シーケンシャルウインカー自作教室（第6回）

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シーケンシャルウインカーの作り方「実践編」

シーケンシャルウインカーの作り方。ここでは、ヘッドライトの殻割り〜ウインカースペースの型取り〜基板の切り出しまでの工程を解説する。各工程の中で、注意点やコツをLED加工のプロが伝授。

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  シーケンシャルウインカー自作教室、いよいよ実践編スタートです。

  ※連載のもくじは、「シーケンシャルウインカー自作教室╱記事一覧」

  ●レポーター：イルミちゃん

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  まずは、ヘッドライトを殻割りしないといけませんね。

  ●アドバイザー：イルミスタ・野本研究員

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  どういうやり方でいきますか。

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  ここでは一般的に行われている、段ボールとドライヤーを使った方法で殻割りします。



殻割りの説明イメージ。実際に殻割りする時のライトの位置関係は、この後に解説。

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  ①ヘッドライトを段ボールにセット→②ガムテープで閉じる→③ドライヤーで箱内部の温度を上げる方法です。

✔ ひとくちメモ

ヘッドライトのレンズとハウジングはシーリング剤でくっついているので、温めて柔らかくすることで分離（殻割り）できる。ただし、そもそも熱では分離できない車種もある。

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※判別方法は「ヘッドライトを殻割りする前に知っておくべきこと」参照。

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  殻割りをするときは、温める前にネジ類を先に外しておきます。

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  温めてからネジを外していたら、その間に冷めてしまいますので。


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  それから、なるべくレンズ面に直接熱がかからないような位置関係にしておきましょう。

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  レンズに熱をかけ過ぎると、変色したりする原因になってしまいます。

レンズ面に、直接熱風がかからないように


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  そして箱を閉じてドライヤーで温める。この開け方をするときはヒートガンは危険です（燃える）ので、普通のドライヤーを使います。



ブォォ

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  これ、何分くらい温めるんでしょうか？

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  あくまでも家庭用のドライヤーを使って、冬場はだいたい30〜40分は温めないと開かないことが多いと思います。気温（室内温度）や箱の大きさにもよるので、一概には言えませんが。

熱でシーリング剤が柔らかくなれば開く


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  さらに、レンズ側に付いているメッキのインナーを分離します。



✔ ひとくちメモ

なおレンズに熱をかけない開け方として、「段ボールは使わずに、シーリング部分に直接ヒートガンをあてて開ける方法」（※）もある。

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（※）「ヘッドライトの殻割り（カラわり）方法 序盤のコツ」参照。

※このやり方ならレンズ面に熱ダメージを与えないが、作業難易度は上がる。ヒートガンの扱いに慣れた、上級者向きな殻割り方法だ。

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  殻割りができたら、次の工程へ進みます。

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  ヘッドライトが殻割りできたら、ウインカースペースの型取りをします。

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  今回のモデル車はLA600タントですが、ヘッドライト下部に横長のウインカー用リフレクターが収まっています。

まず型紙をフリーハンドで大きめに切り出す



実際にインナーにあてながら、正確な形に切る


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  このとき、ウインカースペースは湾曲しているので、それに対して自然に沿うように型紙も湾曲させながら、型を取ります。

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  今回は基板も曲がる基板を使っているので、基板も反らせることができますね。

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  そういうことですね。で、型紙ができたら、その曲がる基板にのせます。


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  ここでちょっと注意点があります。こういう風に（↑）ただ乗せるだけではダメです。もう少し考えることがある。

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  なぜダメなの？

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  基板のランド（LEDをハンダ付けする穴）の、「目」を考えたほうがいいんですよ。

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  ホホウ。

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  上の状態で基板を切り出すと、上側ラインのほうはキレイに一直線にランドが並びますが、下側ラインはランドが階段状にカクカクになりますよね。

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  そうすると、何が問題なんでしょう？

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  実際に基板上に回路を作るときに、作りにくいです。このままいくと、LEDの配列がキレイにいかない。

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  しかし、上ラインと下ラインは並行ではないんだから、仕方ない気もしますが……？

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  こんな時は発想を変えて、こう置いてみたりしましょう（↓）


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  あれ？ これでは上側も下側も、カクカクラインになりますよ？

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  そうなんですけど、タテのラインは右から左までキレイに並行に並ぶことになります。

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  あー。
  本当だ！

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  内側から外側に流れるのがシーケンシャルウインカーなので、タテラインが端の方と水平になっているほうが作りやすいと思いますよ。

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  LEDを配列したあとの姿を想像してみましょう。こういうことです（↓）


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  こういうのは絶対的な決まりはないですし、好みの問題もありますが、ランドがナナメでカクカクラインになっているより、作りやすいのは確かです。

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  型紙から切り出す段階で、製作難易度やデザインが決まってくるのか〜。

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  そうなんですよ。何が正解かはウインカー形状にもよるので、ここはちょっと立ち止まって、じっくり考えてから基板を切り出しましょうね。

決まったら型紙のラインをマジックでケガく


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  一見すると、今回の切り出しは基板を無駄にしているように見えますが……


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  そんなことより、ライン（目）のほうが重要ですよ。基板のランドの目が悪いと、後から作り直ししたくなります。

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  ラインも含めて決まったら、基板をチョキチョキ。

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  曲がる基板は、普通の文房具のハサミで切れます。

チョキチョキ……


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  キレイに型取りできました〜。