オートサービスショー2019・ルポ
オイルフィルター交換で手が汚れる問題は、過去の話になる
下向きに付いたオイルフィルターの交換は手が汚れるもの……そんな諦めにも似た認識が、今までの整備業界にはあった。しかし「作業時の手のオイル汚れ」は、明らかに作業ロスを生んでいる。この問題に終止符を打つべく、新アイテムが登場した。
下向きに付いているオイルフィルター交換で手が汚れるのは、しかたない話?
-
オイル交換作業で、オイルフィルターまで交換するときがありますよね。
●レポーター:イルミちゃん
-
フィルターにゴミが溜まっていくからね。
●DIYラボ別館 ユキマちゃん
-
しかし、オイルフィルター交換には、作業者を長年悩ませ続けた、ある問題がありました。
-
……そんなのあったっけ?
-
まずオイルを全部抜いたあとで、オイルフィルターを外しますが、オイルを抜いたとはいっても、全量が抜けるわけではないから……
-
オイルフィルターレンチでゆるめていくうちに、残っているオイルがこぼれてきます。
-
……触りたくないなぁ。
-
でも、ゆるめたオイルフィルターを最後に外すところは手作業だから、けっきょくこうなる。
-
ギャアアア!!
-
大げさね。
ホラーではありません。 -
手が汚れる~!
服が汚れる~!! -
これは、オイルフィルターが下向きに付いている車種の場合は「いたしかたない」とされていた問題でした。
-
軍手しても、確実に染みるし。
-
使い捨てのビニール手袋を使うのが、一番有効だけど……
-
そっか。
経費で大量に買ってこよう! -
そんなの毎回使い捨ててたら、コストがかかって仕方ないからダメ。
-
……ケチねぇ。仕方ない。手を洗えばいいか。ついでにミルクティー買ってこよ。
-
しかし「手を洗いに行く」行為自体が、現場の作業ロスを生んでいます。ついでにサボる気みたいだし。
-
どうしろって言うのよッ!! このままランチのオニギリを食べろって言うのッ!?
-
オニギリにミルクティーってどうなの?
-
……そ、それは……。
-
そんな「オイル交換の現場の問題」に対して、KTCが斬り込みました。
ダラダラダラ~
!!!
KTCが考案した「フィルターオイルキャッチャー」があれば、オイルで手が汚れずに済む
-
オートサービスショー2019のKTCブースで発見したのが、このアイテム!
-
なあに、この容器?
-
フィルターオイルキャッチャーです。
-
オイルフィルターキャッチャー?
-
違う違う。フィルターオイルキャッチャー。「フィルターから出てくるオイルをキャッチする」というモノ。
-
手を汚さずに、オイルフィルターが外せるの?
-
ハイ、正解! まずは、オイルフィルターレンチをかけてオイルフィルターをゆるめる、という点は従来と同じなんだけど……
-
オイルフィルターレンチは使うのね。
-
そう。そして手でゆるむぐらいの状態になったら、あとはこのフィルターオイルキャッチャーを使って回すの。
-
カップ型のフィルターレンチと基本的には同じ構造で、オイルフィルターをつかめる形状になっています。
-
最後に外すところは、手でやらなくていいんだ。
-
そういうこと。そして、その過程で隙間からこぼれてくるオイルは、内壁の溝(通路)を通過して、下側のボトルに流れていくの。
-
そして、フィルターは手で触ることなくそのままポイ。
-
なるほどね!
-
コレがよく出来ているのは、ひとつで4サイズのオイルフィルターに対応している点ね。
-
……へぇ。
どういう仕組み? -
カップ型ホルダーの内壁が階段状になっていて、複数種類のオイルフィルターに、はまるようになっています。
-
KTCが調査したところによると、オイルフィルターが下向きに付く車種の大半をカバーできる形状なんだそうで。
-
ホー、よく出来てるなァ。
-
しかも、こぼれてくるオイルを流す水路も必要だから、設計的にはかなり練られている形状なのよ、コレ。
-
溝が細いと、オイルが勢いよく出てきたときに溢れてしまうもんね。
-
かといって溝ばっかり太くすると、オイルフィルターに対する接地面が減って「かかり」が悪くなるでしょ?
-
ウーム。
確かに相反する要素ね。 -
それを両立させるよう、カップの内側が絶妙な形状に設計されているのです。左右対称でもないし。
-
特許取っておかないと!
-
アンタ、どういう立ち位置で人の話聞いてんのよ。
-
……ともあれコレで、オイルフィルター交換後も、キレイな手でオニギリが食べられるってわけね。
-
そうはいっても、ゴハンを食べる前は、手洗いなさいよ。
-
今はそういう話ジャナイ。
KTCのフィルターオイルキャッチャー
カポ!
クルクル
関連記事