夏のメンテナンス
エンジンオイル滲みが心配な古い車は、オイル粘度を少し上げる対策もあり
エンジンオイル滲み対策を、中古車のプロに聞く。即、修理するほどではない「多少のエンジンオイルの
少し硬めのエンジンオイルを入れることが滲み対策になる
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「古い車にとっては重要な、夏場にエンジンオイル交換する意味」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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オイル滲みが若干あるというレベルの車だとしたら、エンジンオイルの粘度を少し硬めにするだけで、滲みが止まるケースもあります。
●アドバイザー:シャルマン 岡田研究員
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ほほう…? 本来の指定オイルよりも、やや硬めを選ぶのね。
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そうです。古い車に関していえば、ちょっとだけオイルの粘度を上げてもいいと思います。
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フムフム。
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自動車メーカーの指定オイルは、フリクションロスをなくして燃費を良くするために柔らかめを使う傾向。今どきだと「0W-15」とか「0W-10」とか、どんどん柔らかくなっています。
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数字が出てきたので、ここでエンジンオイルの粘度の見方をおさらいしておくと……
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最初に出てくる「W」の前の数値が「低温時の粘度」を示し、後ろの数値が「高温時の粘度」を示します。
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例えば30セルシオを例にすると推奨オイルは「5W-20」ですが……
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フムフム。
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それに対して「5W-30」あるいは「5W-40」あたりのエンジンオイルを入れるのはアリだと思います。
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後ろの数値を高くするんだ。
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夏場は後ろの数値のほうが重要ですからね。高温時の粘度を少し上げることで、シール性も高まりますよ。
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そういえば昔から夏は硬めのオイルを入れるといい、という話はありますね。
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柔らかいオイルほど油温も上がりやすいし、油温が上がるとシャバシャバになるので油圧は下がります。古い車だとそれがトラブルの原因にもなりがち。
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なるほどー。しかし硬いオイルにすると、抵抗が増えますよね?
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そうですね。だから燃費も少し落ちます。
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メリットばかりではない。
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ただ、エンジンオイル滲みが出ている車なら、1ランクは硬めにしてもいいと思います。
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一般的には、メーカー指定通りのオイルを入れておくのが一番いいと思っている人が多そうだけど。
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そうでしょうね。しかし、これは長年中古車屋をやってきての経験則ですが、例えば同じ30セルシオで比較しても、少し硬めのオイルを使ったほうがエンジンオイル滲みや漏れは起こりにくいのが実感としてあります。
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なるほど、なるほど。新車とは事情が違うわけですね。
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少し滲みが出ている古い車だとしたら、指定オイルが「5W-20」だったら「5W-30」あたりを使う。さらに夏場だったら「5W-40」あたりを使ってもいいんじゃないかなと。
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季節によっても替えるのね。
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それが一番ベストではあると思います。
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そういう意味でも、夏の遠出の前にエンジンオイルを交換しておくメリットはありますね~。
DIY
Laboアドバイザー:岡田 健
シャルマンは車を買ったお客さんを後悔させないことを第一とする、心ある中古車店。購入時の整備も丁寧だし、古い車のトラブル対応にもめっぽう強い。●オートショップシャルマン TEL:0066-9709-8501 住所:大阪府摂津市鳥飼本町5-6-9 営業時間10:00〜20:00 火曜定休
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