはないです。
-
本来は、どこか別の場所からテスター用の常時電源を取るほうがいいんですね。
-
ハイ。前回やったように、取り付け中の電装品の常時電源線のヒューズの横から差すなどして、確保します。この方が作業中のショートを防げる。
-
まずは車のドアは全部閉めて、ルームランプが消灯している状態で調べます。
-
ドアを閉めて、しばらく待たないと消灯しない車が多いので注意しましょう。
-
で、ルームランプが消えたら、調査を開始します。
-
例のゼムクリップ先端を、配線の根元にいる端子に当てていきます。
-
このやり方なら、カプラー内の端子に差し込める、というのがポイントです。
-
それでは、ツクっと差してみましょう。
-
なお、今はドアが閉まっている状態なので、ドア開閉に連動するマイナスコントロール線は反応しません。
-
隊長ぉ!
「黒/白」方面、反応アリであります! -
つまり、これはマイナスコントール線ではなく、フツウの常時マイナス(アース)線だということです。
-
そっか〜。
-
この段階で「みどり」が常時電源、「黒/白」がマイナス線と分かりましたから、要するに残った「白」がドアに連動するマイナスコントロール線ですよ。
-
犯人は「白」だ!
-
この段階で答えは分かってしまいましたが、念のため確認しておきます。
-
どうするの?
-
ドアを開けてみます。
-
ドアを開けたら、それに連動して「白」に検電テスターが反応!
-
白がドアに連動しているのは明らかですね。つまりこれがルームランプ連動のマイナスコントロール線です。
-
パパっとカンタンに見つかってしまいましたね〜。
-
ゼムクリップを併用すると、検電テスターに挟みやすく、カプラーに差し込みやすい。便利ですよ。

シーン

シーン

プスリ
テスターをどこか別の場所の常時電源に当てておく

ヒューズ横から差すのは抜けにくいという利点もある。
反応する線=フツウの常時マイナス線

反応しない線=プラスでも常時マイナスでもない線



DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
関連記事