夏のメンテナンス
クーラント(冷却水)のリザーブタンク内の量を確認しておく意味
夏にやっておくとよい&自分でできるメンテナンス。今回はクーラント(冷却水)とリザーブタンクのチェックについて。クーラントが入ったラジエーター本体の点検まではできなくても、リザーブタンクのクーラント量ならわりとすぐに確認できる。
クーラントのリザーブタンクに冷却水が入っていなかったらマズイ
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「エンジンオイル滲みが心配な古い車は、オイル粘度を少し上げる対策もあり」に続いて、夏場のメンテナンスポイントのおさらいをしていきます。
●レポーター:イルミちゃん
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エンジンオイルの話から入りましたが、古い車での夏場の注意点はやはりラジエーター周りですよね。
●アドバイザー:シャルマン 岡田研究員
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まずはラジエーターのおさらいから。
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エンジンの熱を奪って熱くなったクーラント(冷却水)がラジエーターのアッパータンクに戻って、走行風で冷やされ、ロアタンクを通って再びエンジンに冷却水を循環させるという仕組みです。
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冷却水がグルグル循環しているのね。それでエンジンを冷やしている。
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だから古い車でラジエーター周りからの冷却水漏れなどが起こると、オーバーヒートにつながってしまう。
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なぜ夏場にラジエーター周りのチェックが重要なのかは理解できましたが……具体的にどこをどう見ればいいのでしょうか?
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まず絶対に見ておかないといけないのは、サブタンク(リザーブタンク)にクーラントが入っているかどうかです。
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ラジエーター本体周りの点検とは違って、リザーブタンクのクーラント量だけなら、一般の人でもパッと見て分かりますから。
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確かに。
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リザーブタンクにはFULL(上限)とLOW(下限)のラインが付いているので、その範囲にクーラントの水面があればひとまず問題ありません。
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なおリザーブタンク内のクーラント量は、水温によっても変わります。チェックは「エンジンが冷えている状態」でしましょう。
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乗る前に点検すればいいですね。
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そういうことですね。
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もしもリザーブタンクにクーラントが入っていなかったら……?
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空っぽみたいな状況だとしたら、それはイコール、ラジエーター本体の冷却水も減っている可能性が大です。大問題ですね。
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あわわ。そう言われると、今スグにでも確認したくなりますね。
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僕の場合は、オイル交換などでお客さんが店に来たら、頼まれなくても絶対に見ているポイントです。
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オイル交換しか頼まれなくても……?
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クーラントのリザーブタンクは必ず見ます。だってほとんどの車は、すぐ見える場所にありますから。中にはパッ見だけでは、見えない車もありますけど。
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……そっか。意識の高い人は、そうやって日常的にチェックしている項目なのか。
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まず、そもそもクーラントは、漏れまでいっていなくても、多少は減りますし。
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フムフム。
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少なくとも増えることは絶対にないわけですよ。
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そりゃそうだ。
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エンジン内を循環しているうちに、僅かずつは蒸発する分も出てきます。リザーブタンクの下限近くまで減ってきたら、足さないといけません。
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クーラントをときどき補充していればいいのかな。
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多少の減りなら足せば済む話ですが、明らかに減っているときは漏れなどの可能性もあります。なので、リザーブタンクを定期的に見ておくことが重要なのです。
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チェックする意味は二重にあるんだ。
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ただし、リザーブタンクにクーラントが入っていれば何の問題もないかと言えば、そうとは限りません。
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む…?
冷却水を動かす役割を果たしているのがウォーターポンプ。
MAX(上限)とMIN(下限)表記のリザーブタンクもある。
DIY
Laboアドバイザー:岡田 健
シャルマンは車を買ったお客さんを後悔させないことを第一とする、心ある中古車店。購入時の整備も丁寧だし、古い車のトラブル対応にもめっぽう強い。●オートショップシャルマン TEL:0066-9709-8501 住所:大阪府摂津市鳥飼本町5-6-9 営業時間10:00〜20:00 火曜定休
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